ブラック企業から職業訓練校はあり?【後悔しない】辞めてから通う手順とメリット・デメリットを解説

ブラック企業から職業訓練校はあり?【後悔しない】辞めてから通う手順とメリット・デメリットを解説

「今の会社、もしかしてブラック企業かも…」

「毎日つらくて、もう辞めたい。でも、辞めた後の生活が不安…」

心身をすり減らしながら働いていると、そんな風に感じてしまいますよね。

結論から言うと、ブラック企業を辞めて職業訓練校に通うのは、非常におすすめの選択肢です。

なぜなら、金銭的な支援を受けながら、キャリアチェンジに必要なスキルを身につけ、心と体を休ませる時間を確保できるからです。

この記事では、ブラック企業からの脱出を考えているあなたのために、職業訓練という選択肢のメリット・デメリットから、実際に通うまでの具体的なステップまで、分かりやすく解説します。

この記事を読めば、あなたが次の一歩を踏み出すための、具体的な道筋が見えてくるはずです。

目次

ブラック企業で疲弊したあなたへ。職業訓練は賢い選択肢です

長時間労働やパワハラ、低い給料…。ブラック企業で働き続けると、心も体もボロボロになってしまいます。

「スキルもないし、辞めても次が見つからないかも」と不安に思う気持ち、とてもよく分かります。しかし、そのまま働き続けて心身を壊してしまっては、元も子もありません。

そこで考えてほしいのが「職業訓練校」という選択肢です。

職業訓練は、国が運営する公的な制度。再就職やキャリアアップに必要な知識・スキルを、原則無料で学べます。

ブラック企業から抜け出すための一時的な避難場所としてだけでなく、次のキャリアへ進むための、積極的で賢いステップになり得るのです。

まずは一旦立ち止まり、自分を大切にすることから始めませんか。そのための具体的な方法を、これから一緒に見ていきましょう。

【比較】ただ辞めるだけ vs 職業訓練に通う

ブラック企業を辞めた後の選択肢として、「すぐに転職活動を始める」か「職業訓練に通う」かで迷う方もいるかもしれません。

それぞれの選択肢が、あなたの生活やキャリアにどう影響するのか、比較表で見てみましょう。

項目すぐに転職活動する場合職業訓練に通う場合
精神面焦りや不安を感じやすい心身を休ませる時間が取れる
スキル今あるスキルで勝負する新しいスキルを無料で習得できる
金銭面失業保険の給付に制限あり失業保険の給付が手厚くなる
生活リズム不規則になりがち規則正しい生活を維持しやすい
転職活動孤独な戦いになりやすい仲間や相談相手が見つかる

このように比較すると、職業訓練には多くのメリットがあることが分かります。

もちろん、すぐに条件の良い会社に転職できる自信があるなら、それも一つの手です。

しかし、ブラック企業で疲弊してしまい、「少し休みたい」「新しいことに挑戦したい」と感じているなら、職業訓練はあなたにとって最適な選択となるでしょう。

職業訓練の2つの種類【あなたはどっち?】

一言で「職業訓練」と言っても、実は大きく2つの種類に分かれます。あなたがどちらの対象になるか、ここで確認しておきましょう。

公共職業訓練(主に失業保険の受給者向け)

公共職業訓練は、主に雇用保険(失業保険)を受給している方を対象とした訓練です。

ものづくり分野(機械、建築、電気など)から事務、IT、介護まで、幅広いコースが用意されています。期間はコースによりますが、3ヶ月から長いもので2年と様々です。

失業保険を受けながら、無料で専門スキルを学べるのが大きな特徴です。

求職者支援訓練(失業保険を受給できない方向け)

求職者支援訓練は、雇用保険を受給できない方向けの制度です。

例えば、フリーランスだった方、雇用保険の加入期間が足りずに退職した方、主婦(主夫)の方などが対象となります。

ITや医療事務、介護、デザインなど、比較的短期間で習得できるスキルが中心です。

さらに、収入などの一定の条件を満たせば、月10万円の「職業訓練受講給付金」と通所手当(交通費)をもらいながら訓練を受けることも可能です。

参考:求職者支援制度のご案内 |厚生労働省

ブラック企業から職業訓練校に通う5つのメリット

職業訓練が魅力的な選択肢であることは、お分かりいただけたかと思います。ここでは、さらに具体的な5つのメリットを掘り下げて解説します。

無料で専門スキルが身につく

最大のメリットは、受講料が原則無料で、専門的なスキルを学べる点です。

ITスキル(Webデザインプログラミング)、介護、医療事務、デザイン、電気工事など、その種類は多岐にわたります。テキスト代などは自己負担となりますが、数千円から1万円程度で済む場合がほとんど。

民間のスクールに通えば数十万円かかるような講座も、公的な制度だからこそ無料で受けられます。未経験の分野に挑戦したい方にとっては、これ以上ないチャンスと言えるでしょう。

失業保険の給付制限が免除される

通常、自己都合で退職した場合、失業保険を受け取るまでに原則2〜3ヶ月の「給付制限」期間があります。

しかし、ハローワークで相談し、「公共職業安定所長の指示」を受けて公共職業訓練に通う場合、この給付制限が免除されます。

ただし、「訓練開始とほぼ同時にもらえる」という訳ではないので注意が必要です。手続き後の待期期間(7日間)は必ずあり、実際の給付は訓練開始後の最初の失業認定日になります。そのため、訓練開始から数週間後に振り込まれるのが一般的です。

それでも、通常より早く、安定した収入を得ながら学べるのは大きなメリットです。

心と体を休ませる時間ができる

ブラック企業での過酷な労働は、あなたが思っている以上に心と体にダメージを与えています。

すぐに転職活動を始めても、疲弊した状態では良いパフォーマンスは発揮できません。

職業訓練に通うことで、転職活動のプレッシャーから一旦解放され、心身を回復させるための貴重な時間を確保できます。

このリフレッシュ期間が、次のキャリアで輝くためのエネルギーを充電してくれるでしょう。

生活リズムが整い、社会復帰しやすい

退職して一人でいると、どうしても生活リズムが乱れがちになります。昼夜逆転してしまい、社会復帰への意欲が削がれてしまうことも少なくありません。

職業訓練は、平日の昼間に学校へ通うスタイルが基本です。

毎日決まった時間に家を出て、授業を受ける。この規則正しい生活が、心身のバランスを整え、スムーズな社会復帰をサポートしてくれます。

同じ目標を持つ仲間と出会える

職業訓練には、あなたと同じように「新しいスキルを身につけて、良い会社に就職したい」という目標を持った人たちが集まります。

年齢や経歴は様々ですが、同じ目標を持つ仲間がいる環境は、大きな刺激になります。

転職活動の情報を交換したり、悩みを相談したりする中で、孤独を感じずに前向きな気持ちを保つことができるでしょう。

知っておきたい注意点とデメリット

多くのメリットがある職業訓練ですが、注意すべき点も存在します。後悔しないためにも、デメリットをしっかり理解しておきましょう。

必ずしも就職できるとは限らない

職業訓練は、あくまでスキルを学ぶ場であり、就職を100%保証するものではありません。

学んだスキルをどう活かすか、どんな企業を目指すかは、最終的にあなた自身の努力次第です。

しかし、多くの訓練校では就職サポートが充実しており、履歴書の添削や面接対策なども行ってくれます。これらのサポートを積極的に活用し、主体的に行動することが重要です。

人気のコースは選考で落ちることも

Webデザインプログラミングなど、人気のコースは倍率が高く、誰でも入れるわけではありません。

多くの場合、「書類選考」「筆記試験」「面接」といった選考が課されます。

なぜこのコースで学びたいのか、将来どう活かしたいのか、といった明確な目的意識を、自分の言葉で伝えられるように準備しておく必要があります。

失業保険の受給には条件がある

失業保険を受けながら公共職業訓練に通うには、まず失業保険の受給資格を満たす必要があります。

原則として「離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あること」が条件です。

ただし、会社の倒産や解雇、正当な理由のある自己都合退職(病気や家族の介護など)と判断された「特定受給資格者」や「特定理由離職者」の場合は、「離職日以前1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上」に条件が緩和されます。

参考:ハローワークインターネットサービス – 基本手当について

訓練期間中は制約があることも

職業訓練の目的は、あくまで「スキルを習得して早期に就職すること」です。

そのため、訓練期間中はスキル習得に集中することが求められます。原則としてアルバイトは制限され(ハローワークに相談し許可が出れば可能な場合もあります)、就職活動も訓練に支障のない範囲で行う必要があります。

また、正当な理由なく欠席を繰り返すと、給付金が停止されたり、退校処分になったりする可能性もあるため、真面目に取り組む姿勢が不可欠です。

すぐ会社を辞めていると給付がもらえない可能性

失業保険の受給資格を満たしていても、入社してすぐに辞めてしまった場合(例えば、雇用保険の加入期間が条件に満たないなど)は、給付を受けられない可能性があります。

特に、短期間で転職を繰り返している方は注意が必要です。

自分の雇用保険の加入期間がどれくらいか分からない場合は、退職前にハローワークで相談してみることをおすすめします。

【3ステップ】ブラック企業を辞めて職業訓練校に通うまでの流れ

では、実際に職業訓練校に通うには、どうすれば良いのでしょうか。ここでは、具体的な3つのステップを解説します。

ステップ1:ハローワークで相談する

すべての始まりは、あなたの住所を管轄するハローワークに行くことからです。

退職前でも相談は可能です。「職業訓練に興味があるのですが」と伝えれば、担当者が丁寧に案内してくれます。

この段階で、失業保険の受給資格があるか、自分はどの訓練の対象になるか、どんなコースがあるのか、といった疑問を解消しておきましょう。ここで全体像を把握することが、スムーズな手続きの鍵となります。

ステップ2:退職手続きと失業保険の申請

ハローワークで相談し、通いたいコースの目星がついたら、会社に退職の意思を伝え、手続きを進めます。

退職後、会社から「離職票」が届いたら、それを持って再びハローワークへ行き、求職の申し込みと失業保険の受給手続きを行います。

この手続きが完了しないと、職業訓練の申し込みもできないため、計画的に進めることが大切です。

ステップ3:希望のコースを選び、選考を受ける

ハローワークで正式に申し込み手続きを行い、希望する訓練コースの選考に臨みます。

前述の通り、選考内容はコースによって様々ですが、面接では「なぜこの訓練を受けたいのか」「訓練を修了した後、どのように就職活動に活かしたいか」という意欲を問われることがほとんどです。

自分の言葉で、前向きな姿勢をしっかりとアピールしましょう。

職業訓練受講給付金の手続き方法と「厳しい審査を通すコツ」

まとめ:ブラック企業からの脱出は、職業訓練で未来への一歩を

ブラック企業で働き続けることは、あなたの貴重な時間と健康を奪う行為です。

「もう限界だ」と感じたら、勇気を出して、そこから抜け出す一歩を踏み出してください。

職業訓練は、そんなあなたにとって、単なる避難場所ではなく、未来のキャリアを築くためのジャンプ台になります。

金銭的な支援を受けながらスキルを学び、心と体をリフレッシュできるこの制度は、使わない手はありません。

少しでも興味が湧いたら、まずは近所のハローワークに足を運んでみてください。きっと、あなたの新しい未来への扉が開かれるはずです。

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