宝くじを買うと損する理由【還元率と当選確率】
宝くじって夢がありますよね。
ですが、宝くじは「買った瞬間に損している」とも捉えられます。
その理由や実際の還元率・当選確率を紹介します。
後半では「宝くじを買う人の心理」をパターンごとに考察していますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
宝くじの還元率
宝くじを買うと損するという一番の理由は、還元率が圧倒的に低いからです。
他のギャンブルの還元率と並べてみると下記のとおり。
還元率比較
- 競輪:75%
- 競馬:70~80%
- オートレース:70%
- ボートレース(競艇):75%
- オンラインカジノ:93~98%
- パチンコ・パチスロ:80~85%
- 宝くじ:46%
宝くじの還元率が圧倒的に低いことが分かりますね。
還元率が46%ということは、例えば宝くじを10万円分買った瞬間に4万6千円に変わっているようなものです。
もしFXなどの投資で手数料がそんなに取られる商品があるとしたら、その商品はまず選ばないですよね。
宝くじは税金としての要素が強く、買えば買うほど損をしていきます。
(当選金から税金を引かれるということではなく、くじ券自体に課税されているイメージ)
高額当選する確率
宝くじ・スポーツくじに高額当選する確率はざっくり下記のとおり。
宝くじ・スポーツくじの当選確率
- 1等7億円:約2000万分の1
- 1等前後賞1.5億円:約1000万分の1
- 2等1000万円:約666万分の1
- 3等100万円:約20万分の1
- toto BIGの1等当選確率:約480万分の1
- ロト6(loto6)の1等当選確率:約610万分の1
こう一覧にして改めて見ると、いかに天文学的数値かということがよく分かりますね。
まぁ当たらないと考えるのが普通です。
「今回は●人の億万長者が誕生します!」
「この売り場で高額当選者が●人も出ました!」
みたいなキャッチフレーズで大々的に宣伝しているのをよく見かけますが、これってどちらも”分母”について触れてないんですよね。
重要なのに。笑
病気や事故に遭う確率
ところで、宝くじではなく「自分に降りかかる恐れのある災難」にも目を向けてみましょう。
例えば、日本人の三大疾病の死亡者数が死亡総数に占める割合は下記のとおり。
三大疾病の死亡率(日本人)
参考:厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計(確定数)の概況・第6表」
- がん:27.3%
- 心疾患:15.0%
- 脳血管疾患:7.7%
上記三つの数字を足すと50.0%。
男女別や年齢別で統計のばらつきはありますが、全体でみれば2人に1人。
つまり、日本人の約半数が上記のいずれかの病にかかっているという状況です。
※一人で二種類発症するなどのパターンもあるのでこれが全てという訳ではありませんが、あくまでも目安として。
また、日本人が生涯で交通事故により死傷する確率は約35.8%との計算結果もあります。
なんと3分の1以上。
宝くじの当選確率とは比にならないぐらい高い割合なんです。
(もちろん単純に比較できるものでもありませんが)
人って、どうしても自分の都合の良いように考えちゃうんですよね。
宝くじ(2000万分の1)
→「もしかしたら当たるかも…」
病気(2分の1)
→「まぁ自分はかからないっしょ!」
みたいな。笑
宝くじを買う人の心理や目的【考え方は様々】
というわけで(?)
ここからは宝くじを買う人の心理パターンを考察していきます。
余裕のない生活から抜け出したい
「余裕のない今の生活から抜け出したい」
という思いで宝くじを買う人は少なくありません。
お金に余裕のある時に趣味として買うぶんにはいいですが…
なかには人生逆転を夢見て、無理して大金を投じる人も。
宝くじってどう考えても費用対効果が悪すぎなんですけど、それでも買いたくなるってことは、案外その時の心理状態がかなり追い込まれている可能性もありますよね。
- 金策に困っていて判断力が鈍っている。
- ストレスが溜まっていて現実逃避したい。
などのような状態に陥っているかもしれません。
もし宝くじを買いたい衝動に駆られたら、一度冷静になって自分の置かれている状況を見直してみるのが良さそうです(自戒)。
※ちなみに宝くじは「貧者の税金」とも言われています。
「買わなければ当たらない」と考えている
単純に
「買わなければ当たらないからとりあえず買っておこう」
と考えて宝くじを買う人もいます。
特に深く考えているわけではなく、軽いノリで買っているパターン。
このタイプも多いですよね。
たしかに確率「0」と「1」では全然違います。笑
「当たればラッキー」程度に捉えているため、ハズれた時のダメージも少なくて済みますね。
ハズレても社会貢献できるから
もう一つ宝くじを買ってしまう心理的要因があります。
それは、宝くじの収益金の一部が社会貢献活動に役立てられているということ。
このことを大々的にアピールすることによって
「まぁ、ハズれても社会の役に立てたと思えばいいか。」
という、心理的な逃げ道になります。
ひいては「欲望に負けて購入してしまった」という罪悪感が薄まるため、還元率や当選確率の低さのリスクについてもあまり考えなくなってしまいます。
これは運営側の戦略がうまいなぁと感じるところでもありますね。笑
割り切って妄想を楽しもうとしている
当選発表までの期間中に「強烈に妄想を楽しむ」というパターンもあります。
宝くじにハズれることは承知しつつも、とにかく高額当選した時のことを強くイメージして
「あれ買おう」
「こんなことに挑戦しよう」
という疑似体験を楽しむわけです。
その「楽しい時間」に対してお金を払うという感覚。
数枚の宝くじを買ってしばらくの間ウキウキで過ごせるのであれば、ある意味コスパの良い娯楽ともいえるのかもしれません。
当選しても幸せになれるとは限らない
さて。
そもそも、万が一高額当選したら幸せになれるのでしょうか。
(万が一どころか1000万分の1ですが)
実は、宝くじで高額当選しても幸せになれるとは限りません。
お金についてのリテラシーがないまま当選した場合、不幸になってしまうケースもあります。
例えば、豪遊したり飲酒や薬物にハマり財産を失った人など。
参考:極貧、離婚、死…“宝くじの呪い”に見舞われた高額当選者達の末路(英)
上記は外国での事例ですが、日本でも同じことが起こりえます。
みずほ銀行が高額当選者に対して「高額当選した時の心得」的な小冊子『【その日】から読む本』を配布していることからも、いきなり大金を手にするリスクは実際にあるということが分かります。
多額のお金を手にしたとしても、お金の増やし方や管理のスキルを手に入れた訳ではないので、必ずしも幸せになれるとは限らないですね。
宝くじもいいけど…【有意義なお金の使い方とは】
宝くじにお金をかけるのもいいですが、個人的には自分がスキルアップできるものにお金を投じることを強くおすすめしたいです(書籍など)。
宝くじはハズれると手元に何も残らないですが、書籍や貴重な体験で得た知識は着実に積み重なっていくので。
もしくは生命保険や医療保険など、入っていない場合は保険への加入もおすすめ。
今回紹介したように、宝くじよりも病気や事故に遭う確率のほうが段違いに高いです。
「保証されない理想」を求めるより、まずは「現実的な問題への備え」が必要かと。
ではでは~。