フリマアプリで中古のiPhoneをお得に探していたら、「これだ!」と思う一台が見つかること、ありますよね。でも、いざ購入して電源を入れたら「このiPhoneは所有者によって紛失または盗難されたことが報告されています」なんて表示が出たら…?考えるだけで血の気が引くかもしれません。
実際のiOSでは「このiPhoneは紛失モードです」といった表示がされることが多いですが、このようなメッセージは、フリマアプリなどの個人間取引で時々発生するトラブルの一つです。
この記事では、そんな最悪の事態を避けるために、そして万が一遭遇してしまったときのために、以下の点を分かりやすく解説していきます。
- 「紛失・盗難報告」と表示される原因
- 購入前に危険なiPhoneを見分ける具体的な方法
- もし問題のあるiPhoneを買ってしまった場合の対処ステップ
- フリマ以外で安全に中古iPhoneを手に入れる方法
この記事を読めば、中古iPhoneのトラブルに関する不安を解消し、賢く、そして安全に乗り換える知識が身につきますよ。
フリマのiPhoneに「盗難報告されています」と表示される原因
「盗難」という物騒な言葉が表示されると、多くの人が「赤ロム」という状態を思い浮かべるかもしれません。しかし、この表示が直接意味するのは「赤ロム」とは少し異なります。まずは、この表示の本当の原因と、関連する用語について正しく理解しましょう。
「探す」機能によるアクティベーションロックが主な原因
「このiPhoneは所有者によって紛失または盗難されたことが報告されています」といったメッセージが表示される直接的な原因は、Appleの「アクティベーションロック」機能によるものです。
これは、iPhoneの「探す」機能の一部で、元の所有者がデバイスを紛失したり盗難に遭ったりした際に、第三者に不正利用されないよう端末を保護する仕組み。元の所有者がApple IDとパスワードを入力して解除しない限り、そのiPhoneは初期化しても使うことができません。つまり、文鎮と同じ状態になってしまいます。
元の所有者が「紛失モード」をオンにすると、この種のメッセージがロック画面に表示されるようになるのです。
ネットワーク利用制限(赤ロム)との違いを理解しよう
一方で「赤ロム」とは、端末代金の分割払いが滞ったり、キャリア(ドコモなど)の補償サービスで不正に入手されたりした端末に対して、キャリアが通信機能に制限をかける状態を指します。
赤ロムになると、Wi-Fiは使えますが、SIMカードを挿しても電話やモバイルデータ通信ができなくなります。
両者の違いをまとめると、以下のようになります。
項目 | アクティベーションロック(紛失モード) | ネットワーク利用制限(赤ロム) |
---|---|---|
原因 | 元の所有者が「探す」でロック | 端末代金の未払いなど |
制限される機能 | iPhoneの初期設定・操作すべて | SIMカードによる通信(通話・データ通信) |
管轄 | Apple | 各通信キャリア(ドコモ・auなど) |
解除方法 | 元の所有者のApple IDとパスワード入力 | 未払い料金の清算など |
つまり、「紛失モード」はAppleによる端末そのもののロック、「赤ロム」はキャリアによる通信のロック、と覚えておくと分かりやすいでしょう。
購入前にチェック!危険な中古iPhoneの見分け方【最重要】
トラブルを未然に防ぐには、購入前のチェックが何よりも重要です。少しの手間をかけるだけで、高価な文鎮を買ってしまうリスクを大幅に減らすことができます。ここでは、誰でもできる具体的な見分け方を3つのステップで紹介します。
ステップ1:IMEI(製造番号)でネットワーク利用制限を確認する
最も確実で重要なのが、IMEI(アイエムイーアイ)という端末識別番号を使って、ネットワーク利用制限の状態を調べることです。出品者にIMEIを教えてもらい、購入前に必ずチェックしましょう。
IMEIの確認方法
出品者に以下のいずれかの方法で確認してもらうよう依頼してください。
- 電話アプリで「*#06#」とダイヤルする
- 「設定」>「一般」>「情報」の画面で確認する
- SIMカードトレイに記載されている番号を確認する
各キャリアのチェックサイト
取得した15桁のIMEIを、以下のサイトに入力して判定結果を確認します。結果が「✕」や「△」の場合は注意が必要です。「◯」なら現時点では問題ありません。
キャリア | ネットワーク利用制限確認サイト |
---|---|
NTTドコモ | ネットワーク利用制限携帯電話機確認サイト |
au | ネットワーク利用制限携帯電話機照会 |
SoftBank / Y!mobile | ネットワーク利用制限携帯電話機の確認 |
楽天モバイル | ネットワーク利用制限の確認 |
「△」は、分割払いが残っている状態で、将来的に未払いが発生すると「✕」(赤ロム)になる可能性があります。安全を期すなら「◯」の端末を選びましょう。
ステップ2:商品説明と出品者の評価を熟読する
基本的なことですが、商品説明と出品者の評価は隅々まで確認してください。
チェックすべきポイントは以下の通りです。
- アクティベーションロック解除済み、初期化済みと明記されているか
- SIMロックの有無(SIMフリーか、キャリア版か)
- バッテリーの最大容量
- 「ジャンク品」「ノークレーム・ノーリターン」といった記載がないか
- 出品者の評価は良いか(悪い評価の内容も確認する)
- 過去にスマホの取引実績が豊富か
特にスマホの取引に慣れていない出品者や、評価が極端に少ない新規アカウントからの購入は慎重に判断する必要があります。
ステップ3:アクティベーションロック解除の確認を依頼する
念には念を入れて、出品者にアクティベーションロックが確実に解除されているか、再度確認を依頼するのも有効な手段です。
例えば、「購入を検討しているのですが、念のため『設定』>『[ユーザ名]』>『探す』>『iPhoneを探す』がオフになっている画面のスクリーンショットを追加していただくことは可能でしょうか?」といった形で、丁寧にお願いしてみましょう。
誠実な出品者であれば対応してくれるはずです。もし、はぐらかされたり拒否されたりした場合は、その取引は見送るのが賢明かもしれません。
もし「盗難報告」iPhoneを買ってしまった場合の対処法
どれだけ注意していても、残念ながらトラブルに巻き込まれてしまう可能性はゼロではありません。もし「紛失モード」のiPhoneを購入してしまったら、慌てずに以下のステップで冷静に対処しましょう。
ステップ1:まずは出品者に連絡する
最初にすべきことは、取引メッセージで出品者に連絡を取ることです。状況を説明し、返品・返金を求めましょう。
出品者が意図せずアクティベーションロックを解除し忘れているだけの可能性もあります。その場合は、相手にロックを解除してもらうことで問題が解決するかもしれません。
しかし、連絡が取れなくなったり、対応を拒否されたりした場合は、次のステップに進みます。
ステップ2:フリマアプリの運営に補償を申請する
個人間のやり取りで解決しない場合は、すぐにフリマアプリの運営事務局に相談・報告してください。多くのフリマアプリでは、偽物や説明と異なる商品が届いた場合に、購入者を保護するための補償制度を設けています。
主なフリマアプリの対応
- メルカリ: 商品説明と明らかに異なる商品が届いた場合、事務局が状況を確認し、取引のキャンセルや返金などの対応を検討してくれます。
- Yahoo!フリマ: 「お見舞い制度」があり、偽物やトラブルに遭った際に申請が可能です。
補償を申請する際は、「受け取り評価」を絶対にしてはいけません。評価をして取引を完了させてしまうと、運営からのサポートが受けられなくなる可能性が非常に高くなります。
【重要】
補償制度の詳細は変更されることがあります。申請前には、必ず各アプリの最新の利用規約やヘルプページをご確認ください。
参考1:違反する出品・行為があった場合の対応(メルカリヘルプセンター)
参考2:届いた商品が説明文と違う/壊れている(メルカリヘルプセンター)
参考3:[購入者]届いた商品が説明と違う、壊れている(Yahoo!フリマ ヘルプ)
参考4:Yahoo!フリマ事務局に返金やお見舞いを申請する方法(Yahoo!フリマ ヘルプ)
ステップ3:最終手段として警察に相談する
フリマアプリの運営に相談しても解決しない悪質なケースでは、最寄りの警察署やサイバー犯罪相談窓口に相談することも選択肢の一つです。その際は、取引の証拠となる情報をまとめておきましょう。
- 取引したフリマアプリ名と商品ページ
- 出品者の情報(ユーザー名、IDなど)
- 出品者とのやり取りの履歴
- 支払いを証明できるもの
ただし、個人間の金銭トラブルは「民事不介入」の原則から、警察が直接返金交渉を行うことは困難です。刑事事件として立件されるケースは限定的であるという現実も理解しておく必要があります。相談はあくまで最終手段と考えましょう。
赤ロムを避け、安全に中古iPhoneを手に入れるには?
フリマアプリは手軽で魅力的ですが、個人間取引である以上、どうしてもリスクは伴います。トラブルを絶対に避けたい、安心して中古iPhoneを購入したいという方は、以下の方法も検討してみてください。
信頼できる中古スマホ販売店を利用する
イオシスやゲオなど、実績のある中古スマホ販売店は、安全に購入するための選択肢として非常に有力です。これらの店舗には以下のようなメリットがあります。
- 専門スタッフによる検品済み
- 赤ロムに対する保証(赤ロム保証)
- 初期不良に対する返品・交換保証
- クリーニング済みで状態が良い
フリマアプリよりは少し価格が高くなる傾向にありますが、その分、安心感は格段に上です。購入後のサポートも充実しているため、スマホの知識に自信がない方にもおすすめできます。
※保証内容やサービスは店舗によって異なるため、購入前に公式サイトなどでご確認ください。
Apple認定整備済製品を検討する
少しでも新品に近い品質を求めるなら、「Apple認定整備済製品」が最適です。
これは、初期不良などで返品された製品をAppleが責任を持って修理・整備し、新品同様の状態で販売しているもの。新品のApple製品と同じ1年間のハードウェア製品限定保証がつき、バッテリーや外装も新品に交換されています。
価格は新品より10〜20%ほど安くなることが多く、品質はほぼ新品と変わらないため、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。ただし、在庫や割引率は常に変動するため、希望のモデルが常にあるとは限りません。
>AmazonでiPhoneを買うのはアリ?Apple Storeとの違いを徹底比較!【メリット・デメリット】
まとめ:正しい知識で、賢く安全なiPhone選びを
今回は、フリマアプリで中古iPhoneを購入する際に表示されることがある「紛失モード」の原因と、その見分け方・対処法について解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 「紛失・盗難報告」の正体はAppleの「アクティベーションロック」
- 購入前には必ず「IMEI」で「ネットワーク利用制限」をチェックする
- 出品者の評価や商品説明を熟読し、少しでも怪しい点は質問する
- 万が一トラブルに遭ったら、受け取り評価をせず、すぐに出品者と運営に連絡
- 安心を最優先するなら、保証が手厚い中古販売店やApple認定整備済製品を選ぶ
中古iPhoneは、賢く選べば非常にお得な買い物です。しかし、その裏には思わぬ落とし穴が潜んでいることも事実。この記事で得た知識を武器に、ぜひあなたにぴったりの一台を、安全に見つけてくださいね。