部活の三送会(3年生を送る会):在校生と卒業生それぞれのスピーチ例&ポイント【贈る言葉】
三送会(3年生を送る会)は、卒業を迎える先輩たちへの感謝を伝え、後輩たちがその思いを受け継ぐ大切な時間です。しかし、「どんな言葉を贈ればいいのか」「スピーチの構成は?」と悩むことも多いでしょう。
この記事では、在校生から卒業生への贈る言葉、卒業生から在校生へのメッセージの例文や、スピーチのコツを詳しく紹介します。三送会で想いをしっかり伝え、心に残るスピーチを作るための参考にしてください。
三送会(3年生を送る会)とは?
三送会は、3年生(卒業生)を中心に送り出す会のことで、多くの部活で卒業式に合わせて行われます。ただし、学校や部活動によって時期はさまざま。卒業式直前の3月に行う場合もあれば、1~2月の早い段階で行うこともあります。いずれにせよ、在校生と卒業生が“これまでの活動を振り返り、次に向けての区切りをつける大切な節目”という意味合いに変わりはありません。
三送会の進行としては、以下のような流れが一般的です。
- 開会のあいさつ・趣旨説明
- 司会や顧問の先生が三送会の目的や進行を説明。
- 在校生から卒業生への「贈る言葉」
- 後輩たちが先輩への感謝と祝福を伝える。
- 卒業生から在校生への言葉(レスポンス)
- 三年間の振り返りや後輩へのアドバイス・エールを伝える。
- 顧問の先生や保護者への感謝の言葉(必要に応じて)
- 先生や保護者の支えがあったことを改めて確認・感謝。
- 記念品の贈呈、思い出ムービーの上映など
- スライドショーやプレゼントのやり取りで思い出を振り返る。
- 閉会のあいさつ
- 今後の部活の発展や卒業生の旅立ちを祝福して締めくくる。
このように、三送会は部活動の“過去”と“未来”をつなぐ特別な儀式でもあります。
在校生から卒業生への「贈る言葉」のポイント
三送会で在校生が卒業生に向けてスピーチをするときは、以下の点に気をつけると気持ちが伝わりやすくなります。
- 先輩への感謝を明確に伝える
- 自分自身が成長できたエピソード、支えになった先輩の行動を具体的に述べる。
- 先輩から学んだことを振り返る
- 部活の技術的な面だけでなく、努力やリーダーシップなど人間的な面も含めて触れると良い。
- 今後の決意を語る
- 「先輩方の想いを引き継いで頑張ります」という気持ちをしっかり伝える。
- 感謝と励ましを交える
- 先輩の卒業を祝う気持ちと、次のステージへ送り出す応援のメッセージを伝える。
在校生から卒業生への贈る言葉:例文
3年生の先輩方、本日はご卒業本当におめでとうございます。
在校生を代表して、心からの感謝とお祝いを述べさせていただきます。
先輩方にはこの1年(または2年間)、技術面だけでなく、人としての在り方までも教えていただきました。
部活の練習では、本気で○○(競技・活動内容)に取り組む先輩の姿に何度も胸を打たれ、私たちも「もっと上達したい」「もっとチームに貢献したい」と頑張れたのだと思います。
私が特につらく感じたときには、○○先輩が「一緒に乗り越えよう」と声をかけてくれました。あのとき先輩のひと言がなければ、もしかすると私は部活をやめていたかもしれません。
そして、先輩は言葉だけではなく、行動でも示してくれました。練習の後、私が苦手なプレーを何度も付き合ってくれたり、試合前にはさりげなく励ましのメッセージを送ってくれたりしました。
その積み重ねがあったからこそ、私は「もう少し頑張ってみよう」と思えました。先輩が示してくれた“支え合う大切さ”を、今度は私たちが後輩に伝えていきます。
(中略)
先輩方が大切にしてきた努力の積み重ねや、仲間を思いやる姿勢を、私たちはこれからもしっかりと受け継いでいきます。先輩方がいなくなるのは寂しいですが、どうか安心して次のステージへ進んでください。
先輩方のこれからのご活躍を、部員全員で心から応援しています。本当にありがとうございました!
ワンポイントアドバイス:
- 感情を込める: 先輩との思い出を思い浮かべながら語ると、自分にも気持ちが入りやすいです。
- スピーチの長さ: 目安として3〜5分程度に収めると、他のスピーチとのバランスも取りやすくなります。
卒業生から在校生(後輩)への言葉のポイント
卒業生が後輩に向けて話す場面では、「後輩からの贈る言葉」に対するレスポンスとして話すことが多いです。特に以下の点を意識しておくと、三送会らしい感動的なメッセージになります。
- 顧問の先生・保護者・仲間への感謝をまず述べる
- 自分の努力だけでなく、周りの協力があったからこそ今日がある、という視点。
- 3年間の部活生活の“学び”を共有
- 「諦めないことの大切さ」や「仲間を信じること」など、部活を通じて得たメッセージを後輩へ伝える。
- 後輩への期待・エールを込める
- 「次はみんなの時代だ。思い切り楽しみながら挑戦してほしい」という意志を示す。
- これからの自分の抱負に少し触れる
- 新たなスタートに向けての想いを共有すると、場の雰囲気もより“旅立ち”ムードに。
卒業生から後輩への言葉:例文
今日は私たちのために、このような素敵な会を開いてくれて本当にありがとうございます。
まずは顧問の○○先生、3年間本当にお世話になりました。試合で思うような結果が出ないときも、「次に生かそう」と前を向かせてくれた先生の言葉に何度助けられたかわかりません。
そして、一緒に過ごしてきた後輩のみんな。私たちを信じてついてきてくれて、本当にありがとう。つらい練習の日々を乗り越えることができたのは、みんなの笑顔と応援があったからです。
振り返れば、私たちも壁にぶつかりながら少しずつ強くなってきました。ときには失敗やケンカもあったけれど、そこから学べることは本当に大きかったと思います。
これからは皆さんが中心となって、もっと素敵な○○部を作り上げてください。新しく入部する後輩たちに、○○の魅力や楽しさを存分に伝えていってほしいです。
私自身は、この部活で得た仲間の大切さと「最後までやり抜く力」を、これからの人生でずっと大事にしていきたいと思っています。
みんなが活躍する姿を、私たち卒業生はいつでも応援しています。今まで本当にありがとうございました!
感動を呼ぶ一例:情景描写やエピソード
「あの日の○○戦、残り時間はあと1分。スコアは同点。私は体力的にも精神的にもギリギリでした。 でも、ベンチの仲間が大声で名前を呼んで応援してくれ、スタンドの保護者や先生が手を叩いてくれた のが聞こえました。
それを聞いた瞬間、体の奥からもう一歩踏み出す力が湧いてきて、最後のワンプレーに全力を注ぐことができました。
あの瞬間の熱気、チームの一体感、みんなと戦った喜びは、これからもずっと忘れません。
そして、今度はみんながそんな場面を作る番です。大変なこともあるかもしれませんが、どうか後輩たちと一緒に乗り越えていってください。」
ポイント: こうした具体的なエピソードを交えると、聞いている人も当時の情景を思い浮かべやすく、感情移入しやすくなります。
スピーチを魅力的にするためのコツ
- 話す長さ
- 個人のスピーチは3~5分程度を目安に。長すぎると他の人の時間を圧迫し、短すぎると物足りない印象になりがちです。
- 原稿は用意するが、あまりに棒読みは避ける
- 要点やエピソードをメモしつつ、適宜 目線を上げて 話すことで、より伝わりやすくなります。
- 特に「ありがとう」や「応援しています」など、感謝やエールを伝える部分では、目の前の誰かと一度目を合わせる と、気持ちがダイレクトに伝わりやすくなります。
- 聞き手を意識して、3秒に1回くらい目線を動かすと、より自然なスピーチになります。
- 声のトーンや抑揚に気を配る
- 感謝や感動を伝えるときはゆっくりと丁寧に。思い切り前向きな部分は少し声を張ってみるなど、緩急をつけると飽きさせません。
- 感情を込めて話す
- 恥ずかしさよりも「せっかくの三送会だし、気持ちを伝えたい」という想いを大切にしましょう。
- 顧問の先生や保護者、支えてくれた人にも一言
- 先生や保護者が同席している場合は、「部活を続けられたのは、先生や保護者の方のお力添えがあったから」と感謝を伝えるとより丁寧です。
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まとめ
三送会(3年生を送る会)は、先輩たちが積み上げてきたものを「次世代へつなぐ」大切な時間。同時に、卒業生にとってはこれまでの努力を認め、次のステージへ羽ばたく節目でもあります。
- 在校生の皆さんへ
先輩たちの背中を見て学んだこと、具体的な言葉や行動で支えられた経験は、一生の宝物になります。感謝の気持ちとともに、「自分たちも先輩のように頑張ろう」という強い意志をスピーチに込めましょう。 - 卒業生の皆さんへ
部活で過ごした思い出や学びはかけがえのない財産です。次の環境でも、その“諦めない気持ち”や“仲間を大切にする心”が必ず役立ちます。後輩たちに一言エールを送ることで、彼らの成長の力にもなっていくでしょう。
スピーチの上手い下手よりも、部活への熱い想いを自分の言葉で素直に伝えることこそが大切。この三送会の機会を通じて、先輩と後輩がお互いへのリスペクトと感謝、そして明るい未来への期待を共有できるよう、心を込めて準備してみてください。部活で過ごしたあの日々の情熱が、きっとすべての人の胸に深く刻まれていくはずです。