友達や仕事相手に電話をかけたとき、呼び出し音の「トゥルルル…」が鳴らず、いきなり「プープープー…」という機械的な音が響き渡ると、誰もが不安になりますよね。
実はこの音、状況によって意味がまったく異なります。
- 規則的な「プープープー」:相手が他の通話中であるサイン(ビジートーン)
- 「電源が入っていないか…」などの音声アナウンス:圏外や電源オフのサイン
- 呼び出し音なしの即切断:着信拒否の可能性
この記事では、「プープープー」音(ビジートーン)の本当の正体と、その他の失敗音を区別する方法、そしてあなたが今すぐ取るべき最速の対処法を、分かりやすく解説します。この仕組みを知れば、もう繋がらない電話でモヤモヤすることはありません。
「プープープー」音の正体は?音が示す三つの異なる失敗サイン
電話をかけたのに繋がらないとき、発信者に聞こえる音や挙動は主に以下の3パターンに分かれます。これらを区別することが、原因特定への第一歩です。
1. 規則的な「プープープー」が続く:ビジートーン(話し中)
この規則的な「プープープー」という電子音こそが、正式な「ビジートーン(Busy Tone)」であり、「相手がすでに他の通話中で、回線がふさがっています」ということを示す信号です。
これが最も一般的で、安心できる原因です。相手が別の人と電話で話している状態を指し、昔ながらの固定電話はもちろん、現代のスマートフォンでも多くの場合このビジートーンが流れます。
【対処法】
焦ってすぐにかけ直さず、5分〜10分程度時間を空けてから再度かけ直しましょう。お互いが同時にかけ直す「電話のすれ違い」を避けるために、少し待つことが最速の解決につながります。
2. 「電源が入っていない」などのガイダンスが流れる(圏外・電源オフ)
電話をかけてすぐに「おかけになった電話は、電源が入っていないか…」といった音声アナウンスが流れた場合、相手の携帯電話が電波を使えない状態にあることを示します。
ビジートーンとは異なり、こちらは回線自体が届いていない、または利用できない状態のサインです。
考えられるケースは以下の通りです。
- 電波圏外/機内モード: 相手が地下や山間部などの圏外にいる、または会議などで機内モードに設定している状態。
- 電源オフ: スマートフォンのバッテリー切れや、意図的に電源を切っている状態。
【注意】
記事によっては「電波障害の場合もプープープー音が鳴る」と書かれることがありますが、現在の携帯電話の仕組みでは、圏外や電源オフの状態ではこの音声アナウンスが流れるのが一般的です。ビジートーンが鳴ることはありません。
3. 呼び出し音なしで即切断される(着信拒否の可能性)
呼び出し音(トゥルルル…)が一切鳴らず、発信直後に「プツッ」と切れてしまう、または短い電子音(ツーツー音など)が鳴ってすぐに切れる場合、これは相手の端末側で何らかのブロックがかかっている可能性が高いです。
- 着信拒否(ブロック): 相手があなたの番号を拒否リストに入れている。
- 端末の自動拒否設定: 非通知や未登録の番号を自動で拒否する設定になっている。
特にiPhoneの場合、標準機能で着信拒否を設定すると、発信者側には呼び出し音が鳴らないか、鳴ってもワンコールで終わり、すぐに切断されます。従来の「話し中が鳴り続ける」という挙動とは異なります。これが何度かけ直しても続く場合は、拒否されている可能性を考慮に入れる必要があります。
【音の違いで判別】話し中 vs 着信拒否 vs 圏外
「プープープー」音とその他の音を比較することで、相手の状況をより正確に推測できます。
| 状況 | 発信者に聞こえる音・挙動 | 相手の状態 |
|---|---|---|
| 話し中 | 長く規則的な「プープープー」音が繰り返される。 | 他の通話中。 |
| 着信拒否(ブロック) | 呼び出し音なしで即切断、またはワンコール(0.5秒)後に切断。 | 相手があなたの番号を拒否設定している。 |
| 圏外/電源オフ | 「電源が入っていない」などの音声アナウンスが流れる。 | 相手の携帯が通信不能な状態にある。 |
| 通信キャリア側で拒否 | 「お繋ぎできません」など、ハッキリとした音声ガイダンスが流れる。 | キャリアの迷惑電話対策サービスなどで拒否されている。 |
確実なのは「電話回線を使わない別の方法」で確認すること
音の挙動だけで判断するのは難しいため、最も確実なのは電話回線を使わない別の連絡手段を使うことです。
- SMS(ショートメッセージサービス)を送る:
「今ちょっと電話したけど繋がらなかったよ。何かあった?」と一言送ってみましょう。SMSが届けば、相手の携帯電話は圏内にあり、電源が入っていることになります。返信があれば、通話中で電話に出られなかっただけだと判断できます。 - LINEなどのメッセージアプリで確認する:
すぐに既読がつけば、相手はスマートフォンを操作できる状態にあります。「通話中だったよ」という返事があれば、安心して時間を空けてかけ直すことができますね。
このひと手間を加えるだけで、「嫌われたかも」という不安を大きく解消し、適切なタイミングで再連絡できるようになるでしょう。
固定電話で繋がらない!ビジートーン以外の特殊な音と原因
相手が固定電話の場合、スマートフォンとは異なる特有の原因や音が関わってきます。
FAXの誤送信では「ピーヒョロヒョロ…」が聞こえる
固定電話にかけたとき、ビジートーンの「プープープー」ではなく、「ピーヒョロヒョロ」という甲高い電子音が聞こえることがあります。これは、相手がFAX機を使っている、または誤ってFAX番号に発信してしまったサインです。
FAXの通信音(データトーン)は、ビジートーンとは明らかに異なります。この音が聞こえた場合は、相手がFAXを受信しようとして失敗しているか、あなたの番号をFAX番号だと勘違いしている可能性が高いです。
【注意】
FAXの誤送信でも、機器が対応できずにすぐに切断された結果、発信者側で短い「プープープー」や「ツーツー」という切断音が聞こえることもあります。しかし、通信が試みられている最中は基本的に「ピーヒョロヒョロ」音が流れます。
受話器の「置き忘れ」によるビジートーン
固定電話特有の最もありがちな原因が、「受話器の置き忘れ」です。受話器が少しずれてフックスイッチ(受話器を置く部分)が押されていない状態だと、電話機は「ずっと話し中」の状態だと誤認識し、発信者側にはビジートーン(プープープー)が鳴り続けます。
この場合、相手側は電話がかかってきていることに気づいていません。別の連絡手段で「受話器、ちゃんと置いてる?」と確認してあげると親切ですね。
固定電話がずっと”話し中”になってしまう原因や”原因の切り分け方”・原因別対処法を解説
廃止された「お話し中調べ(114番)」について
昔のNTT固定電話のサービスとして、相手が本当に話し中かどうかを無料で確認できる「114番(お話し中調べ)」がありました。
しかし、このサービスはNTT東日本・西日本ともに2017年頃に終了しています(正確な終了時期は地域や回線によって異なりますが、現在は利用できません)。
参考:114(お話し中調べ)が終了しましたが、替わりに確認する方法はありますか?(NTT東日本)
現在、固定電話であっても相手の状況を調べる最も確実な方法は、やはりSMSや別回線の電話を使うことになります。
通話中に突然「プープープー」と鳴って切れるのはなぜ?
電話をかけている最中ではなく、会話の途中で突然「プープープー」という音が鳴り、そのまま通話が切断されてしまうこともあります。「何か気に障ること言ったかな?」と心配になりますが、原因はほぼ通信環境か端末側にあります。
1. 電波の急激な悪化による切断
通話中の突然の切断の最も大きな原因は、電波状態の悪化です。
相手が地下鉄に入った、または電波が届きにくい建物の奥まった場所に移動したなど、電波状態が突然悪化し、回線が維持できなくなった場合、通話は強制的に切断されます。この際、切断されたことを知らせるために、短く「プープープー」という警告音が鳴ることがあります。
2. キャッチホン機能による通知音
通話中に聞こえる「プープープー」音の、もうひとつの正体は「キャッチホン」の通知音かもしれません。
キャッチホン(通話中着信通知)がONになっている場合、通話中に別の電話がかかってくると、現在話している相手にはこの「プープープー」という短い電子音が聞こえ、画面にも別の着信が表示されます。
この音は「別件の電話が来ましたよ」という通知であり、今の通話を切るかどうかは相手の判断に委ねられます。キャッチホンが出たとしても、現在の通話が自動で切断されることはありませんのでご安心ください。
まとめ
電話が繋がらない「プープープー」音は、不安を煽る厄介な存在ですが、その音の背後にある仕組みを理解するだけで、状況を冷静に分析できるようになります。
まずは落ち着いて、音が「ビジートーン」「ガイダンス」「即切断」のどれに該当するかを確認しましょう。そして、時間を空けての再試行と、メッセージアプリでの確認を並行して行うことが、現代において最も確実で迅速な解決法です。








