ある日、預金通帳を記帳してみると「シヨクギヨウアンテイキヨク」という名義で身に覚えのない入金が…。
「これって何のお金?」「もしかして怪しい振込?」と不安に感じていませんか。
ご安心ください。その入金は、怪しいものではなく、ハローワーク(公共職業安定所)から支給される雇用保険の給付金である可能性が非常に高いです。
この記事では、「職業安定局」から入金がある理由と、考えられる給付金の種類、そして「やっぱり不安…」という場合の具体的な確認方法まで、分かりやすく解説していきます。
「職業安定局」からの入金の正体とは?
まず、多くの方が疑問に思うのが「なぜハローワーク名義ではないのか?」という点でしょう。
実は、「職業安定局」とは、全国のハローワークを管轄している厚生労働省の内部部局のことです。ハローワークで行われる失業保険の手続きや給付金の支給決定は、最終的にこの職業安定局が取りまとめています。
そのため、ハローワークを通じて支給される雇用保険関連の給付金は、振込名義が「厚生労働省職業安定局」を略した「シヨクギヨウアンテイキヨク」や「コウセイロウドウシヨウ(シヨクギヨウアンテイキヨク)」などと記載されるのです。
つまり、「職業安定局からの入金=ハローワークで手続きしたお金」と考えて問題ありません。決して怪しい振込ではありませんから、落ち着いて何の給付金なのかを確認しましょう。
考えられる雇用保険給付金の種類一覧
「職業安定局」から振り込まれるお金は、失業したときにもらう「失業保険(基本手当)」だけではありません。あなたの状況によって、さまざまな種類の給付金が考えられます。
一体どんな種類があるのか、まずは一覧表で見てみましょう。
給付金の種類 | 簡単な説明 | 主な対象者 |
---|---|---|
基本手当(失業手当) | 離職後、次の仕事が見つかるまでの生活を支えるお金 | 離職・失業中の方 |
再就職手当 | 失業手当の受給資格がある人が、早く再就職できた場合にもらえるお祝い金 | 早期に再就職が決まった方 |
就業促進定着手当 | 再就職手当を受給し、その会社で6ヶ月以上働き続けた場合にもらえるお金 | 再就職先で6ヶ月以上勤務した方 |
育児休業給付金 | 産後パパ育休や育児休業を取得した際に、生活を支えるために支給されるお金 | 育児休業を取得する方 |
介護休業給付金 | 家族の介護のために休業した場合に、生活を支えるために支給されるお金 | 介護休業を取得する方 |
高年齢雇用継続給付 | 60歳以降も働き続ける方で、賃金が60歳時点より低下した場合に支給されるお金 | 60歳〜65歳未満で働く方 |
教育訓練給付金 | 厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講・修了した場合に、費用の一部が支給されるお金 | 指定の講座を受講した方 |
このように、雇用保険の給付金は多岐にわたります。ご自身の直近の状況(離職、再就職、育休取得など)を思い返してみると、どの給付金に該当するのか見当がつくかもしれません。
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【ケース別】主な給付金の詳細と受給条件
一覧表で挙げた給付金の中から、特に多くの方が受け取る可能性のあるものについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
失業中の方へ:基本手当(失業保険)
最も代表的なものが、一般的に「失業保険」や「失業手当」と呼ばれる「基本手当」です。これは、会社を辞めてから次の仕事に就くまでの間の生活を支えることを目的としています。
ハローワークで求職の申し込みを行い、失業の認定を受けることで、原則として4週間に1度(失業認定日に認定を受けた後)、指定した口座に振り込まれます。受給できる日数や金額は、年齢や雇用保険に加入していた期間、離職理由などによって一人ひとり異なります。もしあなたが現在失業中で、ハローワークで手続きを済ませているのであれば、この基本手当である可能性が高いでしょう。
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再就職が決まった方へ:再就職手当・就業促進定着手当
失業手当の受給資格がある方が、給付日数を多く残して早めに再就職が決まった場合、「再就職手当」というお祝い金が支給されることがあります。これは、安定した職業に早く就くことを促進するための制度です。
さらに、この再就職手当を受け取った人が、再就職先で6ヶ月以上働き続け、かつ再就職後の賃金が離職前の賃金より低い場合には、「就業促進定着手当」が支給されることも。最近、新しいお仕事を始めたという方は、これらの手当に該当しないか確認してみましょう。
育児や介護で休業する方へ:育児休業給付金・介護休業給付金
「職業安定局」からの入金は、失業や再就職に関わるものだけではありません。子どもが生まれた後の育児休業中や、家族を介護するために仕事を休む際に支給される「育児休業給付金」「介護休業給付金」も、同じ名義で振り込まれます。
これらの給付金は、休業中の生活保障を目的としており、原則として勤務先の会社を通じてハローワークに申請します。もし育休や介護休業を取得した覚えがあるなら、この給付金の可能性が考えられます。
それでも不安な時の具体的な確認方法
「どの給付金にも当てはまらない気がする」「やっぱり金額が合わない」など、どうしても入金の正体が分からず不安な場合は、以下の方法で確認することができます。
まずは通帳の摘要欄をチェック
銀行によっては、通帳の摘要欄に振込内容に関するヒントが記載されている場合があります。金融機関ごとに表示は異なりますが、「シヨクギヨウアンテイキヨク」の名義の近くに、カタカナで以下のような略称が印字されていないか確認してみてください。
- キホン:基本手当
- サイシユウシヨク:再就職手当
- イクジ:育児休業給付金
- カイゴ:介護休業給付金
もしこのような記載があれば、どの給付金であるかを特定する大きな手がかりになります。まずは慌てずに、通帳をもう一度よく見てみましょう。
ハローワークに直接問い合わせる
摘要欄にも情報がなく、どうしても正体が分からない場合は、最終手段として管轄のハローワークに直接問い合わせるのが最も確実です。
問い合わせの際は、本人確認が必要になるため、手元に「雇用保険被保険者証」や「雇用保険受給資格者証」など、ご自身の雇用保険番号が分かる書類を準備しておくと話がスムーズに進みます。また、運転免許証などの本人確認書類や、入金が確認できる通帳も用意しておくと万全です。
ただし、電話ではプライバシー保護の観点から詳細な回答が難しい場合もあります。その際は、ハローワークの窓口へ直接出向いて確認することをおすすめします。
まとめ:職業安定局からの入金は大切な給付金です
今回は、「職業安定局」から謎の入金があった際の正体と、その確認方法について詳しく解説しました。
最後に、この記事の要点をまとめておきます。
- 「職業安定局」からの入金は、ハローワークから支給される雇用保険の給付金
- 失業手当だけでなく、再就職や育児・介護休業など、さまざまな種類の給付金が考えられる
- まずは通帳の摘要欄を確認し、分からなければハローワークに問い合わせるのが確実
身に覚えのない入金は誰でも不安になるものですが、「職業安定局」からの振込は、あなたの生活やキャリアを支えるための大切な給付金です。慌てずにご自身の状況と照らし合わせ、もし不明な点があればハローワークに相談してみてください。