沖縄の面白い言葉【うちなーぐち(沖縄方言)】
沖縄の言葉って難しいけど、なんか面白いんだよね。
今回は沖縄の面白い言葉や方言を紹介します。
感嘆詞・一音で通じる言葉など
沖縄の面白い言葉といえば、まず外せないのが「あきさみよー」をはじめとした多彩な感嘆詞。
また、一音で通じる言葉もわりとあり、面白さを引き立てて(?)います。笑
あきさみよー
「あきさみよー」は、驚いた時や呆れた時など、感心・感動のあまり発する言葉です。
標準語でいうところの「あらまぁ」に近いニュアンスをもっています。
「あきさみよー」の他にも様々な形態の感嘆詞があり、
- あきさみよい
- あぎじゃびよい
- あぎじゃべ
- あぎじぇ
- はっさみよー
- はっさみよい
- はっさびよい
- はっさ
- うりひゃー
- あいえーなー
- あいやーなー
- あいやー
- はんまよー
- あいっ
- あげー
- はぁーや
などなど、TPOに合わせて(?)様々な言葉が使われます。笑
だー
「だー」は、何かを要求している時に使う言葉。「どれどれ」に近いニュアンスをもっています。
「だー、ちょうだい」
「だー、見せてごらん」
といった感じで使います。
とー
「とー」は、「よし!」「OK!」と似たニュアンスの意味。
条件を満たしていることを主に伝える言葉です。
どこかに行く時に「とー、いちゅんどー!(よし!行こう!)」
飲み物を注いでもらう時に「とーとーとー(OK、OK、もういいよ!)」
チェック・確認作業をして問題なかった時に「とー、じょーとー!(よし!上等!)」
など。
擬音語・擬態語など
沖縄は擬音語・擬態語の表現も面白いです。
タックヮイムックヮイ・ムチャムチャする
ベタベタしている様子のことを「タックヮイムックヮイ」とか「ムチャムチャーする」などと表現します。
他にも「ムッチャカッチャする」とか、微妙にバリエーションあり。笑
ちーごーごー
「血がゴーゴー」と出ている様子。
転んで擦りむいた時など、血が出ているととりあえず「ちーごーごーしてる」と言ったりします。笑
とぅるばい・とぅるばる
「とぅるばい」は、ぼーっとしている様を表す言葉です。
- 「とぅるばる」=ぼーっとする
- 「とぅるばやー」=ぼーっとしている人
あわてぃはーてぃ
「あわてぃはーてぃ」は、慌てふためいている様子のことです。
「てんてこまい」や「てんやわんや」に近いイメージ。
話し言葉・共感を求める言葉
話し言葉や共感を求める言葉も、独特で面白いものばかり。
だば?だーるば?
沖縄の人が語尾につけがちな言葉。
「だば?」
「だーるば?」
→「そうなの?」という意味です。
細かいニュアンスとしては
「だば?」=なの?
「だーるば?」=そうなの?
という感じ。
ちなみに、沖縄県民は語尾に「ば」や「ばー」をつけて話すことがよくあります。
「きのう何してたば?」
「親の手伝いさせられてたばーて」
「だーるば?」
といった感じです。
ってばよ・だわけよ
語尾につけがちな言葉その2。笑
「ってばよ」「だわけよ」
普通なら同じセリフを繰り返した時とか、強調したい時に使うような言葉ですが、沖縄の人はその意図なく使うことがよくあります。
例:
「昨日野菜もらったってば。だから夕飯は野菜チャンプルーにしたわけよ」
~やし・~やっし
もう一つ、語尾につけがちな言葉があります。
「~やし」「~やっし」
→「~でしょ」「~だろ」「~よね」といった感じで、共感を求めるような言葉。
こちらは年配の人が使うことは少なく、主に若い世代から40・50代ぐらいまでの間で使われている印象です。
例:
「俺って天才やっし」
「どこがよw」
だからよー
標準語では、文脈あっての「だからよー」ですよね。
(「だからよう、もっとしっかりしろよ」みたいな)
沖縄だと「だからよー」=「そうなのよぉ」「そうよねぇ」的な意味をもち、単体でもよく使います。
現代風にいうと「だからよー!」=「それな!」です。笑
例:
「急に寒くなったねぇ」
「だからよー!」
びけーん
「●●びけーん」は「●●ばっかり」の意。
例:
「あい、肉びけーん取ってなー」
「けんた君びけーん、いんちき~(羨ましい~)」
ふん(”間”をもたせる)
沖縄の子供たちは、喋る時しきりに「ふん」と言います。
「ふん」は会話の”間”を埋める言葉。
大人だと「まぁ」「あの」「えっと」といって間をもたせますよね。
それに似ていますが、子供が使うので「ふん」=「あのね」に置き換えるとイメージしやすいかもしれません。
誰か(人物)を指す言葉
続いて、人物を指す言葉について紹介します。
わん、わー
「私」。自分を指す言葉。
ちなみに「わったー」=「私達」の意。
すごく紛らわしいのですが、「わー」に似た言葉で「うゎー」というのがあり、これは豚を意味します。笑
やー
「あなた」「お前」など、相手のことを指す言葉。
丁寧な言葉ではないので、目上の人には基本的に使いません。
こちらも紛らわしいのですが、家のことを指す「やー」と感嘆詞としての「やー」があり、どれを指すのかは話の流れから判断する形になります。笑
くにひゃー・あにひゃー
「くにひゃー」=こいつ。この野郎。
「あにひゃー」=あいつ。あの野郎。
丁寧な言葉ではないです。
とても親しい間柄で使われる場合と、逆に嫌な相手に対して使われる場合があります。
しーじゃ・うっとぅ
「しーじゃ」=先輩。
「うっとぅ」=後輩。
ちなみに、沖縄には「たーがしーじゃか」という魔法の言葉(笑)があります。
下記の記事で触れているので、気になる方はのぞいてみてください。
『沖縄方言「ぬー」だけで喧嘩が成立する説について真面目に解説』
いきが・いなぐ
「いきが」=男。
「いなぐ」=女。
ちゅーばー・よーばー
「ちゅーばー」=強い・強い人。
「よーばー」=弱い・弱い人。
●●ちゅ
●●の人。
- うちなーんちゅ=沖縄の人。
- しまんちゅ=島の人=沖縄の人。
- うみんちゅ=海人=漁師さんのこと。
●●+er
単語の語尾に「er」の発音を加えることで、「●●する人」という意味になります。
例えば…
ウソ(ゆくし)をつく人は「ゆくし+er」で「ゆくさー」。
遊び人は「遊び(あしび)+er」で「あしばー」。
前項にて「うみんちゅ(海人)=漁師」だと紹介しましたが、「うみあっちゃー(海を歩く人)」という言葉も漁師を指します。
沖縄方言の発音には法則がある
沖縄方言のちょっとした法則について。
沖縄方言には基本的に「え」行と「お」行の発音がありません。
なので、母音は
「あいうえお」ではなく
「あいういう」となります。
さて、それを踏まえてプチクイズ。
・Peach
・potato
これらの単語を沖縄の言葉に訳してみてください!
答えはお笑い芸人「しゃもじ」さんのネタ動画の中にあります。笑
とりあえず答えを見る
・Peach→むむ(桃)
・potato→いむ(芋)
沖縄の言葉では「お」行は「う」行に変換されます。
つまり、「も」は「む」に言い換えて発音します。
しまくとぅばとうちなーぐちの違い
ところで、しまくとぅばとうちなーぐちの違いについて気になったので調べてみました。
Q.「しまくとぅば」と「うちなーぐち」の違いを教えてください。
A.「しまくとぅば」を直訳すると「島の言葉」で、その意味は、村落、島、故郷を表します。「しまくとぅば」は概ね、6つに分類され、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語に分かれています。「うちなーぐち」は沖縄語のことで、しまくとぅばの1つですが、「うちなーぐち」の中にも首里言葉、糸満言葉などがあり、これらも「しまくとぅば」に含まれます。
引用元:那覇市文化振興課
どちらも同じような印象がありますが、微妙に異なる意味をもっているんですね。
沖縄おもしろ話
沖縄の独特な言葉などをネタにしたおもしろい話を紹介します。
職務質問での一コマ【紛らわしい苗字】
県外から赴任してきた警察官、とある車を止めて職務質問をしました。
警察官
(運転手に)「君、名前は?」
ドライバー
「うんてん(運天)です!」
警察官
(運転手なのは見れば分かるんだけど…)「助手席の女性は?」
ドライバー
「はい、おんな(恩納)です!」
警察官
(いや、女なのは分かるって…)「じゃあ、後ろの友達は?」
ドライバー
「なかま(仲間)です!」
警察官
(いや…だから…)「その隣に居るのは?」
ドライバー
「へんな(平安名)です!」
警察官
「…。」
詳しい説明
沖縄には珍しい苗字や地名がたくさんあり、運天さん、恩納さん、仲間さん、平安名さんは、それぞれ実在する苗字です。
ちなみに「仲間さん」の部分は、これまた実在する「なかよし(仲吉)さん」に置き換えてもいいですね。笑
畑での一コマ【おじーが「わったーいむ!」】
こちらも、沖縄でたびたび語られる(?)おもしろ話。
畑作業をしているおじーのもとに、米兵が迷い込んできた時の一コマ。
おじー
「えー、わったーいむ!(おい、俺達の芋だよ!)」
米兵
「Three o’clock!(三時です!)」
「わったーいむ」が、米兵には「What time?」に聞こえたわけですね。笑
ただのダジャレ…
じゅん選手「沖縄のドラゴンボール」
面白い話とは少しズレますが、お笑い芸人であるじゅん選手のネタ動画も面白いので、お暇な方は観てみてください。笑
こちら、青年会の本番当日でのトラブルなど、わりと”あるある”なんですよね。リアル。笑
だいたいの雰囲気で会話
いち沖縄人として思うことなのですが、沖縄の人は「話し手側」も「受け手側」もなんとなくで会話している印象です。
なので、例えば下記のような表現でも伝わります(方言ではないですが)。
「テレビ小っちゃくして」
→テレビの音量下げて。
「クーラーが逃げる」
→”クーラーの冷気が逃げる”の意。
「クーラー逃げるからドア閉めて!」はわりと沖縄あるある。笑
厳密でなくとも”雰囲気で話し雰囲気で受け取る”のが、特徴の一つかと。
地域ごとでも異なる
同じ沖縄県内でも、言葉文化は地域によって多少異なる場合があります。
例えば「あんまさい(めんどくさい)」という言葉は中部ではよく使われますが、南部地域ではあまり使われません。
(南部では「にーりー」のほうが主流である印象です)
また、沖縄本島では「とても」のことを「でーじ」といいますが、宮古島では「だいず」といいます。
沖縄には面白い言葉がいっぱい
沖縄には面白い言葉が数多くあり、それを一番楽しんでいるのは他ならぬ沖縄県民なのかもしれません。
また、言葉のみにとどまらず沖縄独特の文化や風習にも面白いものがあります。
下記の記事でたくさん紹介していますので、ぜひ覗いてみてください。