「なんだかiPhoneの音が物足りない…」「もっとクリアで迫力のあるサウンドで音楽を楽しみたい!」
そう感じたことはありませんか?実は、iPhoneは簡単な設定変更や、少し機材にこだわるだけで、見違えるほど音質が向上するポテンシャルを秘めています。
この記事では、お金をかけずに今すぐ試せるiPhone本体の設定から、AirPodsやスピーカーといった周辺機器選びのコツまで、あなたの音楽体験を劇的に変える方法を分かりやすく解説します。
難しい専門用語は使いません。この記事を読めば、あなたにぴったりの「いい音」が見つかるはずです。
iPhone本体だけで音質を向上させる基本設定5選
まずは、お金をかけずにiPhoneの設定を見直すだけで、音質を改善する方法をご紹介します。意外と知られていないけれど効果的なものばかりなので、ぜひ試してみてください。
イコライザ(EQ)機能で好みの音質にカスタマイズ
iPhoneには「イコライザ(EQ)」という、特定の周波数帯域を強調したり抑えたりして音質を調整する機能が備わっています。これを設定するだけで、サウンドが劇的に変わりますよ。
設定方法は簡単です。
- 「設定」アプリを開く
- 「ミュージック」をタップ
- 「イコライザ」を選択
ここには「Rock」や「Pop」「R&B」など、20種類以上のプリセットが用意されています。ロックなら低音と高音が強調されて迫力が出ますし、ポップスならボーカルが際立つようになります。
どれを選べば良いか分からない場合は、まず「Late Night」(または類似の名称)を試すのがおすすめです。この設定は、音の大小の差を少なくして全体的に音圧を上げてくれるため、どんなジャンルの音楽でも聴きやすく、迫力が増したように感じられます。色々試して、あなたの好きな音楽に最適な設定を見つけるのが楽しいですよ。
「音量を自動調整」と「サウンドチェック」はオフに
便利な機能に思えますが、音質を最優先するなら「音量を自動調整」や「サウンドチェック」はオフにすることをおすすめします。これらの機能は、曲ごとの音量差をなくしてくれるものですが、その過程で音の強弱や抑揚といったダイナミックレンジが失われがちです。
結果として、なんだかのっぺりとした平坦な音に聴こえてしまうことがあります。アーティストが意図したオリジナルのサウンドバランスで楽しむためにも、一度オフにして聴き比べてみてください。
設定は「設定」→「ミュージック」の中にあります。もしオフにして曲ごとの音量差が気になるようなら、オンに戻せば良いだけなので、気軽に試せます。
「ヘッドフォンセーフティ」の罠?音量制限を確認
「なんだか最近、iPhoneの最大音量が小さくなった気がする…」と感じているなら、「ヘッドフォンセーフティ」機能が影響しているかもしれません。これは、聴力を保護するために大音量を自動で抑制する機能です。
意図せずオンになっていると、本来出せるはずの音量が出ていない可能性があります。確認方法は以下の通りです。
- 「設定」アプリを開く
- 「サウンドと触覚」をタップ
- 「ヘッドフォンセーフティ」を選択
ここで「大きな音を抑える」がオンになっていないか確認しましょう。もしオンになっていたら、スライダーで音量の上限を調整するか、機能をオフにすることで、本来の音量を取り戻せます。もちろん、耳の健康は大切なので、長時間の大音量には注意してくださいね。
「空間オーディオ」でライブのような臨場感を
AirPods ProやAirPods Maxなど、対応するイヤホンやヘッドホンを使っているなら、「空間オーディオ」は絶対に試してほしい機能です。これをオンにすると、まるで映画館やライブ会場にいるかのような、立体的で臨場感あふれるサウンドが楽しめます。
顔の向きに合わせて音の聞こえ方が変わる「ダイナミックヘッドトラッキング」も秀逸で、iPhoneが体の正面にあるかのように音が定位します。
設定は、対応イヤホンを接続した状態でコントロールセンターを開き、音量スライダーを長押しすると表示されます。「空間オーディオ」のアイコンをタップしてオンにしてみましょう。Apple Musicの一部の楽曲や、対応する動画配信サービスでその効果を最大限に体感できます。
【イヤホン・ヘッドホン編】おすすめアイテムで音質を劇的に改善
iPhone本体の設定だけでも音は良くなりますが、さらなる高みを目指すなら、イヤホンやヘッドホンを見直すのが最も効果的です。ここでは、iPhoneとの組み合わせに最適なアイテム選びのポイントを解説します。
なぜイヤホンで音が変わる?基本のキを解説
イヤホンを変えると音が変わる理由は、主に「コーデック」と「ドライバー」にあります。
コーデックとは?
コーデックは、Bluetoothで音声を伝送する際の「圧縮方式」のこと。iPhoneは基本的に「AAC」というコーデックに対応しています。AACは、標準的な「SBC」よりも高音質で遅延が少ないのが特徴です。そのため、イヤホンを選ぶ際は、まず「AAC対応」と書かれているものを選ぶのがiPhoneユーザーの基本となります。
ドライバーとは?
ドライバーは、電気信号を音に変換する、イヤホンの心臓部です。このドライバーの性能や種類によって、音の解像度や迫力が大きく変わります。高価なイヤホンほど、高性能なドライバーを搭載している傾向があります。
つまり、iPhoneの性能を最大限に引き出すには、「AACに対応」していて、かつ「質の良いドライバーを搭載した」イヤホンを選ぶことが重要になるわけです。
AirPodsシリーズは最適解?モデルごとの特徴比較
iPhoneユーザーにとって、Apple純正のAirPodsシリーズは最も手軽で間違いない選択肢の一つです。設定の簡単さや連携のスムーズさは、他社製品にはない魅力でしょう。ここでは、主要モデルの特徴を比較してみます。
モデル名 | 特徴 | アクティブノイズキャンセリング | 外部音取り込みモード | 空間オーディオ | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|---|
AirPods(第3世代) | バランスの取れた優等生モデル。インナーイヤー型で軽い着け心地。 | なし | なし | 対応 | 手軽に高音質とApple連携を楽しみたい人 |
AirPods Pro(第2世代) | 最強のノイキャンと高音質を両立。カナル型でフィット感も抜群。 | 対応 | 対応 | 対応 | 通勤・通学中など、騒がしい場所で音楽に集中したい人 |
AirPods Max | ヘッドホン型で最高レベルの音質とノイキャン性能。 | 対応 | 対応 | 対応 | 自宅などでじっくりと最高の音楽体験をしたい人 |
どのモデルもiPhoneとの相性は抜群ですが、利用シーンに合わせて選ぶのがポイントです。通勤電車で使うならノイズキャンセリングが強力なAirPods Pro、手軽さを重視するならAirPods、家で最高の音に浸りたいならAirPods Maxといった具合に、あなたのライフスタイルに合ったものを選んでみてください。
有線接続という選択肢|DACでさらなる高みへ
音質を極限まで追求したいなら、「有線接続」が最強の選択肢となります。Bluetooth接続はどうしても音源を圧縮するため、わずかな情報の欠落が避けられません。しかし、有線なら音源データを劣化させることなく、そのままイヤホンに届けられます。
さらに音質を高めたいなら、「DAC(ダック)」と呼ばれるポータブルアンプを導入するのがおすすめです。DACは「Digital to Analog Converter」の略で、iPhoneからのデジタル信号を、より高品位なアナログ信号に変換してくれる機材です。
iPhoneとイヤホンの間にこのDACを挟むだけで、音の解像度やパワーが格段にアップし、まるで別次元のサウンドが広がります(ただし感じ方は個人差あり)。数千円から手に入るモデルもあるので、少しマニアックな世界に足を踏み入れてみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
【スピーカー編】iPhoneの音を部屋いっぱいに広げる
イヤホンだけでなく、部屋で音楽を楽しみたいときにはスピーカーが活躍します。iPhoneとスピーカーを接続する方法はいくつかありますが、ここでは代表的なものを紹介します。
Bluetoothスピーカー選びの3つのポイント
手軽さで選ぶなら、やはりBluetoothスピーカーが一番です。選ぶ際には、以下の3つのポイントをチェックしましょう。
- 対応コーデック: イヤホンと同様に、iPhoneで使うなら「AAC」に対応したモデルを選びましょう。これにより、ワイヤレスでも比較的高音質なサウンドを楽しめます。
- 防水性能: お風呂やキッチン、アウトドアなど、水回りで使う可能性があるなら、IPX4以上の防水性能があると安心です。
- サイズとバッテリー: 持ち運ぶならコンパクトでバッテリー持ちが良いものを、自宅で据え置きで使うなら、サイズが大きくても音質重視のモデルを選ぶなど、用途に合わせて選びましょう。
最近では、数千円台の安価なモデルでも驚くほど高音質なものが増えています。レビューなどを参考に、お気に入りの一台を見つけてみてください。
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AirPlay 2対応スピーカーで高音質&快適な連携を
自宅のWi-Fi環境があるなら、「AirPlay 2」に対応したスピーカーも非常におすすめです。AirPlay 2は、Apple独自のワイヤレス技術で、Bluetooth接続にはないメリットがたくさんあります。
一番のメリットは、音源を圧縮せずに伝送できるため、Bluetoothよりも高音質であること。Wi-Fiネットワークを利用するため、通信も安定しています。
さらに、複数のAirPlay 2対応スピーカーを連携させて、家中で同じ音楽を同時に流す「マルチルームオーディオ」も可能です。iPhoneで音楽を再生中に電話がかかってきても、音楽が途切れないのも地味に嬉しいポイント。
HomePod miniなどが代表的な製品ですが、SonosやBoseといった多くのメーカーからも対応スピーカーが発売されています。iPhoneとのシームレスな連携と高音質を両立させたいなら、ぜひ検討してみてください。
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まとめ:iPhoneの音質は、ひと手間で劇的に変わる!
今回は、iPhoneの音質を向上させるための様々な方法をご紹介しました。
- まずは無料の設定から: イコライザの変更や音量調整機能のオフなど、今すぐ試せることから始めよう。
- イヤホンを変えるのが一番の近道: 用途に合わせてAirPodsシリーズや、こだわりの有線イヤホン+DACを選んでみよう。
- スピーカーで楽しみ方を広げる: BluetoothやAirPlay 2で、部屋中をお気に入りの音楽で満たそう。
iPhoneは、少し設定を工夫したり、周辺機器にこだわるだけで、驚くほど豊かな音楽体験を提供してくれます。まずはこの記事で紹介した「イコライザ設定」から試してみて、その違いを実感してみてください。きっと、あなたの音楽ライフがもっと楽しくなるはずです。