ブログに記事を書きためてきたけど、PV数が伸び悩んでいる…。過去の記事がうまく活用できていない…。そんな風に感じていませんか?
実はその悩み、複数の記事を1つのテーマで束ねる「まとめ記事」を作ることで解決できるかもしれません。
まとめ記事は、読者にとっての分かりやすさはもちろん、ブログ運営者にとってもSEO効果や回遊率アップなど、多くのメリットがあります。この記事では、まとめ記事のメリットから具体的な書き方の手順、種類別の使い分けまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
そもそもブログの「まとめ記事」とは?
ブログの「まとめ記事」とは、その名の通り、特定のテーマに関連する複数の既存記事を一つにまとめて、新しい価値を加えて提供する記事のことです。
例えば、「ブログ 始め方」というテーマで、「サーバー契約」「ドメイン取得」「WordPress設定」といった個別の記事を書いてきたとします。これらの記事へのリンクを1ページに集約し、「この記事を読むだけでブログを始められる」という手順書のような記事がまとめ記事です。
単なるリンク集とは違い、読者が次に何をすべきか、どの記事を読めば疑問が解決するのかを案内する「目次」や「案内役」のような役割を果たします。
過去に投稿した記事という資産を有効活用し、読者にとっても運営者にとっても大きなメリットを生み出す、非常に強力なコンテンツ手法といえるでしょう。
なぜ今まとめ記事が重要?得られる3つのメリット
まとめ記事を作成すると、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。ここでは、ブログ運営において特に重要となる3つのメリットをご紹介します。
サイトの回遊率と滞在時間がアップする
まとめ記事は、関連性の高い記事への内部リンクが豊富に設置されています。そのため、記事を読んだ読者が「次はこの記事も読んでみよう」と、サイト内を巡ってくれる可能性が高まります。
これがサイトの回遊率向上です。
一人の読者が複数のページを読んでくれることで、サイト全体のPV数が増加します。さらに、一つの記事だけでなく、関連する記事もじっくり読んでくれるため、読者一人がサイトに滞在する時間も長くなる傾向にあります。
サイトの回遊率や滞在時間は、Googleがサイトの価値を判断する上での指標の一つともいわれており、SEOの観点からも非常に重要です。
検索エンジンからの評価が高まる(SEO効果)
まとめ記事は、特定のテーマについて網羅的に情報をまとめるため、専門性や権威性の高いコンテンツとして検索エンジンから評価されやすくなります。
例えば、「Webライター 始め方」というキーワードで記事を作るとしましょう。始め方に関する様々なトピック(仕事内容、必要なスキル、案件の探し方など)を網羅したまとめ記事は、個別のトピックを扱った記事よりも情報量が豊富です。
このように、読者の検索意図に対して包括的に応えることができる質の高いコンテンツは、検索結果で上位に表示されやすくなる傾向があります。もちろん、必ず上位表示が保証されるわけではなく、キーワードの難易度や競合サイトの状況にも左右されますが、SEOにおいて非常に有利な手法であることは間違いありません。
また、まとめ記事が上位表示されることで、そこからリンクされている個別の記事にもSEOの良い影響が波及する効果も期待できます。
読者の満足度が向上しファン化につながる
読者が何かを検索するとき、その背景には「複数のサイトを回らずに、ここで一気に情報を知りたい」という欲求が隠れていることが多いです。
まとめ記事は、そんな読者のニーズにぴったりと応えることができます。
知りたい情報が1ページに整理されていれば、読者はあちこち探し回る手間が省けますよね。疑問や悩みがスムーズに解決されることで、「このブログは分かりやすくて親切だ」と感じ、満足度が大きく向上します。
こうした満足度の高い体験は、読者があなたのブログのファンになってくれるきっかけになります。一度ファンになってくれれば、再訪問してくれたり、SNSで記事をシェアしてくれたりと、長期的なブログの成長につながっていくでしょう。
まとめ記事の代表的な4つの種類と使い分け
まとめ記事にはいくつかの型(種類)があります。それぞれの特徴を理解し、目的やテーマに合わせて使い分けることが重要です。ここでは代表的な4つの種類と、それぞれの使い分けについて解説します。
種類 | 目的 | メリット | 向いているテーマの例 |
---|---|---|---|
ランキング形式 | 人気やおすすめ順に紹介し、読者の選択を助ける | 読者の興味を引きやすく、クリックされやすい | おすすめのツール、人気の書籍、行ってよかった旅行先 |
キュレーション形式 | 特定のテーマに関する情報を網羅的に集約する | 専門性・網羅性が高まり、SEO評価向上につながる | 「〇〇の始め方」完全ガイド、〇〇のノウハウ全集 |
ステップ・手順形式 | 何かを達成するための手順を順番に案内する | 読者が行動しやすく、記事の価値を実感しやすい | 料理のレシピ、DIYの作り方、ツールの導入手順 |
Q&A形式 | よくある質問とその回答をまとめる | 読者の具体的な悩みを直接解決できる | 製品のFAQ、サービスのよくある質問、特定の悩み相談 |
ランキング形式|人気記事を分かりやすく紹介
「〇〇おすすめ5選」のように、特定のテーマに沿った記事や商品をランキング形式で紹介するまとめ記事です。順位付けすることで読者の興味を引きやすく、「とりあえず上位のものを見てみよう」という心理が働くため、クリック率が高くなる傾向があります。
ただし、なぜその順位なのか、選定基準を明確にすることが重要です。客観的なデータや、自身の経験に基づいた説得力のある理由を添えることで、読者の納得感を高めることができます。
キュレーション形式|特定のテーマを網羅的に解説
特定のテーマに関する情報を、網羅的に集めて整理するタイプのまとめ記事です。「〇〇のすべて」「〇〇完全ガイド」といったタイトルで、そのテーマについて深く知りたい読者をターゲットにします。
この形式は、情報の網羅性や専門性が非常に高くなるため、SEOで高く評価されやすいのが大きなメリットです。作成には時間と労力がかかりますが、一度作ればブログの柱となる強力なコンテンツになります。個別の解説記事を複数用意した上で、それらを体系的にまとめるのが一般的です。
ステップ・手順形式|ノウハウや手順を順番に案内
何かを始めたり、特定の手順をこなしたりするための方法を、ステップ・バイ・ステップで解説するまとめ記事です。「世界一分かりやすい〇〇の始め方」のように、読者が迷わずに行動できるよう、順番に記事を案内します。
「ステップ1:〇〇をする」「ステップ2:次に〇〇をする」といった形で構成し、各ステップで読むべき記事へ誘導します。読者が実際に行動を起こし、成功体験を得る手助けができるため、満足度が非常に高くなりやすい形式です。
Q&A形式|読者の悩みにピンポイントで回答
特定のテーマに関して、読者からよく寄せられる質問や、想定される疑問に答える形で構成するまとめ記事です。いわゆる「よくある質問(FAQ)」ページのようなイメージですね。
読者が抱える具体的な悩みを直接的に解決できるため、非常に高い満足度を得やすいのが特徴です。Yahoo!知恵袋やSNSなどで、ターゲット読者がどのような疑問を持っているかをリサーチし、その回答となる記事を用意してまとめることで、読者のニーズに的確に応えることができます。
【初心者でも簡単】まとめ記事の作り方5ステップ
ここからは、実際にまとめ記事を作成するための具体的な手順を5つのステップに分けて解説します。この通りに進めれば、初心者の方でも質の高いまとめ記事を作ることができますよ。
ステップ1:テーマとキーワードを決める
まずは、どんなテーマでまとめ記事を作るかを決めます。基本的には、あなたのブログで複数の記事を書いてきた得意なジャンルから選ぶのが良いでしょう。
テーマが決まったら、そのまとめ記事で上位表示を狙うキーワードを選定します。例えば、「ブログ 始め方」「Webライター 稼ぎ方」のような、複数の要素を含む少し広めのキーワード(ミドルキーワード)が適しています。
キーワードが決まれば、読者が何を知りたいのか(検索意図)が見えてくるため、記事全体の方向性が定まります。
ステップ2:まとめる既存記事を選ぶ
次に、ステップ1で決めたテーマに沿って、まとめる対象となる既存記事を選び出します。過去に書いた記事の中から、関連性の高いものをリストアップしていきましょう。
このとき、ただ記事を洗い出すだけでなく、情報が古くなっていないか、内容に間違いがないかもチェックすることが大切です。もし情報が古ければ、この機会にリライト(修正・加筆)しておきましょう。
また、まとめ記事の構成を考えたときに、足りないトピックがあれば、新しい記事を追加で作成することも検討します。
ステップ3:記事全体の構成案を作成する
まとめる記事が決まったら、記事全体の構成案を作ります。選んだ記事を、読者がどのような順番で読めば最も理解しやすいかを考え、見出しの順番や構成を組み立てていきましょう。
例えば、「ブログの始め方」というテーマなら、
- 始める前の心構え
- サーバーとドメインの契約
- WordPressの初期設定
- 最初に書くべき記事のネタ
- 収益化の方法
といった流れが考えられます。読者の思考の流れに沿って、スムーズに読み進められるストーリーを意識することが、分かりやすいまとめ記事を作るコツです。
ステップ4:読者のための「新しい価値」を加えて執筆する
構成案ができたら、いよいよ執筆です。各見出しで紹介する記事の概要を簡潔に説明し、内部リンクを設置していきます。
ここで最も重要なのが、単なるリンク集で終わらせないことです。記事全体をまとめる導入文や、各見出しのつなぎの文章、そして記事全体のまとめの文章など、まとめ記事としてのオリジナルの文章(新しい価値)をしっかりと書き加えましょう。
なぜこの順番で読むのが良いのか、このテーマで最も重要なポイントは何か、といった運営者ならではの視点を加えることで、記事の価値は格段に上がります。
ステップ5:内部リンクを最適化し公開する
記事が完成したら、最後に内部リンクの設置方法を最適化します。
「詳しくはこちら」のようなテキストリンクだけでなく、読者がクリックしたくなるような魅力的なリンクテキストを工夫しましょう。「>>〇〇の具体的な手順はこちら」のように、リンク先の記事に何が書かれているのかが明確に分かるようにするのがおすすめです。
また、まとめ記事から個別の記事へリンクを貼るだけでなく、個別の記事からまとめ記事へのリンクも設置すると、サイト全体の回遊性がさらに高まります。すべての準備が整ったら、記事を公開しましょう。
まとめ記事で失敗しないための注意点
最後に、まとめ記事を作成する上で、これだけは押さえておきたい注意点を3つご紹介します。これらを守ることで、より質の高い、読者にも検索エンジンにも愛される記事になります。
著作権・引用ルールを必ず守る
他のサイトの情報や画像をまとめる「キュレーション形式」の記事を作成する場合、特に注意が必要です。他人のコンテンツを無断で転載することは、著作権侵害にあたります。
文章を引用する場合は、引用タグ(<blockquote>
)を使用し、引用元を明記するなど、定められたルールを必ず守りましょう。画像に関しても、著作権フリーの素材を使うか、許可を得たもののみを使用してください。
安易なコピー&ペーストは、ブログの評価を大きく下げる原因になるため、絶対に避けるべきです。
ただのリンク集にしない(独自性が重要)
繰り返しになりますが、まとめ記事の価値は、情報を整理し、運営者自身の視点や解釈という「新しい価値」を付加する点にあります。
ただ既存記事へのリンクを並べただけでは、読者にとって有益なコンテンツとは言えません。なぜこの記事を読むべきなのか、この記事から何が学べるのか、といった案内役としての役割をしっかりと果たしましょう。
記事全体を通しての導入文やまとめの文章で、あなたの言葉でテーマを総括することが、独自性を生み出す上で非常に重要です。
定期的な情報更新を心がける
まとめ記事は、一度公開したら終わりではありません。特に、ツールやサービスの情報、法律に関する情報などは、時間とともに古くなっていきます。
古い情報が掲載されたままだと、読者の信頼を損なうだけでなく、SEO評価の低下にもつながります。
リンク先の記事をリライトした際や、新しい関連情報が出てきた際には、まとめ記事も忘れずに更新しましょう。定期的にメンテナンスを行うことで、コンテンツの鮮度と質を保ち、長期的に読まれる記事へと育てていくことができます。
ブログの毎日更新は効果ある?メリット・デメリットや本当に大切なこと
まとめ:まとめ記事でブログを次のステージへ
今回は、ブログのまとめ記事のメリットや種類、そして具体的な作り方について解説しました。
まとめ記事は、これまであなたが書きためてきた大切な記事という資産を、最大限に活用するための非常に有効な手段です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、この記事で紹介したステップに沿って進めれば、きっと読者の役に立つ魅力的なまとめ記事が作れるはずです。
まずはあなたのブログの中から、まとめ記事にできそうなテーマを一つ見つけることから始めてみませんか?