職業訓練のプログラミングで未経験から就職できる?内容と現実を解説

職業訓練のプログラミングで未経験から就職できる?内容と現実を解説
すー

職業訓練校でプログラミングを学びたいけど、なんか難しそう。実際のところプログラマーとして就職できるの?

しん

正直、すぐにプログラマーとして就職するのはかなり難しい。とはいえ対処法はいくつかあるよ。

IT化が加速する昨今、SE・プログラマー業界は人手不足が続いています。経済産業省の調査(2019年公表)でも、2030年にはIT人材が最大で約79万人不足する可能性があると試算されました。

実は、公的な職業訓練にもプログラミングについて学べるコースがあるんです。

この記事では職業訓練のプログラミングコースについて網羅的に解説。

いち体験談としてでなく訓練校側の視点で、訓練の実情やメリット・デメリット、カリキュラム内容・キャリアプランの例までをまとめています。

この記事の結論

  • 修了後すぐにプログラマーとして就職できるのは、クラスで数名程度
  • 職種にこだわらなければ、6~7割の方が就職できている
  • おおむね30代半ば以上になると、未経験からのプログラマー就職はかなり難しい
  • 就職までには「受講・知識・継続・就職」の4つの壁がある
  • 入口は開発会社だけではない。SESや周辺職種から経験を積む道もある
目次

職業訓練のプログラミングコースで就職できる?

職業訓練でプログラミングを学べばプログラマーになれるのか

先に結論ですが…

職業訓練でプログラミングを学んでも、プログラマーとしてすぐに就職するのは難しいというのが現状です。

「全ての人が無理」とは言いませんが、クラスの中でも若くて特に努力した方が数名のみ、プログラマーとして就職できている印象。

おおむね30代半ば以上だとかなり難しいです。

プログラマーという職種にこだわらないのであれば6~7割の方が就職できているのですが。汗

職業訓練の就職率は何%?最新データと計算方法・訓練校の裏事情を解説

とはいえ、プログラマーとしての就職が難しくても様々な対処法やキャリアプランがあります。

訓練修了後のキャリアプラン例についてはこの記事の後半で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

IT分野の応募倍率と就職率【厚生労働省のデータ】

「6~7割は就職できている」という話は、国が公表している数字ともほぼ一致します。

厚生労働省が公表している令和6年度のハロートレーニング(公的職業訓練)の実績から、プログラミングを含む「IT分野」の数字を抜き出すと次のとおりです。

項目(令和6年度)IT分野全体
求職者支援訓練(実践コース)の応募倍率1.03倍1.10倍
求職者支援訓練の就職率(雇用保険に加入する就職)62.6%62.4%
同上(雇用保険に加入しない就職も含む)74.1%78.2%
公共職業訓練(委託訓練)の就職率70.7%72.8%

出典:厚生労働省 ハロートレーニングの実施状況(令和6年度)

就職率はほかの分野と同じくらい。ただし、これは職種を問わない就職の割合で、プログラマーとして就職できた人の割合ではありません。

年齢別に見ると、もう少しハッキリした傾向が出ています。

  • 公共職業訓練のIT分野の就職率は、20代~40代前半が71~77%ほど。45~49歳は68.4%、50代は58~64%ほどに下がる
  • 求職者支援訓練のIT分野は、受講者のおよそ3人に2人が20代・30代

職種を問わない就職率ですら40代後半から下がっていくので、「プログラマーとして」となると年齢の壁はさらに高くなります。冒頭の「30代半ば以上はかなり難しい」は、こうした数字とも矛盾しません。

職業訓練とは【就職に向けて学べる】

まずは職業訓練についてザックリ説明すると…

就職することを目的として、その為に必要な資格やスキル習得を行う訓練のこと。

受講するにはハローワークでの訓練相談を経て選考試験(筆記・面接)に合格する必要があります。

(ごくまれに筆記試験がない・面接がないなどのケースはありますが)

公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類がある

職業訓練(ハロートレーニング)は、大きく2種類に分かれます。

種類主な対象訓練期間
公共職業訓練失業保険(雇用保険)を受給している方おおむね3か月~最長2年
求職者支援訓練失業保険を受給できない方2か月~6か月

どちらも受講料は無料で、プログラミングコースは民間のスクールや専門学校が実施していることがほとんど。「主な対象」は目安なので、自分がどちらに申し込めるかはハローワークの訓練相談で確認してもらいましょう。

必ずしもプログラミングコースに通えるとは限らない

職業訓練は、基本的に各訓練校が県や自治体等の委託を受けて実施されます。

訓練が行われるタイミングは地域により異なってくるので、受講したいと思った時に必ずしも希望のコースがあるとは限りません。

特に、プログラミングコースはそれほど多くありません。開講数が少ない地域では、ひとつのコースに応募が集中することもあります。

いつ・どんなコースが開催されるのか事前にチェックしておきましょう。

外部リンク:職業訓練検索

※プログラミングコースの科名(コース名称)は様々です。キーワードで絞り込まず「想定する分野:IT分野」を選択して検索するのが無難です。

コース名の例

  • Webシステム開発科
  • アプリケーション開発科
  • Web制作技術者養成科
  • JAVAプログラミング実践科

などなど。

自宅で受講できるeラーニングコースもある

求職者支援訓練には、自宅で受講できるeラーニングコースや、授業の一部をオンラインで行うコースもあります。近くにプログラミングコースが無い地域の方にとっては、有力な選択肢です。

ただ、プログラミングは「エラーが解決できずに手が止まる」ことが本当に多い分野。その場で講師に聞けない環境だと、通学よりも挫折しやすくなります。

質問の方法(チャット・オンライン面談など)や対応時間、パソコンや通信環境を自分で用意する必要があるかは、申し込み前に確認しておきましょう。

職業訓練|プログラミングコースのメリット

職業訓練校でプログラミングコースを受講するメリットについて。

無料で学べる(テキスト代は別)

職業訓練は基本的に無料で受講できます。

ただしテキスト代や資格試験の受験料などは自費負担。

でもまぁ、無料で学べるのは嬉しいですよね。笑

お金をもらいながら受講できるケースも(条件あり)

失業保険の受給資格がある方は、失業保険の給付を受けながら訓練に通うことができます。

失業保険の受給資格が無い方でも、一定の要件を満たせば職業訓練受講給付金(月10万円)の給付を受けながら学ぶことができます。

主な要件は「本人の収入が月8万円以下」「世帯全体の収入が月30万円以下」「世帯全体の金融資産が300万円以下」「訓練実施日すべてに出席する(やむを得ない理由がある場合でも8割以上)」など(2026年10月時点・厚生労働省の案内より)。

月10万円のほかに、通所手当(交通費・月上限42,500円)が支給される場合もあります。

給付制限の終了を待たずに失業保険が受給される場合がある

自己都合で退職した場合、失業保険には7日間の待期のあとに「給付制限」という支給されない期間があります(2025年4月1日以降の退職は原則1か月。それ以前は原則2か月でした)。

この給付制限の期間中に訓練が始まるなどの場合は、制限期間が終わるのを待たずに給付を受けられることがあります。

(ハローワークの受講指示を受けて入校する場合に限る)

入校するタイミングによっては、逆に延長して受給できるケースもあります。訓練の途中で所定の給付日数が尽きても、修了日まで給付が続く「訓練延長給付」という仕組みです。

ただし、受講指示を受けるには「入校日の時点で給付日数が一定以上残っていること」などの条件があります。

給付の前倒しや延長ができるかは人それぞれなので、詳細はハローワークで相談してみて下さい。

学割サービスが使える場合も

訓練校に学生証や在学証明証を発行してもらえば、学割サービスがある店で割引を受けられる場合があります。

もちろん、職業訓練も「学割」適用とするかどうかは各店によりけりですが。

大人になってから「学生」を経験するチャンスは中々ないので、訓練期間中に学割サービスを使い倒しちゃいましょう。笑

クラスメイトと情報交換・切磋琢磨できる

職業訓練はたいていの場合1クラス15名~30名程度。

知識や勉強法を共有しながら仲間と切磋琢磨していけるのも大きなメリットです。

しん

ただ、プログラミングコースは他のコースに比べてドライな雰囲気になってることが多い印象だよ。事務コースやパソコン基礎コースとかだと和気あいあいとしてるんだけどね。笑

すー

活発に情報交換したいなら自分から積極的にコミュニケーション取ったほうが良さそうね。

訓練期間が終わりに近づいてくると、求人情報を共有しあう姿もよく見られますよ。

「こんな求人あったんだけど、○○さんに良さそうじゃない?」

といった感じです。

職業訓練|プログラミングコースのデメリット

職業訓練でプログラミングを学ぶことのデメリットは下記のとおり。

即戦力としての就職は難しい

訓練で学ぶ内容は基礎的なことが多く、修了してすぐにプログラマーとして就職するのは難しいです。

詳しくは後述しますが、就職までには大きく分けて4つの壁があり、この”壁”を着実に超えていく必要があります。

学ぶ言語や内容を自分で選べない

学ぶ言語やカリキュラムはコースごとに決まっていて、受講生が選ぶことはできません。

しかも、通える範囲で開講しているプログラミングコースは1つか2つ、ということも珍しくないんですよね。「Javaを学びたかったのに、地元にはPHPのコースしかない」といったことが普通に起こります。

地元の求人でよく使われている言語と、コースで学ぶ言語が合っているかは、申し込み前に確認しておきたいポイントです。

クラス全体のペースで進むため、置いていかれやすい

訓練は決められた期間でカリキュラムを消化する必要があるので、1人が理解できるまで待ってはくれません。

プログラミングは積み上げ型の学習。前の単元でつまずいたままだと、その先がまとめて分からなくなります。分からない所をその日のうちに潰す習慣がないと、後半は座っているだけになりかねません。

平日の日中は訓練で埋まり、欠席にも厳しい

通学のコースは、平日の朝から夕方まで授業があります。アルバイトや就職活動に使える時間は、思っているより少ないです。

職業訓練受講給付金を受けている方は、原則すべての訓練実施日に出席が必要で、やむを得ない理由があっても8割以上の出席が求められます。

職業訓練のプログラミングコースが向いている人・向いていない人

向いている人向いていない人
・費用をかけずに基礎から学びたい
・授業以外の時間も自分で手を動かせる
・エラーの原因を調べる地道な作業が苦にならない
・最初はSESや周辺職種から入ることも受け入れられる
・通うだけでプログラマーになれると思っている
・学びたい言語や分野がはっきり決まっている
・今すぐ収入が必要
・開講時期を待てない

学びたい言語が決まっている方や、開講を待てない方は、民間のプログラミングスクールも選択肢になります。費用はかかりますが、厚生労働大臣が指定する講座なら、雇用保険の教育訓練給付制度で受講費用の一部が戻ってくる場合もありますよ(対象講座や支給の条件はハローワークで確認できます)。

職業訓練を受けてプログラマーになる為の「4つの壁」

職業訓練を受けてプログラマーになる為の「4つの壁」

職業訓練を受けてプログラマーになるには、主に「4つの壁」があります。

  1. 受講の壁
  2. 知識の壁
  3. 継続の壁
  4. 就職の壁

1.受講の壁

まずは「職業訓練の受講を認めてもらえるか否か」という”受講の壁”が存在します。

訓練は、ハローワークで「受講の必要性がある」と判断されてはじめて応募することが可能。

さらには選考試験にも合格しなければいけない為、なかには訓練を受けられなかったという人も出てきます。

訓練は就職が目的なので、選考では「なぜプログラミングなのか」「修了後にどんな仕事に就きたいのか」を自分の言葉で説明できるかが見られます。訓練相談の段階から、ここを整理しておきましょう。

この壁を超えるためには下記の記事を参考にしてみてください。

2.知識の壁

入校したら、次に待ち受けるのは”知識の壁”です。

受講生のほとんどはプログラミング未経験者・初学者なのですが、はじめての人にとってはやはり難しく感じるようですね。

授業の中でのみ学習するというよりは、自主的に学ぶ姿勢が大切かと。

初めのうちはとっかかりにくく感じるかもしれないですが、理解が進むにつれて学ぶことが楽しくなってくるはず。

この壁を越えるコツは、次の3つです。

  • 入校前に少しだけ触っておく:HTML・CSSや、学ぶ予定の言語の入門書を1冊ながめておくだけでも、最初の数週間がかなり楽になる
  • その日の疑問はその日のうちに解決する:放課後に教室を使える訓練校なら、講師やクラスメイトに聞いてから帰る
  • 写すだけで終わらせない:テキストのコードを打ち込んだあと、数字や条件を変えて「どう動きが変わるか」を試す

3.継続の壁

次に訪れるのが、”継続の壁”。

プログラミングに限らずですが、知識を「自分のスキル」として定着させるにはインプット→アウトプットの繰り返しが必須ですね。

コードを書いては動作確認し、不具合があれば修正してまた動作確認…といった作業が延々と続くこともあるかと思います。

意外と地味で根気の要る作業。

対処法としては、学んだことを仲間と共有したり情報発信するのがおすすめ。

モチベーションの維持に繋がります。

もうひとつ効くのが、早めに「作りたいもの」を決めること。家計簿、日報、趣味の記録など、自分が使う小さなアプリで十分です。ゴールが決まると、授業の内容が「あれを作るための道具」に変わるので続けやすくなります。

4.就職の壁

最後に立ちはだかるのが”就職の壁”。

くどいようですが、職業訓練を受けたからといって誰でも就職できるわけではありません。

未経験から採用している会社は意外と少なく、さらには年齢というハードルもあります。

ただ、プログラマーになるための方法は一つだけではありません。

様々な角度から挑戦するほど可能性は拡がります。

見出し『キャリアプランの例』に飛ぶ。

プログラマーの種類・学習する言語

さて。

ここからはプログラマーの種類や学習する言語について、もうちょっとだけ踏み込んで紹介。

プログラマーの種類

一口にプログラマーと言っても、いくつか種類があります。

Webプログラマー
Webサイト・Webサービスなどのシステム開発を行う。

アプリケーションプログラマー
PCやスマホ等の端末にインストールして使うアプリの開発を行う。

ゲームプログラマー
ゲーム開発を行う(スマホゲームなど)。

組み込み系プログラマ―
家電製品・電子機器などに組み込まれる制御プログラムを開発する。

通信系プログラマ―
Wi-Fiやクラウド型サービスなど、ネットワークに特化したシステムの開発を行う。

汎用系プログラマー
大企業の基幹システムや金融機関の顧客データベースなど、大規模なシステムの開発を行う。

などなど。

大きく分けるとこんな感じです。

訓練で学ぶ言語の例

プログラマーの種類について紹介しましたが、なかでも職業訓練のプログラミングコースとして多いのはWebプログラマーとアプリケーションプログラマー。

なので、この2つの職種にフォーカスして学ぶ言語の例を紹介します。
(あくまでも一例です)

プログラミングコースで学ぶ言語

  • フロントエンド
    (ユーザーの目に触れる部分)
    HTML、CSS、JavaScript
  • バックエンド
    (ユーザーの目に触れない部分。データ処理など)
    PHP、Ruby、Java

個人的な感想ですが、HTMLやCSSは分かりやすいはず。

PHPやRubyも比較的とっかかりやすいでしょう。

Javaは難しいと感じる人も多いようで、挫折する人をよく見ます。笑

とはいえJavaを使った開発現場は多いので、将来性のある言語ともいえますね。

ちなみに、HTMLやCSSはWebデザインのコースにも組み込まれている場合が多いです。

「デザインにも興味がある」「コードを書くより見た目を作るほうが好きかも」という方は、Webデザインコースと見比べてから決めるのもアリですよ。

プログラミングコースの訓練内容【カリキュラム例】

職業訓練のカリキュラム日程や内容を紹介します。

訓練校やコースによって多少の違いがあるので、あくまでも一例として参考にしてみてください。

時間割【授業は1コマ50分×6時限】

時間割は基本的に、1コマ50分で休み時間10分。

午前3時限・午後3時限の一日計6時限です。

職業訓練校の時間割の例

複数クラスある訓練校では、クラスごとに時間を10分ずつズラしてたりします。
(休憩時間中のトイレ渋滞を防ぐため)

また、放課後は自主学習したい人の為に教室を解放している訓練校も多いです。

カリキュラム内容【月ごとの流れ】

あくまでも一例ですが、プログラミングコースのカリキュラム内容を紹介します。

月数カリキュラム内容
1ヶ月目・就職支援
・パソコン基礎
2ヶ月目・HTML
・CSS
・JavaScript
3ヶ月目・JavaScript
・PHP
4ヶ月目・卒業制作
・企業実習

はじめは就職支援や座学を行い、慣れてきたら実際にPCを使って操作。

HTML・CSSの授業に入ると楽しそうにする人も多いですが、JavaScriptあたりから授業について行くのがやっとという人も出てきます。笑

また、カリキュラムの合間に就職相談を行ったり、毎日10分程度はタイピングの練習時間が確保されているケースが多いです。

コース選びで確認したいカリキュラムのチェックポイント

同じ「プログラミング」と名の付くコースでも、中身は訓練校によってかなり違います。申し込む前に、コース案内で次の点を見比べてみてください。

  • 学ぶ言語:地元の求人で募集の多い言語と合っているか
  • データベースを扱うか:SQLなどデータベースの基礎は、Web系・業務系どちらの開発でも使う
  • 制作実習の時間:卒業制作やチーム開発に十分な時間があるか。面接で見せられる成果物になる
  • 企業実習の有無:未経験者が実務に触れられる貴重な機会
  • 訓練期間:期間が短いコースほど、1つの言語に使える時間は限られる
  • パソコン基礎の割合:パソコンに慣れている人には物足りない場合がある

説明会や見学会を実施している訓練校なら、参加して修了生の就職先や制作物の例を聞いてみるのがいちばん確実です。

どんな資格が取得できる?

どのような資格が取得できるかは訓練によって異なりますが、例えばWebクリエイター能力認定試験やJAVAプログラミング能力認定試験などがあります。

(カリキュラムでどの言語を学ぶかによって違ってきます。)

このほか、ITの基礎知識を問う国家試験のITパスポート試験や基本情報技術者試験を目標にしているコースもあります。

なお、基本情報技術者試験は年間を通じて受験できるCBT方式で実施されていますが、実施団体のIPAは「2026年12月28日以降に試験の休止を予定している」と案内しています(2026年10月時点)。受験を考えている方は、IPAの公式サイトで最新の日程を確認してください。

注意点としては、訓練を受ければ自動的に資格取得できるというわけではないということ。

通常通り資格試験を受けて合格する必要があります。

プログラマーになるには【キャリアプランの例】

実際にプログラマーとして働く場合、どのような形態があるのか解説します。

システム開発会社に就職

一番イメージしやすい働き方として、システム開発会社への就職があるかと思います。

その場合、大きく分けると自社開発を行っている会社と受託開発を行っている会社に分かれます。

自社開発

自社サービスをもっていて、そのサービスの開発・運用を行う。

対クライアントという働き方ではない為、服装など自由なところも多い。

メリット:裁量が大きい。クライアントから納期を指定されないため、残業が少ない傾向にある。

デメリット:より自分で考えたり判断する力が求められる。

受託開発

他社(クライアント)から依頼を受けてシステムの開発・運用を行う。

メリット:依頼主によって様々な仕事ができる(仕事の幅が広がる)。受託のためリスクが少なく比較的安定している。

デメリット:厳しい納期を設定されることがある(残業が多くなることがある)。方向性などクライアントに振り回されることがある。

SES(システムエンジニアリングサービス)【客先常駐】

SES(システムエンジニアリングサービス)では、依頼主の会社に出向いて作業を行います。

比較的入社しやすいですが、プログラミングそのものというよりテストや雑用的な仕事ばかりさせられることも多いです。

メリット:未経験でも入社しやすい。色んな現場を見ることができる。人間関係をリセットしやすい。

デメリット:スキルアップしにくい。現場ごとに面接がある場合が多い。年齢が高くなると仕事が入りにくくなる。

SESの会社に応募するときは、面接で次の点を聞いておくと入社後のギャップを減らせます。

  • 未経験で入社した人が、最初にどんな現場・業務に入っているか
  • 入社後の研修の期間と内容
  • 現場が決まるまでの待機期間中の給与の扱い
  • 開発の業務に移った人がどれくらいいるか

IT周辺の職種や他業種の社内IT担当から経験を積む

いきなり「プログラマー」の肩書きにこだわらず、ITに関わる仕事から入るという選択肢もあります。

  • ソフトウェアのテスト・検証
  • システムの運用・監視、ヘルプデスク
  • 他業種の会社での社内IT担当(パソコンや社内システムの管理、業務の効率化など)

訓練で身につけたプログラミングの基礎があれば、こうした仕事のなかでも「手作業を自動化する」「簡単なツールを作る」といった形で活かせます。そこで作った実績が、次の転職で開発職に応募するときの材料になるわけですね。

特に30代半ば以降の方は、前職の業界知識を活かせる会社でIT担当を狙うほうが、未経験プログラマーとして若い人と同じ土俵で勝負するより現実的です。

年齢・状況別の現実的なルート

年齢・状況現実的なルート
20代~30代前半まずは開発会社(自社開発・受託開発)に挑戦。難しければSESで実務経験を積む
30代半ば以降前職の経験を活かせる業界で、社内IT担当やIT周辺の職種を狙う
年齢を問わず、すぐの就職が難しい場合職種の幅を広げて就職しつつ、学習と作品づくりを続けて再挑戦する

職業訓練からプログラマー就職に近づくために訓練中にやること

クラスで数名の「プログラマーとして就職できる人」に入るには、訓練期間中の過ごし方がカギになります。

授業の課題とは別に、自分で考えた成果物を作る

未経験者の採用では、資格や修了証よりも「自分で考えて作ったもの」が評価されやすいです。

卒業制作はクラス全員が同じような内容になりがちなので、小さくてもいいから自分で企画したアプリやツールを1つ作りましょう。「なぜ作ったのか」「どこで詰まって、どう解決したのか」を話せると、面接での説得力がまるで違ってきます。

早い段階から求人票を見て、足りないスキルを補う

訓練が始まったら、修了を待たずに求人票をチェックする習慣をつけてください。

応募条件に書かれているのにカリキュラムに無いスキルは、放課後や休日に独学で補うしかありません。「未経験可」の求人がどんな会社から出ているのか、早めに相場観をつかんでおくことも大事です。

就職相談を使い、修了前から応募を始める

訓練校の就職相談では、応募書類の添削や面接練習をしてもらえます。

「修了してから動こう」だと出遅れるので、卒業制作に入る頃には応募を始められるよう逆算して準備しておきましょう。

職業訓練のプログラミングコースでよくある質問

パソコン初心者・文系でも受講できる?

受講できます。受講生のほとんどは未経験者・初学者で、多くのコースはパソコン基礎から始まります。

文系か理系かよりも、分からないことを自分で調べて試す作業を続けられるかどうかのほうが、向き不向きに直結します。タイピングに不安がある方は、入校前に練習しておくと授業がかなり楽になりますよ。

40代・50代でも受講できる?

受講に年齢制限は基本的にありません。

ただし、この記事でお伝えしているとおり、未経験からプログラマーとして就職する難易度は年齢とともに上がります。「修了後にどんな仕事に就くのか」を、プログラマー以外の選択肢も含めて考えてから申し込みましょう。

働きながら受講できる?

通学のコースは平日の日中に毎日授業があるため、フルタイムで働きながら通うのは現実的ではありません。

一方、求職者支援制度は、収入が一定額以下のパートタイムで働きながら正社員への転職を目指す方なども対象としています。働き方によっては受講できる可能性があるので、ハローワークで相談してみてください。

自宅にパソコンは必要?

通学のコースなら、授業は教室のパソコンで受けられます。

ただ、プログラミングは授業時間だけで身につけるのが難しく、自宅での復習や作品づくりがほぼ必須。本気で就職を目指すなら、自分のパソコンは用意しておきたい所です。eラーニングコースの場合は、パソコンと通信環境を自分で用意するのが基本になります。

まとめ【訓練後すぐの就職は難しいものの、対処法はある】

「職業訓練を受けてプログラマーになることは難しい」

というのが現状ではありますが、あとはやり方次第・行動次第。

無料で基礎を学べる制度を使い倒しつつ、訓練中の自主学習・成果物づくり・早めの就職活動で「4つの壁」を1つずつ越えていきましょう。

自分に最適だと思う方法で挑戦してみましょ。

これから需要が増える仕事とは?2040年推計で見る将来性のある職種と資格

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