「Macの操作にもっと慣れたいな…」
「トラックパッドだけで作業するのは、ちょっと限界かも…」
Macを使い始めたばかりの方も、長年使っている方も、ふとした瞬間にこう感じたことはありませんか?
実は、Macに標準で備わっている「ショートカットキー」をいくつか覚えるだけで、日々の作業効率は劇的に向上します。マウスやトラックパッドに手を伸ばす回数が減り、思考を中断することなく、流れるように作業を進められるようになるでしょう。
この記事では、数あるショートカットキーの中から「これだけは覚えておきたい!」という必須のものから、知っていると一目置かれる便利なものまで、厳選してご紹介します。
難しい話は一切ありません。一つでも二つでも、今日から試せるものばかりです。ぜひ、この記事を片手に、快適なMacライフを手に入れてください。
【基本のき】これだけは覚えたい!Macの必須ショートカットキー
まずは、どんな作業でも頻繁に使うことになる、基本中の基本からおさらいしましょう。Windowsの操作に慣れている方にとっては、Ctrl
キーがcommand
キーに変わっただけ、と考えると覚えやすいかもしれません。これらのショートカットは、いわばMac操作の土台となる部分です。意識しなくても指が自然に動くレベルになれば、作業スピードが一段階アップしますよ。
- コピー&ペースト(貼り付け)
command + C
:選択したテキストやファイルをコピーします。command + V
:コピーしたものを貼り付けます。
- カット(切り取り)
command + X
:選択したテキストやファイルを切り取ります。command + V
と組み合わせることで、ファイルの移動が簡単に行えます。
- 操作を元に戻す
command + Z
:直前の操作を取り消します。「あ、間違えた!」という時に瞬時に元に戻せる、まさに救世主のようなキーです。
- 上書き保存
command + S
:作成中のファイルやドキュメントを上書き保存します。こまめに押す癖をつけておくと、予期せぬトラブルで作業内容が消えてしまうのを防げます。
- アプリの完全終了
command + Q
:現在アクティブなアプリケーションを完全に終了させます。ウィンドウの「×」ボタンは閉じるだけの場合が多いですが、こちらはアプリ自体を終了させるショートカットです。
これらの操作は、ほとんどのアプリケーションで共通して使えます。まずはこの5つをマスターすることから始めてみませんか。
作業スピードが爆上がり!アプリ・ウィンドウ操作の便利ショートカット
基本的な操作に慣れたら、次はアプリケーションやウィンドウの操作を効率化するショートカットキーに挑戦してみましょう。特にcommand + space
は、Macユーザーなら誰もが認める「最強のショートカット」の一つです。これらを使いこなせれば、デスクトップ上が散らかっていても、目的のファイルやアプリに一瞬でアクセスできるようになります。
- Spotlight検索 (command + space)
デスクトップのどこにいても、このキーを押せば検索ウィンドウが現れます。アプリ名を入力して起動したり、ファイル名を探したり、簡単な計算までこなしてくれる万能ツールです。わざわざLaunchpadやFinderを開く必要がなくなります。 - アプリケーションの切り替え (command + tab)
複数のアプリを同時に開いて作業している時に、このショートカットが真価を発揮します。commandキーを押しながらtabキーを押すたびに、起動中のアプリのアイコンが順番に選択され、目的のアプリで指を離せば、そのアプリに切り替わります。 - ブラウザなどのタブを切り替える
SafariやChromeなどのWebブラウザで、たくさんのタブを開いていませんか?control + tab
で隣のタブへ移動できるアプリも多いですが、主要なブラウザでは以下のショートカットが便利です。- Safari:
command + shift + ]
(右のタブへ) /command + shift + [
(左のタブへ) - Chrome:
command + option + →
(右のタブへ) /command + option + ←
(左のタブへ)
マウスに手を伸ばすことなく、スマートにタブを移動できます。
- Safari:
- ウィンドウを隠す (command + H)
今使っているアプリのウィンドウを、一時的にデスクトップから隠したい時に便利です。Dockに残っているアプリアイコンをクリックすれば、すぐに元の状態に戻せます。
これらのショートカットは、一つひとつの動作は小さいですが、積み重なることで大きな時間短縮に繋がります。ぜひ試してみてください。
文字入力やファイル整理が捗る!テキスト編集・Finder操作術
レポート作成やメールの返信、ファイルの整理など、地味ながらも時間のかかる作業を効率化するショートカットキーをご紹介します。特にテキスト編集系のショートカットは、一度覚えてしまうと、もうこれなしでは文字入力ができないと感じるほど快適です。
テキスト編集で役立つキー
文章を書くことが多い方なら、覚えておいて損はありません。カーソル移動のためにマウスや矢印キーに手を伸ばす手間が省けるだけで、思考の流れを止めずに済みます。
- すべて選択 (
command + A
):テキスト全体を一度に選択できます。 - 検索 (
command + F
):ページ内や書類内の特定の単語を検索します。 - カーソル移動
control + F
:カーソルを1文字分右へ(Forward)control + B
:カーソルを1文字分左へ(Backward)control + P
:カーソルを1行上へ(Previous)control + N
:カーソルを1行下へ(Next)control + A
:行頭へ移動control + E
:行末へ移動(End)
- 前方削除 (
fn + delete
):カーソルの後ろの文字ではなく、前の文字を削除します。WindowsのDelete
キーと同じ挙動です。
Finder操作を効率化するキー
Macのファイル管理ツールである「Finder」にも、便利なショートカットがたくさん用意されています。
- 新規Finderウィンドウ (
command + N
):新しいFinderウィンドウを開きます。 - 新規フォルダ作成 (
shift + command + N
):選択中の場所に新しいフォルダを作成します。 - 情報を見る (
command + I
):選択したファイルやフォルダの詳細情報(サイズ、作成日など)を表示します。 - クイックルック (
space
):ファイルを選択してスペースキーを押すだけで、そのファイルを開かずに中身をプレビューできます。画像やPDF、テキストファイルなど、多くの形式に対応しており、これが非常に便利です。
意外と知らない?スクリーンショットとMission Controlの活用法
Macを使いこなしているように見える人は、スクリーンショットの撮影やデスクトップの管理がとてもスムーズです。ここでは、知っていると一歩先を行ける、画面操作に関するショートカットをご紹介します。
目的別スクリーンショットの撮り方
Macのスクリーンショット機能は非常に優秀で、用途に応じて様々な撮影方法が用意されています。ブログ記事の作成や、エラー画面の共有などに役立ちます。
ショートカットキー | 機能 | 用途の例 |
---|---|---|
shift + command + 3 | 画面全体のスクリーンショットを撮る | デスクトップ全体の状態をそのまま保存したい時 |
shift + command + 4 | 画面の選択範囲を撮影する | Webサイトの一部や、特定のウィンドウだけを切り取りたい時 |
shift + command + 5 | スクリーンショット・画面収録ツールバーの表示 | 画面全体の収録(動画撮影)や、タイマー撮影をしたい時 |
shift + command + 4
の後にスペースキーを押すと、カーソルがカメラのアイコンに変わります。その状態でウィンドウにカーソルを合わせると、ウィンドウに影がついた綺麗なスクリーンショットが撮影できるので、ぜひ試してみてください。
Mission Controlでデスクトップを整理
たくさんのウィンドウを開いて作業していると、デスクトップがごちゃごちゃになってしまいがちです。そんな時に役立つのが「Mission Control」と「仮想デスクトップ」です。
- Mission Control (control + ↑)
現在開いているすべてのウィンドウを一覧表示して、目的のウィンドウをすぐに見つけられます。 - 仮想デスクトップの移動
Macでは、複数のデスクトップ画面(スペース)を仮想的に作成できます。control + → / control + ← でデスクトップを切り替えられますが、トラックパッドをお使いなら3本指(または4本指)で左右にスワイプする方が直感的かもしれません。これらの設定は「システム設定」の「トラックパッド」や「キーボード」から確認・変更できます。
【上級編】自分好みにカスタマイズ!ショートカットキーの設定方法
基本的なショートカットに慣れてきたら、自分だけのオリジナルショートカットキーを設定してみましょう。よく使う特定の操作や、普段使っているアプリケーションの機能を、好きなキーの組み合わせで呼び出せるようになります。
設定は「システム設定」(macOS Ventura以降)または「システム環境設定」(それ以前のOS)から行います。
- 画面左上のアップルメニュー
をクリックし、「システム設定」または「システム環境設定」を選択します。 - 「キーボード」をクリックします。
- 「キーボードショートカット…」というボタンを押します。
- 表示されたウィンドウの左側のリストから「アプリケーション」を選択します。
- 「+」ボタンをクリックし、ショートカットを割り当てたいアプリケーション、メニューに表示されている正確なコマンド名、そして割り当てたいキーの組み合わせを入力します。
ただし、既存の重要なショートカット(command + C
など)を上書きしてしまうと、操作に混乱が生じる可能性があります。どのキーがまだ使われていないかを確認しながら、慎重に設定することをおすすめします。自分だけの作業環境を構築して、さらなる効率化を目指しましょう。
Macだけでできる!画像・PDF編集テクニックまとめ【プレビューアプリ活用術】
まとめ
今回ご紹介したショートカットキーは、Macが持つ便利な機能のほんの一部に過ぎません。しかし、これらの基本的な操作をマスターするだけで、あなたのMacライフは間違いなく、より快適でスピーディーなものになるはずです。
一度にすべてを覚えようとせず、まずは「これ、便利そうだな」と感じたものから、一つずつ試してみてください。無意識に指が動くようになった時、きっと作業効率が劇的に向上していることを実感できるでしょう。