「iPhoneの充電、なんだか減りが早くなったな…」と感じていませんか?
朝は100%だったのに、夕方にはもう心許ない。そんな経験は誰にでもあるはずです。実はそれ、いくつかの設定を見直すだけで、大きく改善できるかもしれません。
この記事では、今すぐできるiPhoneのバッテリー節約術を、簡単なものから順に、分かりやすく解説していきます。難しい専門用語は使いません。この記事を読みながら一緒に設定して、バッテリーの不安から解放されましょう。
iPhoneのバッテリー節約、基本は「低電力モード」
いろいろな設定を一つずつ見直すのが面倒…という方は、まず「低電力モード」を試してみてください。これは、iPhoneの機能を一部制限して、バッテリー消費を自動で抑えてくれる、いわば公式の節電モードです。
低電力モードとは?オンにするだけでOK
低電力モードをオンにする方法はとても簡単。
「設定」アプリ →「バッテリー」→「低電力モード」のスイッチをオンにする
たったこれだけで、バッテリーの消費を抑えることができます。コントロールセンターによく使う項目として追加しておけば、画面をスワイプするだけでいつでも切り替えられて便利ですよ。
このモードは、バッテリー残量が80%以上になると自動的にオフになる仕組みです。そのため、充電しながら使う必要はなく、外出先で「今日はあまり充電できないな」という日に活用するのがおすすめです。
低電力モードで制限される機能
「節電できるのは分かったけど、何が制限されるの?」と気になりますよね。低電力モードをオンにすると、主に以下の機能が制限、または停止されます。
機能分類 | 制限される内容 |
---|---|
通信 | 5G通信(ビデオストリーミングなどを除く) |
画面表示 | ProMotionディスプレイのリフレッシュレート(最大60Hzに制限) |
画面の明るさの減光 | |
一部のアニメーションなどの画面効果 | |
システム | 自動ロックの時間(30秒に固定) |
iCloud写真の同期(一時停止) | |
アプリ | メールの自動取得 |
Appのバックグラウンド更新 | |
Appの自動ダウンロード |
普段使いで大きく困るような制限は少ないですが、「最新のメールをすぐにチェックしたい」「アプリの情報を常に最新にしたい」といった場合は、一時的にオフにすると良いでしょう。自分の使い方に合わせて、オン・オフを使い分けるのが賢い方法です。
【中級編】自分好みにカスタマイズ!効果的なバッテリー節約設定9選
「低電力モードは便利だけど、一部の機能は制限されたくない」。そんな方は、個別の設定を見直してみましょう。ここでは、特にバッテリー節約効果が高い9つの設定を厳選して紹介します。
画面の明るさと表示に関する設定
iPhoneの部品の中で、最もバッテリーを消費するのがディスプレイです。だからこそ、画面に関する設定は効果が出やすいポイントになります。
1. 画面の明るさを最適化する
常に画面が明るすぎると、バッテリーはどんどん消費されます。手動で調整するのも良いですが、「明るさの自動調節」をオンにしておくのがおすすめです。周囲の光に合わせてiPhoneが自動で明るさを調整してくれるため、無駄な電力消費を防げます。
設定方法:「設定」→「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」→「明るさの自動調節」をオン
2. ダークモードを活用する
背景が黒基調になる「ダークモード」は、目に優しいだけでなく、バッテリー節約にも効果が期待できます。特に、有機EL(OLED)ディスプレイを搭載したモデル(iPhone XシリーズやiPhone 12シリーズ以降など)では、黒色を表示する際にピクセルが発光しないため、消費電力を大幅に抑えることが可能です。
設定方法:「設定」→「画面表示と明るさ」→「ダーク」を選択
3. 「手前に傾けてスリープ解除」をオフ
iPhoneを持ち上げるたびに画面が点灯する便利な機能ですが、意図せず点灯することも多く、バッテリーをじわじわと消費する原因になります。不要であればオフにしておきましょう。
設定方法:「設定」→「画面表示と明るさ」→「手前に傾けてスリープ解除」をオフ
通信・通知に関する設定
目には見えませんが、バックグラウンドでの通信や頻繁な通知も、バッテリーを消費する大きな要因です。
4. Appのバックグラウンド更新をオフ
アプリを使っていない間も、裏側で情報を更新してくれる機能です。便利ですが、多くのアプリでオンになっているとバッテリー消費が激しくなります。SNSやニュースアプリなど、常に最新情報を必要としないアプリはオフにしてしまいましょう。
設定方法:「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」から、アプリごとにオン/オフを選択
5. 位置情報サービスを見直す
GPSを利用する位置情報サービスは、バッテリー消費が大きい機能の代表格です。特に「常に」許可しているアプリは、使っていない間もあなたの位置情報を取得し続けます。アプリごとに設定を見直し、「このAppの使用中のみ許可」に変更するか、不要なものは「なし」に設定しましょう。
設定方法:「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」から、アプリごとに設定
6. 不要な通知をオフにする
通知が来るたびに画面が点灯し、通信も発生します。本当に必要な通知以外はオフにすることで、バッテリー消費と、集中力を削がれるのを同時に防ぐことができます。
設定方法:「設定」→「通知」から、不要なアプリの通知をオフ
アプリと機能に関する設定
普段あまり意識しない細かな機能も、積み重なれば大きな電力消費につながります。
7. 視差効果を減らす
ホーム画面のアイコンが少し浮いて見えるような、奥行きを感じさせるアニメーション効果です。オフにしても操作に支障はなく、描画処理の負荷を減らすことでバッテリーを節約できます。
設定方法:「設定」→「アクセシビリティ」→「動作」→「視差効果を減らす」をオン
8. Siriからの提案をオフにする
Siriはあなたの利用状況を学習し、便利な提案をしてくれますが、そのためにバックグラウンドで常に活動しています。この機能をあまり使わないのであれば、オフにすることでバッテリー消費を抑えられます。
設定方法:「設定」→「Siriと検索」で、提案に関する項目を個別にオフ
9. App Storeの自動ダウンロードを停止
他のAppleデバイスで購入したアプリや、アプリのアップデートを自動でダウンロードしてくれる機能です。便利な反面、意図しないタイミングで大きな通信が発生し、バッテリーを消費します。Wi-Fi環境で手動アップデートする習慣があるなら、オフにしても問題ないでしょう。
設定方法:「設定」→「App Store」→「自動ダウンロード」の項目をオフ
バッテリーの寿命を延ばすための豆知識
ここまでは日々のバッテリー消費を抑える「節電」の話でしたが、最後にバッテリーそのものを長持ちさせる「寿命」の話をします。
「バッテリー充電の最適化」をオンに
これは、iPhoneがあなたの充電パターンを学習し、バッテリーの劣化を抑えてくれる機能です。具体的には、バッテリー残量が80%に達した後の充電ペースを緩やかに調整します。デフォルトでオンになっていますが、念のため確認しておきましょう。
設定方法:「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」→「バッテリー充電の最適化」をオン
やってはいけない!バッテリーを劣化させるNG行動
リチウムイオンバッテリーの性質上、使い方によっては劣化を早めてしまいます。以下の行動はなるべく避けましょう。
- 充電が0%のまま放置する
- 充電が100%のまま長時間ケーブルに繋ぎっぱなしにする
- 極端な高温・低温環境(特に35℃以上)で使ったり、保管したりする
特に「ながら充電」でiPhoneが熱くなるのは、バッテリーにとって大きな負担です。ゲームなど負荷の高い作業をする際は、一旦充電ケーブルを外すことをおすすめします。
参考:バッテリー – パフォーマンスを最大化する – Apple(日本)
iPhone 16が急に熱くなる?原因と誰でもできる対処法を徹底解説
まとめ
iPhoneのバッテリーを長持ちさせるための設定方法をご紹介しました。
- 手軽に節電したいなら、まずは「低電力モード」を試す。
- こだわりたいなら、9つの個別設定で自分好みにカスタマイズする。
- バッテリーの寿命を延ばすには、充電方法や使い方にも気を配る。
すべてを一度に行う必要はありません。まずは気になったもの、自分に関係ありそうなものから試してみてください。少し設定を見直すだけで、iPhoneはもっと快適なパートナーになってくれるはずです。