「iPhoneで撮った写真をMacに送りたいのに、AirDropがうまく動かない…」
「相手のデバイスが表示されなくて、ファイル共有ができない…」
MacとiPhoneを使っていると、AirDropの便利さは本当に実感しますよね。しかし、いざ使おうとしたときに相手が見つからなかったり、転送に失敗したりと、突然のトラブルに困った経験はありませんか。
この記事では、AirDropが使えないときに考えられる原因と、誰でも簡単に試せる対処法を分かりやすく解説していきます。基本的な設定の見直しから、少し踏み込んだ解決策、そして最新機能まで順番に紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
AirDropが使えない!まず確認すべき基本設定
AirDropの不具合は、意外と簡単な設定ミスが原因であることが多いです。まずは、以下の基本的なポイントが正しく設定されているか、MacとiPhoneの両方で確認してみましょう。
Wi-FiとBluetoothはオンになっていますか?
AirDropは、Wi-FiとBluetoothの両方の機能を使ってデバイスを探し、ファイルを転送する仕組みです。そのため、両方の設定がオンになっていないと正常に動作しません。コントロールセンターや設定アプリから、Wi-FiとBluetoothのアイコンが有効(青色など)になっているかチェックしてください。
機内モードがオンになっていると、これらの通信機能はすべてオフになってしまいます。意図せず機内モードを有効にしていないかも、あわせて確認しておくと良いでしょう。片方のデバイスだけでなく、送る側と受け取る側の両方で設定が必要です。
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AirDropの受信設定は適切ですか?
AirDropには、誰からファイルを受け取るかを選択する受信設定があります。この設定が原因で、相手のデバイスに自分のMacやiPhoneが表示されないケースは非常に多いです。
設定は以下の3種類から選べます。
- 受信しない: 誰からもファイルを受け取れません。
- 連絡先のみ: 自分の連絡先に登録されている相手からのみ受け取れます。
- すべての人: 周囲にいるすべてのAirDropユーザーから受け取れます。
トラブルシューティングの際は、一時的に「すべての人」に設定を変更してみるのがおすすめです。これで問題なく送受信できる場合は、相手が連絡先に正しく登録されていない、またはiCloudにサインインしていないなどの原因が考えられます。無事にファイル共有が終わったら、プライバシー保護のために設定を「連絡先のみ」に戻しておくと安心です。
インターネット共有(テザリング)はオフに
iPhoneの「インターネット共有(テザリング)」機能がオンになっていると、AirDropが正常に動作しないことがあります。これは、Wi-Fi機能がテザリングに使われてしまうためです。
もしAirDropを使いたいときにインターネット共有を有効にしている場合は、一度オフに切り替えてから再度試してみてください。設定アプリの「インターネット共有」から、「ほかの人の接続を許可」のスイッチをオフにすれば設定は完了します。これも送る側・受け取る側、両方のデバイスで確認が必要なポイントになります。
それでもAirDropができない?考えられる原因と対処法
基本的な設定を確認しても状況が改善しない場合、もう少し他の原因を探ってみましょう。デバイスの一時的な不具合や、ソフトウェアの問題が隠れているかもしれません。
デバイスの再起動はトラブル解決の基本
「調子が悪かったら再起動」は、PCやスマートフォンのトラブルシューティングにおける基本中の基本です。原因不明の不具合の多くは、デバイスを再起動するだけであっさり解決することがよくあります。
何か特別なことを試す前に、まずはMacとiPhoneの両方を再起動してみてください。再起動することで、バックグラウンドで動いていた不安定なプロセスがリセットされ、通信機能が正常な状態に戻ることが期待できます。手順は簡単ですが、非常に効果的な方法なので、真っ先に試す価値は十分にあります。
OSは最新バージョンにアップデート済み?
使用しているiOSやmacOSのバージョンが古いと、AirDropの互換性やセキュリティに問題が生じ、正常に機能しないことがあります。Appleは定期的にOSのアップデートを配布しており、その中には機能改善やバグ修正が含まれています。
お使いのiPhoneやMacのOSが最新の状態であるかを確認し、もし古いバージョンであればアップデートを行いましょう。
iPhoneの場合は「設定」>「一般」>「ソフトウェアアップデート」から、Macの場合は「システム設定」>「一般」>「ソフトウェアアップデート」から確認と実行が可能です。OSを最新に保つことは、セキュリティ対策の観点からも非常に重要です。
Macのファイアウォール設定を確認しよう
Macのセキュリティ機能である「ファイアウォール」が、外部からの接続をブロックしている可能性も考えられます。ファイアウォールの設定が厳しすぎると、AirDropに必要な通信まで遮断してしまうことがあるのです。
「システム設定」>「ネットワーク」>「ファイアウォール」の順に進み、設定を確認してください。もしファイアウォールが有効になっている場合は、「オプション」ボタンをクリックし、「すべての受信接続をブロック」にチェックが入っていないか確認します。もしチェックが入っていたら、外してください。また、「署名されたソフトウェアが受信接続を受け入れるのを自動的に許可」にチェックを入れておくと、AirDropのような正規のアプリがスムーズに通信できるようになります。
お使いのデバイスはAirDropに対応していますか?
あまりないケースですが、使用しているデバイスが古すぎて、そもそもAirDropに対応していない可能性もゼロではありません。特に、中古で購入したMacや長年使っているiPhoneの場合は一度確認しておくと安心です。
より具体的には、以下のOS・モデルの組み合わせでAirDropが利用できます。
- iPhone / iPod touch: iOS 7以降を搭載したiPhone 5以降、iPod touch (第5世代) 以降
- iPad: iOS 7以降を搭載したiPad (第4世代) 以降、iPad mini (第1世代) 以降
- Mac: OS X 10.7 (Lion) 以降を搭載した2012年以降のモデル(ただし、2012年のMac Proは対象外です)
自分の持っているモデルがリストに含まれているか、念のためチェックしてみてください。
【最新情報】iOS 17からの新機能「NameDrop」もチェック
AirDropのトラブルシューティングとは少し話が逸れますが、関連する便利な最新機能として「NameDrop」を紹介します。これはiOS 17で導入された機能で、AirDropの技術を応用しています。
NameDropを使えば、iPhone同士の上部を近づけるだけで、お互いの連絡先情報を簡単に交換できます。従来のように連絡先アプリを開いて共有する手間が省け、名刺交換のような感覚でスムーズに情報をシェアできるのが大きな魅力です。
ファイル共有だけでなく、こうした便利な機能も登場しています。もしお使いのiPhoneがiOS 17以降に対応しているなら、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。連絡先の交換がこれまで以上にスマートになりますよ。
最終手段!設定をリセットする方法
これまでのすべての対処法を試しても問題が解決しない場合、少しだけ手間はかかりますが、設定のリセットを試す価値があります。
ネットワーク設定をリセットする
ネットワーク設定をリセットすると、Wi-FiのパスワードやBluetoothのペアリング情報などがすべて初期化されますが、AirDropの不具合を根本から解消できる可能性があります。iPhoneでこの操作を行うには、「設定」>「一般」>「転送またはiPhoneをリセット」>「リセット」と進み、「ネットワーク設定をリセット」を選択します。
この操作を行うと、保存されていたWi-Fiのパスワードをすべて再入力する必要が出てくる点には注意してください。少し面倒に感じるかもしれませんが、通信関連の頑固な不具合には非常に効果的な手段です。実行する前に、必要なパスワードを控えておくとスムーズに再設定できます。
どうしてもダメならAppleサポートへ相談
ネットワーク設定のリセットを試してもなお改善しない場合は、デバイス自体にハードウェア的な問題が発生している可能性も考えられます。これ以上自分で解決しようとすると、かえって状況を悪化させてしまうかもしれません。
そのようなときは、専門家であるAppleサポートに問い合わせるのが最善の選択です。お近くのApple Storeに持ち込むか、公式ウェブサイトからチャットや電話で相談することができます。これまでの経緯や試した対処法を具体的に伝えることで、よりスムーズに的確なアドバイスをもらえるでしょう。
まとめ:落ち着いて一つずつ確認しよう
AirDropが使えないと、ファイルの移動ができず焦ってしまいますよね。しかし、多くの場合はWi-FiやBluetooth、受信範囲といった基本的な設定を見直すだけで解決します。
もし基本的な設定で直らなくても、この記事で紹介したように、デバイスの再起動やOSのアップデート、ファイアウォールの確認など、試せることはたくさんあります。慌てずに、一つひとつの対処法を順番にチェックしてみてください。
この記事が、あなたのAirDropトラブルを解決する手助けになれば幸いです。