「なにか新しいことを始めたいけど、本当にやりたいことが分からない…」
「毎日がなんとなく過ぎていく現状を、どうにかして変えたい」
こんな風に感じたことはありませんか?多くの人が「やりたいことリスト(Bucket List)」を作ろうとしますが、いざペンを持つと手が止まってしまうことも少なくありません。
もしあなたが「やりたいこと」探しに疲れてしまったなら、一度視点を変えてみませんか?実は、「やりたいこと」を無理に見つけるより、「やりたくないこと」を一つずつ手放していく方が、人生を好転させる近道になることがあります。
この記事では、あなたの毎日を軽やかにし、自分らしい生き方を見つけるための「やりたくないことリスト」の作り方から、その驚くべき効果まで、分かりやすく解説していきます。
なぜ「やりたいことリスト」より「やりたくないことリスト」が効果的なのか
「やりたいこと」を探すのはポジティブで素晴らしいことですが、時にはそれがプレッシャーになることも。一方で「やりたくないこと」に目を向けるアプローチは、意外なほど多くのメリットをもたらしてくれます。
ネガティブな感情は自分を知るコンパスになる
あなたが「嫌だな」「ストレスだな」と感じることには、実は大切な本音が隠されています。例えば、「気の進まない飲み会」がやりたくないことなら、あなたは「自分の時間を大切にしたい」「うわべだけの付き合いは苦手」という価値観を持っているのかもしれません。
このように、ネガティブな感情は、あなたが本当に大切にしたいことや、理想の生き方を教えてくれるコンパスの役割を果たします。 我慢して見過ごしてきた小さなモヤモヤにこそ、自分らしさのヒントが詰まっているのです。
すぐに始められるから挫折しにくい
「世界一周旅行をする」「起業する」といった壮大な「やりたいこと」は、考えるだけでワクワクしますが、実現までのハードルが高いのも事実です。その点、「やりたくないこと」は、「つい夜更かししてしまう」「SNSで他人と自分を比べる」といった、日常に転がっている些細なことから見つけられます。
すぐに書き出せて、すぐに行動に移せる手軽さが、「やりたくないことリスト」の大きな魅力。 小さな「やめた」を積み重ねることで、自己肯定感も高まり、継続しやすくなるでしょう。
比較表で見る「やりたいことリスト」との違い
2つのリストの違いを比較表にまとめました。どちらが良い・悪いではなく、目的や状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
項目 | やりたくないことリスト | やりたいことリスト |
---|---|---|
目的 | ストレス軽減、現状改善、自己理解 | 目標達成、夢の実現、自己成長 |
見つけ方 | 日常の不満やストレスから見つける | 理想の未来や憧れから見つける |
心理的ハードル | 低い(すぐに書き出せる) | 高い(壮大になりがち) |
主な効果 | 心と時間に「余白」が生まれる | 行動力が上がり、達成感が得られる |
向いている人 | 現状に不満がある、やりたいことが不明確 | 明確な目標がある、新しい挑戦がしたい |
【簡単3ステップ】自分だけの「やりたくないことリスト」の作り方
難しく考える必要はありません。ノートとペン、もしくはスマホのメモアプリを用意して、リラックスしながら始めてみましょう。
ステップ1:まずは頭の中を空っぽにする(ブレインダンプ)
頭に浮かんだ「やりたくないこと」「やめたいこと」を、ジャンルを問わず自由に書き出していきます。時間を決めて(10分間など)、とにかく手を止めずに書き出すのがコツです。「こんなこと書いても意味ないかな?」なんて考えなくて大丈夫。
もし手が止まったら、以下のカテゴリを参考にしてみてください。
- 仕事: 意味のない会議、サービス残業、完璧主義など
- 人間関係: 気の乗らない誘い、愚痴の聞き役、SNSでの見栄など
- お金: なんとなくのコンビニ通い、不要なサブスク、衝動買いなど
- 時間: 長時間のスマホ、目的のないネットサーフィン、夜更かしなど
- 健康: 運動不足、栄養の偏った食事、自分を責めることなど
ステップ2:なぜ「やりたくない」のか深掘りする
書き出したリストを眺めながら、一つひとつに「なぜ、これをやりたくないんだろう?」と問いかけてみましょう。この作業が、あなたの価値観を明らかにする重要なステップになります。
例えば、「気の乗らない誘いを断れない」という項目があったとします。
「なぜ断れないんだろう?」
→「嫌われたくないから」
→「なぜ嫌われたくないんだろう?」
→「孤独になるのが怖いから」
→「でも、本当は一人で静かに過ごす時間も好きだ」
このように深掘りすることで、「自分は孤独を恐れる一方で、一人の時間も大切にしたい人間なんだ」という自己理解につながります。
ステップ3:「やめるための行動」に変換する
「やりたくないこと」を明確にしたら、それをやめるための具体的なアクションに落とし込みます。「〇〇しない」というネガティブな目標ではなく、「△△する」というポジティブな行動目標に変換するのがポイントです。
- やりたくないこと: サービス残業
- やめるための行動: 毎日18時までに退社する計画を立て、上司に共有する
- やりたくないこと: SNSで他人と比べて落ち込む
- やめるための行動: 夜21時以降はスマホを見ない、フォローする人を見直す
- やりたくないこと: なんとなくコンビニに寄る
- やめるための行動: 帰宅ルートを変える、水筒を持参する
【具体例15選】みんなはどんなことをリストアップしてる?
他の人がどんなことを「やりたくないこと」として挙げているのか、参考にしてみましょう。共感できるものが見つかるかもしれません。
仕事編
- 目的が不明確な会議への参加
- 「とりあえず」で仕事を引き受けること
- 就業時間外の仕事のメールチェック
- 職場の人間関係のために行く飲み会
- 完璧を目指しすぎて、仕事を抱え込むこと
人間関係編
- SNSで他人と自分の生活を比べること
- 愚痴や悪口に同調すること
- 「嫌われたくない」という理由で自分の意見を言わないこと
- 既読スルーを気にしすぎること
- 無理して相手の話に合わせること
LINEの友達整理で心を軽く。人間関係を見直すためのデジタル断捨離術
生活・お金編
- なんとなくテレビをつけっぱなしにすること
- セールだからという理由で、不要なものを買うこと
- 使っていないサブスクリプションにお金を払い続けること
- 寝る直前までスマホを見ること
- 「いつかやろう」と物事を先延ばしにすること
ミニマリストの生活とは? シンプルライフとの違い・実践法・メリット&デメリット
リストを作っただけで終わらせない!継続するための3つのコツ
リストを作るだけでも思考が整理されますが、行動に移してこそ人生は変わります。挫折せずに続けるためのコツを紹介します。
完璧を目指さず、1つでも実行できたらOKとする
リストアップした項目をすべて一度にやめようとすると、プレッシャーで疲れてしまいます。まずは「これならできそう」と思える簡単なものから1つだけ選んで、1週間続けてみましょう。 たった1つでも実行できれば、それは大きな進歩です。自分を褒めてあげることを忘れないでください。小さな成功体験が、次のステップへの自信につながります。
定期的に見直してアップデートする
あなたの価値観やライフステージは、時間とともに変化していきます。そのため、リストも一度作って終わりにするのではなく、1ヶ月に1回、半年に1回など、定期的に見直す機会を作りましょう。 新しく「やりたくないこと」が加わったり、以前は嫌だったことが気にならなくなったり、新たな発見があるはずです。常に最新の「自分の取扱説明書」にアップデートしていくイメージです。
スマホアプリやノートでいつでも見れるようにする
作ったリストは、しまい込まずにいつでも見返せる場所に保管しておくことが大切です。手帳やお気に入りのノートに書くのも良いですし、スマホアプリを活用するのも便利です。
- Notion: カスタマイズ性が高く、リスト管理に最適。
- Todoist: シンプルなタスク管理アプリ。「やめるための行動」を登録しやすい。
- Google Keep: 手軽なメモアプリ。思いついた時にすぐ記録できる。
自分に合った方法でリストを「見える化」し、意識的に「やらない」選択を積み重ねていきましょう。
まとめ:「やりたくないこと」をやめて、自分らしい人生の余白を作ろう
「やりたいこと」が見つからないのは、あなたが怠けているからではありません。もしかしたら、日々の「やりたくないこと」にエネルギーを使いすぎて、心と時間がパンク寸前になっているだけなのかもしれません。
「やりたくないことリスト」は、そんなあなたの毎日から不要なタスクやストレスを取り除き、自分らしい人生を歩むための「余白」を作ってくれる強力なツールです。
何かを「足す」ことばかりに目を向けるのではなく、勇気を持って「引く」ことを始めてみませんか。手放した先には、きっとあなたが本当に大切にしたいことや、心から「やりたい」と思えることが見つかるはずです。