Chrome DevTools活用術:JavaScriptデバッグ&パフォーマンス計測のコツ

Chrome DevTools活用術:JavaScriptデバッグ&パフォーマンス計測のコツ

Chrome DevTools活用術:JavaScriptデバッグ&パフォーマンス計測のコツ

JavaScript のデバッグやパフォーマンス解析に欠かせない Chrome DevTools。

この記事では、ブレークポイントの使い分けから Gemini による AI アシスト、最新バージョンで追加された機能まで、活用テクニックをわかりやすく解説します。

初心者から中級者まで、開発効率を劇的に改善したい方は必見です。

目次

はじめに ― Chrome 132 で“Gemini”が正式デビューしたワケ

Web アプリの複雑化に伴い、console.log だけでは見逃すバグやカクつきが増えました。

そんな中、Chrome 132(2025年5月時点・Stable予定)以降では AI アシスト機能 “Gemini” が DevTools に組み込まれ、Console・Recorder・Network パネルなどでエラー要因の推測や最適な計測手順を提案してくれます。

Gemini へ英文で「Why is this API call slow?」と尋ねるだけで、ボトルネック候補をコードやタイムライン付きで返すため、調査工数が一気に短縮できます。

ソースパネル基礎 ― ライン・条件付き・ログポイントを極める

ブレークポイントは「ライン/条件付き/ログポイント」の 3 つを覚えれば十分です。ラインは行番号をクリックするだけ、条件付きは Ctrl+クリック(Mac は Cmd+クリック)後に式を入力します。

ログポイントは「停止せず値だけを出力」する点が特徴で、行番号を右クリック → Add logpoint を選ぶ方法が最も確実です。

環境によっては Ctrl+Shift+クリックのショートカットが動作しない場合があるため、GUI 操作と併記しておくとチームメンバーにも親切です。
参考:Pause your code with breakpoints|Chrome Developers Blog

// 例: 特定ユーザーのみ停止
if (user.role === 'admin') {
  updateDashboard();
}

// ログポイント用フォーマット
// ${variable} のように埋め込める

ブレークポイント早見表 ― 目的別に選ぶ

種類主な用途設定方法
ライン基本的な挙動確認行番号クリック
条件付き特定ケースのみ停止Ctrl/Cmd+クリック → 条件入力
ログポイント停止せず値を確認行番号右クリック → Add logpoint
DOMノード追加・削除検知Elements › Break on
XHR/FetchAPI 呼び出しを検知Sources › XHR/Fetch Breakpoints

イベント & DOM ブレークポイント ― UI バグの“再現しない問題”を解決

クリック・keydown 等でコードを自動停止するイベントリスナーブレークポイント、要素の削除や style 変更を検知するDOM ブレークポイントを組み合わせれば、「特定操作でだけ崩れる UI」の根本原因も特定できます。

Performance パネル ― 60 fps を奪う犯人を特定

Chrome 126 で追加されたトラックの並べ替え・非表示機能により、不要なノイズをカットして CPU・GPU のフレームタイムを集中して確認できます。

Core Web Vitals をリアルタイム表示する Live metrics も便利で、本番相当の負荷テストを再現可能です。

一方、Performance Insights パネルは将来的に廃止予定となり、主要機能は Performance パネルに統合されています。
参考:What’s new in DevTools (Cr-126)|Chrome Developers Blog

Memory パネル ― JS ヒープの“じわ漏れ”を止める

「使うほど遅くなる……」症状はメモリリークの疑いがあります。Allocation トラッキングでスナップショットを 2 回以上撮り、Detached DOM Tree が増加し続けていないか確認しましょう。

Detached DOM Tree がメモリ内に多数残っている場合、不要になった DOM ノードの参照が JavaScript 側に残っている可能性が高いです。

listener の remove や null 代入で解放できるか検証しましょう。
参考:Resolve memory issues|Chrome DevTools Docs

Lighthouse 12.6.0 & Recorder ― 品質監査と自動テストを同時に

Chrome 137(2025年5月時点・Canary版)以降、Lighthouse パネルは v12.6.0 に更新され、パフォーマンスカテゴリでインサイトレビューモードが試せます。
※インサイトレビューモードでは、各スコアに対する Google の改善提案をより詳細に可視化できます。

また、PWA カテゴリ廃止と SEO カテゴリ再編によりスコア分布が若干変化しました。Recorder パネルは Chrome 129 で Puppeteer for Firefox へのエクスポートに対応し、クロスブラウザ E2E テストを手軽に自動化できます。

本番相当のユーザーフローを記録 → Lighthouse で最適化提案 → Gemini に改善案を尋ねる、という“黄金ルート”を確立しておくと開発サイクルが高速化します。

参考:Recorder supports export to Puppeteer for Firefox|Chrome Developers Blog
参考:Lighthouse changelog 12.6.0|GitHub

まとめ ― DevTools+Gemini で“触らない時間”を短縮しよう


ライン → 条件付き → ログポイントと段階的に習得し、Performance・Memory パネルで数値を定点観測、最後に Lighthouse & Recorder & Gemini で総合チェック——このルーティンを習慣化すれば、バグ報告やレンダリング遅延は着実に減ります。

Chrome(2025年時点)は約 4 週間ごとにメジャーアップデートがあるため、公式ブログ「What’s new in DevTools」を定期的に確認し、Gemini の新機能やパネル統合情報をキャッチアップしておくと安心です。

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