iPhone 2と9がないのはなぜ?Appleの思惑が隠された欠番の理由を徹底解説!

iPhone 2と9がないのはなぜ?Appleの思惑が隠された欠番の理由を徹底解説!

「歴代のiPhoneを並べてみると、なにかが足りない…?」

そう感じたことはありませんか。実は、iPhoneの歴史の中には「iPhone 2」と「iPhone 9」というモデルが存在しません。

なぜこの2つの番号は、ポッカリと空いてしまっているのでしょうか。そこには、Appleの巧みな戦略と、テクノロジーの進化を象徴する面白い理由が隠されていました。

この記事では、iPhoneの欠番にまつわる謎を、誰にでも分かりやすく、スッキリ解決します。読み終える頃には、あなたもきっとiPhoneの歴史の面白さに気づくはずです。

目次

なぜ?iPhone 2が発売されなかった意外な理由

すべての始まりである初代iPhoneが登場した後、多くの人が次に「iPhone 2」が来ると予想していました。しかし、Appleが発表したのは、その名も「iPhone 3G」。なぜナンバリングを飛ばしてしまったのでしょうか。

初代iPhoneの次に登場したのは「iPhone 3G」

2007年に登場した初代iPhoneは、「電話を再発明する」というキャッチコピー通り、世界に衝撃を与えました。その翌年の2008年に発表された第2世代モデルが「iPhone 3G」です。

見た目は初代と似ていますが、中身は大きく進化していました。この進化こそが、「2」ではなく「3G」という名前が選ばれた最大の理由なのです。

当時、日本では3G(高速通信)の導入が始まっていましたが、アメリカではまだ普及の途上でした。初代iPhoneは、GSM(2G)とEDGE(2.5G技術の一種)という比較的低速な通信方式にしか対応していなかったのです。これでは、せっかくの革新的な機能も宝の持ち腐れになりかねません。

そこでAppleは、第2世代モデルで待望の高速通信「3G」に対応させました。この「3G回線への対応」こそが、このモデル最大のセールスポイントだったというわけです。

「3G」が意味するものとは?

「3G」という名前は、単なる数字ではなく「第3世代移動通信システム(3rd Generation)」という、当時の最新技術を指す言葉です。

Appleは、数字を一つ進める「2」という名前よりも、この新しいテクノロジーの名前を製品名に採用する方が、製品の魅力をより強くアピールできると考えました。

つまり、「このiPhoneは、今までのものとは通信速度が全く違いますよ!」というメッセージを、名前に込めたのです。この戦略は見事に成功し、iPhone 3Gは世界的な大ヒットを記録。iPhoneがスマートフォン市場の王者となる礎を築きました。技術の進化を分かりやすく名前に反映させる、Appleらしい見事なブランディング戦略だったと言えるでしょう。

iPhone 9が飛ばされたのはなぜ?憶測と真相

iPhone 2のケースとは少し異なり、iPhone 9の欠番には、Appleのマーケティング戦略が大きく関わっています。iPhone 8の次に登場したのは、多くの人が予想した「9」ではなく、未来を象徴する「X」でした。

iPhone 8の次が「iPhone X」になった背景

2017年、Appleは「iPhone 8」と「iPhone 8 Plus」と同時に、もう一つの特別なモデルを発表しました。それが「iPhone X(テン)」です。

この「X」は、アルファベットのエックスではなく、ローマ数字の「10」を意味します。これは、2007年の初代iPhone登場から10周年を記念したアニバーサリーモデルであることを示していました。

ホームボタンを廃止した全面ディスプレイや、顔認証システム「Face ID」など、未来のiPhoneの姿を提示する革新的なモデルでした。ここで問題になるのが「9」の存在です。もし通常通り「iPhone 9」を発売してしまうと、どうなるでしょうか。

せっかくの10周年記念モデルである「X(10)」が、まるで「9」の次のモデル、つまり少し先の未来という印象になってしまいます。Appleとしては、記念すべき「10」を、過去の「8」や「9」とは全く違う、特別な存在として際立たせたかったのです。

「9」を飛ばしたマーケティング戦略

結果として、Appleは「9」という数字を飛ばすという大胆な決断を下しました。これにより、「iPhone X」の特別感や先進性をユーザーに強く印象付けることに成功します。

もし「iPhone 9」と「iPhone X」が同時に発売されていたら、多くのユーザーは「9」を通常モデル、「X」を高級モデルと認識したかもしれません。しかし、「9」が存在しないことで、「8からXへ」という大きなジャンプを演出し、iPhoneの歴史が新しいステージに進んだことをドラマチックに見せることができたのです。

ちなみに、翌年には「iPhone XS」や「iPhone XR」が登場し、iPhone Xのデザインがスタンダードになりました。そして、iPhone 8の筐体(ボディ)をベースにした「iPhone SE(第2世代)」が2020年に発売されます。このiPhone SEこそが、もし存在していたら「iPhone 9」が担っていたであろう役割に近いモデルだと言えるかもしれませんね。

【比較表】iPhone 2と9、それぞれの「ない理由」の違い

ここまで解説してきた「iPhone 2」と「iPhone 9」が存在しない理由を、比較表で分かりやすく整理してみました。同じ「欠番」でも、その背景にあるAppleの狙いは全く異なっていることが分かります。

項目iPhone 2がなかった理由iPhone 9がなかった理由
背景技術的な進化の強調マーケティング戦略
次のモデルiPhone 3GiPhone X (テン)
重視したこと「3G」という新技術への対応10周年記念モデルの特別感
キーワードテクノロジー、機能的価値ブランディング、情緒的価値
狙い製品の進化を分かりやすく伝えるブランドの歴史と未来を演出する

このように並べてみると、iPhone 2の欠番は「製品の機能的価値」を伝えるためのネーミングであり、iPhone 9の欠番は「ブランドの情緒的価値」を高めるための戦略だったと言えます。

どちらのケースも、単に数字を順番に振るのではなく、製品名そのものを強力なマーケティングツールとして活用するAppleのしたたかさが表れています。

iPhone 9だけじゃない?「s」シリーズがなくなった理由

iPhoneの歴史をよく知る方なら、「s」がつくモデルが最近見当たらないことにもお気づきかもしれません。iPhone XSを最後に、「s」を冠したモデルは登場していません。これも、Appleのブランディング戦略の変化が関係しています。

iPhone XS以降「s」モデルが廃止された背景

かつて「s」は、前年のモデルをベースに性能を向上させた、いわばマイナーチェンジ版に付けられる名称でした。iPhone 3GSやiPhone 4Sの「s」については、一般的に「Speed」や「Siri」を指すという説もありますが、これらは推測であり、Appleは公式にその意味を明かしていません。

しかし、iPhoneのラインナップが多様化するにつれて、この「s」という命名規則が実情に合わなくなってきたのです。

近年、Appleは「Pro」「Pro Max」「Plus」「mini」といった接尾語を使い、カメラ性能やディスプレイサイズといった「機能」や「大きさ」でモデルを差別化する戦略にシフトしました。

この方が、ユーザーは自分のニーズに合ったモデルを直感的に選びやすくなります。単純なアップデートを示す「s」よりも、より具体的な価値を示す「Pro」などの名称の方が、現代のラインナップには適しているとAppleは判断したのでしょう。

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まとめ:iPhoneの歴史はネーミング戦略の歴史

今回は、iPhoneに「2」と「9」が存在しない理由について深掘りしました。

  • iPhone 2がない理由: 第2世代モデル最大の進化点である「3G」通信への対応をアピールするため。
  • iPhone 9がない理由: 10周年記念モデル「iPhone X」の特別感を際立たせるためのマーケティング戦略。

これらの欠番は、単なる偶然や気まぐれではなく、Appleがいかに製品のネーミングを重視し、ブランド価値を高めるために戦略的に活用してきたかを物語っています。

スマートフォンの名前一つにも、これだけのストーリーが隠されていると思うと、次に登場するiPhoneの名前がますます楽しみになってきませんか?iPhoneの歴史は、テクノロジーの進化の歴史であると同時に、Appleの見事なネーミング戦略の歴史でもあるのです。

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