Linuxの基本コマンド一覧と使い方|初心者でもすぐ使えるシェル操作集
Linuxを扱う上で、基本コマンドの理解は欠かせません。この記事では、システム確認・ファイル操作・ネットワーク設定・プロセス管理など、実務でよく使うLinuxコマンドを一覧表付きでわかりやすく解説します。
初心者から中級者まで、日常の作業効率を高めたい方はぜひ参考にしてください。
Linuxの基本コマンド一覧(早見表)
まずは基本コマンドを表にまとめてみました。
コマンド | 説明 |
---|---|
uname -r / uname -a | カーネルバージョンやホスト名・アーキテクチャなどシステム情報の表示 |
cat /etc/os-release | ディストリビューション名やリリース情報の確認 |
ls | ディレクトリ内のファイル・フォルダ一覧表示 |
cp -r | ディレクトリごとの再帰的コピー |
mv | ファイル/ディレクトリの移動・名称変更 |
rm, rm -r, rm -i, rm -rf, rmdir | ファイル/ディレクトリの削除(誤操作注意) |
grep -i / -v / -n | テキスト検索(大文字小文字無視、否定抽出、行番号表示) |
sed | ストリーム上での文字列置換・削除 |
awk | フィールド単位の抽出・整形処理 |
alias | よく使うコマンドの短縮名を定義 |
ps aux | 全プロセスの一覧表示 |
top / htop | リアルタイムでのリソース使用状況監視(htop は要インストール) |
kill / kill -9 | プロセスの終了(通常終了/強制終了) |
jobs / fg / bg | ジョブ制御(バックグラウンド⇔フォアグラウンド) |
systemctl start / stop / status / enable | サービスの起動/停止/有効化/状態確認 |
ssh -p | リモートホストへのSSH接続(ポート指定) |
scp -r | リモートホストとの再帰的ファイル転送 |
rsync -avz | 差分ファイルの高速転送・同期 |
curl | HTTPリクエスト送信・API呼び出し |
ss -tuln | 待ち受けポートや接続状態の確認(netstat の代替) |
ping / traceroute | ネットワーク疎通確認 |
chmod | ファイル/ディレクトリのアクセス権変更 |
chown | 所有者・グループの変更 |
umask | 新規作成ファイルのデフォルト権限設定 |
sudo | 管理者権限でのコマンド実行 |
sudo apt update / install | Debian系パッケージ管理(リポジトリ更新・インストール) |
sudo dnf install | RHEL系パッケージ管理(dnfによるインストール) |
yum search / dnf info | パッケージ検索および詳細情報表示 |
man コマンド名 | 各コマンドの詳細マニュアルを表示 |
Linuxの基本環境を確認するコマンド
Linux運用の第一歩はカーネルやOS情報の把握です。uname -r
で稼働中カーネルのバージョンを、uname -a
でOS名・ホスト名・アーキテクチャなど詳細情報を取得できます。
また、cat /etc/os-release
を実行するとディストリビューション名やリリース情報が分かり、UbuntuやCentOSといった環境差を考慮したパッケージ管理に役立ちます。
本記事執筆時点では、stableとしてバージョン6.14.6が提供されています。最新版は常にkernel.orgでご確認ください。
シェル操作とCLIの使い方
コマンドラインの中心がシェル(BashやZsh)です。変数展開やパイプ(|
)、リダイレクト(>
、<
)を組み合わせると柔軟な処理が可能になります。
たとえばls | grep txt
で拡張子.txtのみを抽出し、command > output.txt
で結果をファイルに保存できます。
Ctrl+Cでプロセスを中断し、Ctrl+Rで履歴検索ができるなどショートカットも活用しましょう。補完機能やalias
を設定すると、長いコマンドも短縮でき、作業効率が向上します。
ファイル操作の基本コマンド
ファイル管理の基本はls
で一覧確認、cp -r
でディレクトリごとコピー、mv
で移動・名前変更、rm
で削除です。特にrm -rf
は強力ですが誤操作でシステム障害を招くことがあるため注意が必要です。
対話形式で削除したい場合はrm -i
、ディレクトリ削除にはrmdir
やrm -r
を使います。cp
とmv
にも-i
オプションがあり、上書き時に確認を促せます。
テキスト処理・ログ解析コマンド
設定ファイル編集やログ解析にはgrep
、sed
、awk
が欠かせません。grep -i
(大文字小文字無視)、-v
(否定抽出)、-n
(行番号表示)などオプションを駆使してください。
sed
はストリームエディタとして置換や削除を自動化し、awk '{print $1,$5}' access.log
はカラム抽出に優れますが、1列目・5列目の内容はログ形式に応じて調整が必要です。目的に合わせて組み合わせることで、膨大なログから素早く必要な情報を抽出できます。
プロセスとリソース管理
稼働中プロセスを確認するにはps aux
、top
やhtop
(要インストール)を使います。CPU・メモリ使用率をリアルタイムで監視し、不要なプロセスはkill PID
やkill -9 PID
で停止します。
&
でバックグラウンド実行し、jobs
やfg
/bg
で制御可能です。加えて、近年のサービス管理はsystemctl
によるsystemctl start|stop|status
が主流となっており、システム起動時サービスの有効化systemctl enable
も活用してください。
ネットワークの接続と監視
リモート接続はssh -p ポート ユーザー@ホスト
、ファイル転送はscp -r
を利用します。大容量や差分のみを効率的に転送したい場合は、rsync -avz
の使用もおすすめです。curl
でAPI呼び出しやヘッダ取得を自動化可能です。
netstat -tuln
で待ち受けポート確認とping
/traceroute
で疎通チェックができますが、netstat
は非推奨となり、ss -tuln
を使うことが推奨されます。これらを組み合わせてネットワークトラブルを迅速に切り分けましょう。
アクセス制御とセキュリティ管理
ファイルやディレクトリの権限はchmod
とchown
で設定します。
chmod 644 file.txt
は所有者に「読み書き(rw-)」、グループと他ユーザーに「読み取りのみ(r–)」を許可します。chmod u+rw,g+r,o+r file.txt
のように記号表記も使えます。
デフォルト権限はumask
で制御し、安全な環境を維持しましょう。管理者権限が必要な場合はsudo
経由で実行し、不要な権限昇格を避ける運用を心がけてください。
ソフトウェア管理(パッケージ)
パッケージ管理はディストリビューション依存です。Debian系ではsudo apt update
→sudo apt install パッケージ名
、Red Hat系では旧ツールyum
に代わり現行主流のdnf
(例:sudo dnf install
)を使います。
yum search
やdnf info
で詳細を確認し、依存関係を自動解決しながら安全に導入しましょう。
次に進むためのステップ
ここまでのコマンドに習熟したら、シェルスクリプトで業務を自動化し、Ansible(複数サーバーの設定を一括管理できる構成管理ツール)などを導入してみてください。
公式マニュアルのman
やオンラインチュートリアル(DigitalOcean、Red Hatドキュメントなど)を参照し、実際に手を動かしながら学ぶことでスキルが定着します。継続的に新機能を追い、効率的なLinux運用を目指しましょう。