PDCA実践時の注意点
PDCAサイクル?知ってるよ。でも、実践してるけどなかなか結果が出ないわ。
PDCAサイクルについて知っている人は多いけど、実践しているのに成果が出ない事例もまた多いよね。
この記事では、PDCAサイクルを正しく実践し、確実に成果に繋げる為に気を付けたい注意点について紹介します。
ちなみに、PDCAとは…
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
のプロセスを繰り返して継続的に業務改善を図るサイクルのこと。
Plan(計画):そもそも目標や計画がズレている
PDCAサイクル実践していても結果が出ない人の多くが、そもそもの計画がズレていることがあります。
目標と計画を混同しない
多くの人が混同しがちなのが、目標と計画。
年度ごとの目標を決め、そこから逆算して月ごとの目標を決めて、週ごとの・・。
という風に目標を落とし込んでいくと、まるでその年度の計画が出来上がったような感覚になります。
ただし、それはあくまでもその年の予定を決めただけ。
PDCAにおいての計画というのは、掲げた目標を達成するために「どういう行動を起こすか」という手段まで明示しないといけません。
「海賊王になる」という目標を掲げたときに…
- 悪い例:「まずは3年以内に四皇レベルになろう」
- 良い例:「まずは3年以内に四皇レベルになろう。その為には新世界でも通用する仲間を10人集める。その為には○○して○○して…。
というイメージ。
目標と計画を混同せず、しっかりと具体策を講じましょう。
目標が「見込み値」になっていないか
ありがちなケースとして、「見込み値」を目標として掲げてしまうことがあります。
例:
「ここ10年は売上が10%ずつ伸びているので、今年も10%の増加を目標とします。」
これ、目標ではなく業績予測ですよね。
アクションを起こさずとも自動的に達成される数字は、目標ではなく見込み値です。
これではPDCAをまわしているとはいえません。
「自分が行動を起こすことによってこの目標を達成します。」といえる目標設定が大事。
例:
「毎年の売上は10%ずつ伸びていますが、今年は○○の施策を打つことによって20%の増加を目指します。」
といった具合で、PDCAの因果関係をはっきりさせて目標を掲げましょう。
あとは目標に沿った具体的な計画を立てるだけです。
非現実的な目標値になっていないか【PDCAサイクル注意点】
反対に、目標値が高すぎて非現実的になっているパターンもあります。
自分の願望だけを優先して、根拠なく目標値を決めていないでしょうか。
目標値が非現実的だと、それを達成するための計画もやはり非現実的なものになってしまいます。
達成可能な目標を掲げ、その目標値を確実に達成するための計画を立てる必要があります。
Do(実行):結果に直結する行動を
実際に行動を起こす時は、しっかり結果に直結する形で、さらにいえば測定できる形で行動します。
厳密にいうと、これもPlan(計画)の段階で決めるものではありますが。
やった気にならない
PDCAサイクルのDo(行動)においての注意点は「やった気にならない」こと。
例えば、目標を達成するために
「いつもより営業を頑張った(気がする)」
「ミスが無いように気を付けた(気がする)」
という人がいます。
これでは、本当に目標を達成しうる行動を起こせたのか測れません。
他人からみれば、頑張っているようには見えない可能性だってあります。
下記のように、具体的に測定できる形で行動してみましょう。
「営業件数(月平均)を、前年度より20件多く実施する。」
「ミスを防ぐ為のチェック項目を2件追加し、最終確認を行う。」
などなど。
もちろん、営業件数を20件増やす為の、さらに具体的な行動も必要です(他業務を効率化するなど)。
やった気になってしまうようなフワッとした基準ではなく「目標を達成するための具体的な測定基準」を設けて実行することが大事。
Check(評価):数値で測定&結果を深掘り
Check(評価)プロセスでは、主に二つの視点をもつことが重要。
- 計画した「行動」を実行できたか?
- 行動結果が目標達成に結びついたか?
この二点を踏まえて評価を実施してみましょう。
結果の測定は数値化して行う
結果の測定は、数値化して行いましょう。
前述しているように、なんとなく「行動できた(気がする)」という状態では、正しく評価することはできません。
正しい行動指標と評価指標を設定し、正しく測定することが正確な分析に繋がります。
計画通りに行動したのに目標達成できない理由
計画通りに行動したのに目標を達成できていない場合は、そもそも設定した行動が結果に結びつくものではなかった可能性があります。
「結果に繋がる行動は何か?」を再分析しましょう。
計画通りに行動できなかったなら「なぜなぜ分析」で問題点を深掘りしよう
計画した通りの行動が実践できなかった場合は、「行動できなかった要因」を突き詰めることから始まります。
そんな時は「なぜなぜ分析」を取り入れるのも有効。
< なぜなぜ分析の例 >
設定した行動計画を実践できなかった。
なぜ実践できなかったの?
行動する時間がなかった。
なぜ時間がなかったの?
納期に余裕がなかった。
なぜ納期に余裕がなかったの?
人員(リソース)が足りていなかった。
なぜ人員(リソース)が足りていなかったの?
人員(リソース)を増やす余裕がなかった。
なぜ人員(リソース)を増やす余裕がなかったの?
そもそも案件の見積額が低すぎ。人件費の確保できてない…。
そこで、この案件をとってきた営業社員に確認したところ…。
契約をとる為に、クライアントに言われるがまま低価格で見積りをしていました。
「生産工程に問題があるように見えたけど、実際は営業手法に問題があった。」
なんていうことも。
これでは改善策はかなり違ってきますね。
なぜなぜ分析で根本的な原因を考えたからこそ浮かび上がる問題点もあります。
なぜなぜ分析は一般的に5段階ほど掘り下げることが多いですが、「これだ!」と思う原因が見つかるまでは徹底的に追及するのもありですね。
Action(改善):独りよがりにならず、皆で改善
評価・分析が済んだらいよいよ改善に向けて動き出します。
Action(改善)プロセスでの注意点は
- 独りよがりにならない
- 組織全体で取り組む
といったところ。
独りよがりにならない【PDCAサイクル注意点】
自分の思い込みだけで動かず、Check(評価)プロセスで分析・整理した内容をもとに改善していきましょう。
また、自分の成果をあげたいが為に他部署や他メンバーの負担が増えては意味がありません。
PDCAに取り組みたい旨やその内容を、会議などでしっかり情報共有&意思確認しましょう。
独りよがりの改善にならないよう注意。
組織全体で取り組む【PDCAサイクル注意点】
さらにいえば、他部署のメンバーも巻き込んで組織全体で取り組んでいくのがおすすめ。
自分だけでPDCAに取り組むのは、どうしても限界があります。
個人単位では実現できないような改善も、組織全体で取り組めばもっとスムーズに実現できるはず。
組織全体で継続的にPDCAサイクルに取り組み、生産性を底上げしていきましょう。
OODAループもおすすめ
業務改善を図るなら、PDCAサイクルだけでなくOODAループ(ウーダループ)もおすすめ。
OODAループって?
OODAループは、下記の手順を繰り返し実践していくことで業務改善を図る考え方です。
OODAループの四要素
- Observe(観察)
- Orient(方向づけ)
- Decide(意思決定)
- Act(行動)
PDCAが計画から綿密に立てていくのに対し、OODAループは状況が目まぐるしく変わる現場において有効。
迅速に最善の意志決定~行動をしていく思考法です。
最初にOODAで方向性を決めて、その方向性に沿ってPDCAサイクルをまわしていくという流れになるかなと。
まとめ【PDCAサイクル実践の注意点(確実に結果に繋げる方法論を解説)】
PDCAサイクルの最重要項目はP(計画)にあると言っても過言ではありません。
PDCAの注意点ザックリまとめると
- 目標への確かな道筋を立て、
- 明確な行動指標をもって実行し、
- 明確な評価指標をもって分析し、
- 組織全体で改善していく。
といった感じ。
「PDCA言うだけマン」にならないよう、確実に成果に結びつけていきましょう。