卒業制作のアイデアが思いつかない…そんな時のヒント集【小学校・中学校】
小学校や中学校の卒業制作は、数年間にわたって共に学んだ友達や先生との思い出をかたちに残す貴重な機会です。作品は校舎内や地域施設に飾られて、後輩や地域住民に受け継がれることもあります。今回は、クラス全員で作る作品から個人制作まで幅広いアイデアと実例・安全管理のポイントをまとめました。
目次
卒業制作は大きく2つのパターン
- クラス・学年みんなで一つの大きな作品を作る
- みんなで力を合わせる過程は、卒業制作ならではの醍醐味。完成後に「自分たちが作った!」という達成感を味わえます。
- 展示スペースによっては地域の公共施設に置いてもらうことも可能です。
- 個人がそれぞれ各自で作る
- 時間や予算の都合、学校設備の関係で大規模制作が難しい場合に選択しやすい。
- 卒業制作用キットを活用すれば、初心者でも短期間で作品を完成させやすいのが魅力。
クラス・学年全員で作る卒業制作アイデア
以下のアイデアに加えて、実際の学校での成功例や進め方も交えて紹介します。
ステンドグラス
光が透けて美しい作品が作れる、卒業制作の定番。
- ポイント
- ガラスは割れやすく、カットや研磨の工程が伴う場合も。必ず厚手の手袋や保護メガネなどを使用し、大人の監督下で作業することが大前提です。
- 一枚の大きなガラスにクラス全員が下絵を描き、色づけを分担する方法が一般的。
- 実例
- ある学校では、体育館の大きな窓枠に合わせてパネル状のステンドグラスを制作。卒業式当日には窓から差し込むカラフルな光が好評で、以後は毎年の見学会でも話題になっているといいます。
- 予算・実用面
- ステンドグラス用の絵の具やガラスシートは専門店やネットで購入可能。透明プラスチック板を代用することで、予算削減・安全対策につなげる方法もあります。
モザイクアート
写真や紙片、タイルなどを組み合わせて大きな絵を作る。
- ポイント
- クラス全員で使う写真などを集め、それらを小さく切って貼り合わせる形式や、色とりどりの折り紙を使ってデザインする形式があります。
- 壁画に発展させる際は、タイルや陶板を焼き物教室や地域の陶芸家と協力して作る事例も。
- 実例
- 学校の壁にタイルを貼るプロジェクト:卒業生が1人1枚ずつデザインした小さなタイルを焼き、校舎の外壁に貼り付けて記念の壁画を完成させた事例があります。完成後は、「自分のタイルがどこにあるか」を見つけて楽しむ卒業生が毎年訪れるそうです。
- 予算
- タイルや耐久性のある接着剤はやや高価になりやすいので、事前に複数の店やネットショップをリサーチすると◎。学校予算と保護者会の支援が得られるかどうかを早めに相談しておくとスムーズ。
大きな旗・横断幕
比較的手軽に取り組めるが、卒業後も学校の行事で再活用しやすい。
- ポイント
- 教室や体育館に広げて全員で布に描く・縫い付ける作業を楽しめる。
- 広告用の横断幕づくりができる印刷サービスを使うと、短期間で大きな旗を制作可能。
- 安全対策
- 絵の具を使うときは床や衣服が汚れないよう新聞紙やビニールシートを敷くなど、事前準備をしっかり行う。
実用的なものづくり
ベンチや本棚など、在校生が長く使えるものをプレゼント。
- ポイント
- 学校の許可を得て、木工室や技術室の機械を使う場合は必ず先生や大人がサポートし、安全ガイドを遵守すること。
- 遊具のペンキ塗りをする際は、塗料の有害成分や飛散に注意し、屋外で作業するなど環境を考慮。
- 実例
- 学校の中庭に設置する小さな“読書ベンチ”をDIYしたクラスもあります。制作後にはPTA主催の“ベンチ完成披露会”を開いて、在校生や保護者と喜びを共有したそうです。
タイムカプセル
未来の自分たちや後輩へのメッセージを詰め込む、ロマンある企画。
- ポイント
- 校庭に埋める場合は、将来の掘り起こしを考え、地中に埋めた場所をきちんと記録することが大切。
- 「5年後に開ける」「10年後に同窓会で開封」など、開封日をはっきり決めておくと盛り上がります。
オリジナルグッズ(ジグソーパズル・カルタなど)
作るのが楽しく、出来上がった後でも思い出として楽しめる。
- 事例・アイデア
- クラス全員の写真や似顔絵をジグソーパズルに。卒業後に持ち帰りたい人は購入できる仕組みにすると、記念品にもなる。
- クラスの出来事を元にしたカルタを手書きで作り、文化祭などで披露する例も。
個人制作におすすめのアイデア
クラス制作が難しい状況でも、個人で思い出を形にできる方法は多々あります。
木彫り・彫刻キット
- 時計やフォトフレーム、オルゴールなどの市販キット
- 彫刻刀やのこぎりを使う際は必ず軍手や指サックなどでケガ防止を。
- 仕上げにニスや油性塗料を使うなら、換気をしっかり行いましょう。
レジンアート
- 透明感のある樹脂を使って、キーホルダーやアクセサリー、小物を制作
- 100均でもレジン資材を取り扱っており、手軽に始められます。
- UVレジンは紫外線ランプや太陽光で固まるので、硬化時の熱や臭いに注意し、換気良好な場所で作業するのが鉄則。
参考:【2025年最新版】レジンアクセサリーの作り方|初心者でも簡単にプロ級の仕上がりに!デザインのコツも
ペーパークラフト
- 学校や教室を立体モデルにしてみる
- 卒業する校舎をミニチュアで再現したり、自分の思い出の場所をペーパークラフト化するなど、アイデア次第でオリジナルの作品に仕上がる。
- 工作カッターの取り扱い時は滑り止めシートやカッターマットを使用し、指を切らないように注意。
デジタル作品(映像制作・ウェブサイト・電子書籍など)
- スマホやタブレットで動画編集アプリを使って、クラスの思い出ムービーを作る
- 発表会ではプロジェクターや大型モニターに映して上映し、卒業式後にデータを配布しても◎。
- イラスト作成ソフトやデザインツールを使って、デジタル絵本やマンガにまとめる
- 学校でICT教育が進んでいるなら、授業で身につけたスキルを活かして取り組むチャンス。
- 予算
- デジタル制作には印刷費や映像上映の設備など、別途費用がかかる場合も。事前に担当の先生や保護者と相談を。
地域連携を視野に入れたアイデア
公共施設や地域のイベントへの展示
- 事前に相談する先
- 市役所や町役場の広報担当
- 地域の公民館・図書館・施設の管理者
- 地域の町内会や自治会
- 許可申請の流れ
- 学校を通じて展示を依頼 → 2. 施設管理者からの許可 → 3. 必要に応じて役所へ申請書類提出
- 住民とのコミュニケーション
- 地域の掲示板や広報誌に作品展のお知らせを載せてもらうことで、より多くの方に見てもらえます。
商店街や地元企業とコラボ
- ウィンドウディスプレイへの展示
- 地元企業や商店街と連携して、卒業制作をショーウィンドウに飾る例も。道行く人たちが足を止めて見てくれます。
- 注意点
- 貼り付けや設置方法を決める際には、建物や備品を傷つけないように慎重に検討を。
- 掲載期間や撤去日も明確に決めておくと、後々トラブルになりにくいです。
予算の考え方・やりくりのヒント
- 学校予算 + 保護者会費
- 卒業制作は学年やクラス単位で予算が組まれる場合もあります。早めに担任や学年主任に確認を。
- 寄付やクラウドファンディング
- 大規模なプロジェクト(壁画制作など)を行う場合、地域企業からの協賛や保護者への呼びかけで資金を集めるケースも。
- 節約アイデア
- 廃材リサイクルショップやフリマアプリを利用して、木材やタイル、アクリル板などを安価に調達する。
- PTAや卒業生の保護者から不要な道具や材料を寄付してもらう。
安全面における徹底ポイント
- ガラス・鋭利な工具の使用
- 必ず保護メガネや手袋を着用し、使用方法を担当の先生からしっかり学ぶ。
- 作業時は人数を絞ってスペースに余裕を持ち、ほかの生徒が近くでふざけたりしないよう指導も大切。
- 塗料・接着剤・レジンなどの化学物質
- 使用前にパッケージの注意事項をよく読み、換気扇や窓を開けて十分に換気する。
- 手や衣服に付着した場合はすぐに洗い流す。特に低学年の場合、必ず大人が付き添う。
- 機械設備(電動工具など)の利用
- 技術室の機械や電動ドリルは想定外のケガが起こりやすいため、必ず先生の指導監督下で使う。
- 長袖で作業する際は裾をまくり、巻き込まれ防止のため髪が長い人は結ぶなど事前準備を徹底する。
思いを込めるメッセージ・テーマ作り
- 学級目標・学年目標
- 1年間大切にしてきた言葉やクラスの合言葉を作品にあしらうと、オリジナリティが高まる。
- 在校生へのエールや後輩へのメッセージ
- 「私たちの学校の良さを引き継いでね」など、在校生に向けた応援の言葉を込めると、学校全体の一体感が生まれます。
- 地域や保護者への感謝
- お世話になった先生や地域の方へのお礼を作品のどこかに刻み、卒業後もその思いが伝わるように。
まとめ
卒業制作は、作品の完成だけではなく、クラスや学年で協力するプロセスそのものが大きな学びと感動を生み出します。安全面に気を配りながら、予算や材料をうまくやりくりし、みんなが充実感を味わえるような工夫をしてみてください。
- 大きな作品を作って校内や地域に残すのも良し。
- 小さなアイデアや個人制作でも、自分の思い出をかたちにできる。
- 地域との連携やデジタル作品など、可能性は無限大。
この機会にクラスメイトや先生方と話し合いを重ね、一生心に残る卒業制作を完成させましょう。応援しています!