職業訓練の面接対策や合格するコツを解説【質問例・回答のポイントあり】
職業訓練の面接ってどんなこと聞かれるの?服装や合格のコツは?
面接では就職意欲の有無や真面目さなどをチェックされているよ。服装はなるべくスーツがおすすめ。
この記事では、職業訓練の面接に受かるコツや実際の質問例・回答のポイントを紹介。
面接官はどのような点を評価・判別しているのか、訓練校側の視点で解説していきます。
面接当日の流れ
まずは面接当日の流れについて。
会場ではまず挨拶・選考試験の流れについての説明等があります。
(その際、合否通知封筒への宛名記入をお願いされることもあります)
その後、下記の順で選考試験を実施。
1.筆記試験(20分程度)
2.面接(5分~10分程度)
筆記試験は、訓練の種類によっては60分行う場合もあります。
また、選考試験は午前中に行われることが多いです。
(日程や駐車場の場所などは事前にチェックしておいてください)
面接時の状況
訓練校にもよりますが、面接は訓練校側2人(面接官1人、記録係1人)と応募者1人で行われる場合が多いです。
基本的には個人面接で、時間は1人あたり5~10分程度。
(まれに15分~20分になることもあります)
応募人数が多い時は、時間の都合上3人同時面接など複数同時面接を行うケースもあり。
職業訓練校の面接で見られるポイント
面接では主にどのような点を見られるのか?というポイントについて。
こういうとアレなのですが、訓練校側の利益を考えてみると理解しやすいかもしれません。笑
就職意欲の有無
面接では主に「就職意欲があるか」という点を見られます。
これ、最優先事項といっても過言ではありません。
そもそも職業訓練が実施されるのは、就職率の改善という命題があるので。
訓練校側は「本当に就職意欲があるか?」という点をかなり重視しています。
訓練内容を把握しているか
訓練内容を把握しているか、という点もチェックされます。
取得できる資格や、それを活かしてどのような職種が目指せるかなど。
「どんな内容か分からないけど受講したいです!」
では通らないですよね。
例えばカリキュラム内容にエクセルの授業がある場合、エクセルの操作方法は分からなくても
- エクセルとは何か?
- 主にどんな業務に使われているか?
などのようなことはおよそ把握しておく必要があります。
内容を全く把握していないと「本当に就職意欲があるのかな?」という疑念を持たれかねません。
何より、受講しはじめてから「思ってたのと違った」となり、モチベーションの低下につながってしまいます。
訓練を最後までやり遂げられるか
訓練を「欠席せずに最後まで続けられる状況にあるか」という点も、重要な判断材料になります。
体調を崩しがちで欠席ばかりしないか。
子供の行事や発熱時など、欠席されないか。
などなど。
また、経済的理由で辞めたりしないかなどやんわりと聞かれる場合もあります。
なぜかというと、
「給付金が入らなくなった」
「金銭的に通い続けるのが厳しくなった」
などの理由で自主退校されるケースがあり、訓練校側はこれを警戒する為です。
「(職業訓練に通うことに対して)家族の理解があり、受講終了までサポートしてもらえる」旨を伝えられると良いでしょう。
例えば「子供の発熱時は夫や両親に対応してもらえます」といった具合です。
自己紹介・自己PRのコツ
職業訓練の面接は、就職面接と同様に自己紹介・自己PRがつきもの。
面接の一番はじめに「それでは自己紹介・自己PRをお願いします」と振られるパターンが多いです。
(まれに面接の最後に振られる場合もあります)
いつでも喋れるようしっかり準備しておく
よくあるのが、面接開始してすぐに「自己PRをお願いします」と言われて固まってしまうケース。
質問に対する答えは持ち合わせていても「自分で喋りを組み立てる」って意外と難しいんですよね。
緊張もあるしね^^;
しょっぱなから自己紹介・自己PRを振られることも多いので、心の準備をしておきましょう。
経歴や就職意欲・真面目さを「簡潔に」話す
自己紹介のコツは「長くなりすぎず、簡潔に」です。
自分の経歴や就職意欲・真面目さなどアピールできることを簡潔に話すのがコツです。
面接では「正確な日本語」よりも「簡潔な日本語」が話せるよう意識するといいです。
全て正確に話そうとして、逆に言葉が出なくなったりヘンテコな日本語になってしまうケースもあるので。
通常の敬語が使えれば問題ありません。
「一言一句チェックされる」ということはほとんどないので、固くなりすぎず臨んで下さい。
面接でよく出る質問例と「質問の意図」・回答のポイント
ここからは、面接でよく出る質問例と「質問の意図」・回答のポイントを具体的に紹介していきます。
職業訓練を受けようと思った理由は?(志望動機)
質問例:
「このコースを受けようと思ったのはなぜですか?」
質問の意図
給付金目的ではないか?
資格を取りたいだけではないか?
回答のポイント
単に「資格が欲しいから」、「無料で学べるから」と答えるのはNG。
また、「親にすすめられたから」、「友人に紹介されたから」という主体性のない回答ももちろんNGです。
「資格・スキルを習得してこの職種に就職したい」
「就職したいけど、このスキルが足りていないから学びたい」
など、就職を見据えた上で自分に足りないスキルを補いたいという旨を伝えるのが大事です。
遅刻や欠席をせずに最後まで通いきれますか?
質問例:
「遅刻や欠席をせずに最後まで通いきれますか?」
質問の意図
遅刻・欠席をせず最後まで通いとおせるか。
回答のポイント
「はい」と答えないとマイナス評価に繋がってしまう質問ですね。
とはいえ、嘘をついてまで「はい」と答えるのはおすすめしません。
もちろん遅刻・欠席をしない為の努力は必要ですが、どうしても遅刻・欠席せざるをえない事情がある場合は正直に伝えたほうが、後々トラブルにならずに済みます。
ちなみに、この質問の回答としては「はい+その根拠」を伝えるのがコツ。
例えば
「はい、遅刻や欠席をせずに通えます。昔から体調を崩すことが少なく、前職でも遅刻・欠勤はありませんでした。」
という感じです。
これまでの(現在の)就職活動状況は?
質問例:
「これまでの(現在の)就職活動状況について教えてください」
質問の意図
就職に向けて具体的に行動しているか?
(就職意欲はあるか?)
回答のポイント
「求職中だよ!」とツッコみたくなるかもしれませんが。笑
具体的にどのように就職活動を行ってきたか?という問いです。
この質問は、本当に就職する気があるのかを見極める為のものでもあります。
「就職したいけど何も行動していません」だと説得力に欠けてしまいますね。
ベストなのは「今回の訓練と関連性のある職種で数社へ応募しているが、○○の資格・スキルが無いため上手くいっていない」という状態。
求人への応募をしていない場合でも「求人誌や求人検索などで情報収集している」など、就職に向けて実際に活動していることを伝える必要があります。
訓練の内容を理解していますか?
質問例:
「この訓練の内容を理解していますか。」
「今回の訓練で学びたいことはなんですか。」
質問の意図
訓練に対する理解に乖離がないか。
回答のポイント
訓練内容に対する誤解・勘違いがあると、就職に繋がりにくかったりモチベーションが続かなかったりするので、それを防ぐ為の質問です。
(「思ってたのと違った」など)
回答例としては
「はい、訓練については自分でも調べていて、理解しています。」
「事務職(職種名)に必要なワードやエクセル・簿記について学習し、日商簿記○級(取得可能な資格名)の取得を目指します。」
といった具合。
また、基本的には希望職種と訓練内容には整合性がなければいけません。
例えば、希望職種がコテコテのITエンジニアなのに
「パソコン基礎コース」みたいな訓練だと、現実味がないですよね。
希望職種が「一般事務」なのに
「介護ヘルパー基礎コース」みたいな訓練だと、そもそも関連性がありません。
訓練内容をしっかり理解し、就職までを見据えたうえで応募していることが伝わるよう、事前に訓練内容を把握しておきましょう。
ちなみに、訓練カリキュラムに「パソコン」と「簿記」の授業があるのに「簿記だけ学びたい」というような、「これだけ学びたいアピール」はマイナス評価となってしまいます。
様々な年代・職歴の人とうまくやっていけますか?
質問例:
「訓練期間中、様々な年代の人ともうまくやっていけますか?」
質問の意図
訓練期間中、他の人とトラブルを起こさないか。
回答のポイント
訓練では様々な年代・職歴の人が一緒に授業を受けることになります。
「揉めごとを起こさず過ごしていける」
「前職でも様々な年代の人と上手くコミュニケーション取れていた」
という点が伝わればOK。
また、「様々な年代の方から学べることはどんどん吸収していきたい」と伝えられれば尚良いでしょう。
前職の退職理由を教えて下さい
質問例:
「前職の退職理由を教えてください。」
質問の意図
訓練をしっかり続けられるか。性格等の確認。
回答のポイント
退職理由なので「嘘をついて下さい」とまでは言えませんが…
前職への不満などネガティブな発言ばかりを長々と羅列してしまうと、マイナスな印象を与えかねません。
「トラブルメーカーやクレーマーになるかも」と警戒されてしまうので、なるべくネガティブな言い回しは避けるのが吉。
前職では人間関係でトラブルを起こしたことがなく、前向きにキャリアアップを目指しているため退職したという旨が伝わると、好印象を与えやすいです。
訓練中に就職が決まったらどうしますか?
質問例:
「訓練期間中に就職(内定)が決まったらどうしますか?」
質問の意図
就職意欲の強さを確認。
回答のポイント
訓練の最終目的は就職なので、基本的には「採用が決まればすぐにでも就職したい」と伝えるのが無難。
とはいえ、あまりにも早く就職されるとその後の委託費(訓練校が貰えるお金)が減ってしまうという側面もあります。
訓練校によって
「とにかく早く就職してほしい」
「訓練修了してから就職してほしい」
など、考え方はそれぞれ。
もし自分自身が「最後まで通いたい」という強い意志があるなら、
「まずは訓練修了まで待ってもらえるか内定先に相談してみる。」
と伝えるのもアリです。
訓練修了後、就職が決まらなかったらどうしますか?
質問例:
「訓練修了後、就職が決まらなかったらどうしますか?」
「年齢的に、この職種への就職は難しいのでは?」
質問の意図
自分なりに就職までの道筋を立てられているか。
回答のポイント
ちょっと意地悪な質問ですね。
回答例としては次のとおり。
「○○(職種名)への就職に向けて精一杯がんばりますが、状況に応じて職種や雇用形態など自分の可能性を狭めず、視野を広げて活動していきたいと思っています。」
臨機応変に活動し、何が何でも就職するという意志を見せるのがコツ。
通学に関する質問
質問例:
「通学方法や、通学にかかる時間について教えてください。」
質問の意図
通学方法を確認したい。
回答のポイント
訓練校としては、駐車場を確保したり、手続きをする上で通学方法の確認が必要な場合がある為、この質問をされることがあります。
基本的には正直に答えれば問題ありませんが、まだ通学方法が決まっていない場合は答え方に注意が必要。
良くない回答例:
「通学方法は全然決まっていません。時間も分かりません。」
これだと、本気で受講を考えていないような印象を与えかねないですよね。
「インターネットで通学路を調べたのですが、バスか自家用車で迷っています。」
と、調べた上で迷っていると伝えた方がいくらかマシです。
とはいえ、少しでも印象を良くしたいなら面接日までに通学方法は決めていた方がいいですよ。
【逆質問】面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれたら
ほとんどの場合、面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれます。
「特にありません」で終わらせるのも悪くないですが、ちょっとした就職意欲をアピールするのもおすすめ。
例:
「丁寧にご説明いただいたので質問はありませんが、就職に向けてしっかり学んでいく所存です。ぜひ御校で学ばせていただければと思います。よろしくお願いいたします。」
といった具合。
もちろん、疑問に感じたことや不明点などあれば素直に質問して大丈夫。ただ、避けたほうがいい逆質問もあるんだ。
避けたほうがいい逆質問
印象を悪くしてしまうかもしれない、避けたほうがいい逆質問についても少し紹介させて下さい。
事前に調べれば分かることを質問する
募集要項や訓練校のホームページに載っている情報など、事前に調べれば分かる情報についての質問は避けたほうがいいです。
「あまり調べてないのかな?」と思われてしまうかも。
面接中に既に説明された内容を繰り返し質問する
既に説明を受けている内容を繰り返し聞き返すのも、マイナスな印象を与えてしまいます。
「話を聞いてなかったのかな?」なんて思われるかも。
訓練校側が答えにくい質問をする
訓練校側(面接官)が答えにくい質問をするのも、おすすめできません。
例えば
「今まで受講生からどのような苦情がありましたか?」
「修了生が就職した時の平均給与はいくらぐらいですか?」
などなど。
面接当日の持ち物や服装・身だしなみ
面接当日の持ち物や服装・身だしなみについても触れていきます。
持ち物はしっかり準備して忘れずに
面接当日は忘れものが無いようしっかり準備しておきましょう。
筆記用具や、ほか持参するよう指示されたものなどなど。
また、車を利用する予定の方は駐車場の確認もお忘れなく。
駐車場を確保している訓練校もありますし、「近くのコインパーキングをご利用ください」としている訓練校もあるので、事前確認が大事です。
服装【スーツ着用が無難】
服装や身だしなみについては特に決まりがあるわけではありません。
ですが、少しでも合格の可能性を高めたいのであれば、なるべく印象の良い格好をしたほうがいいですよね。
スーツという決まりはありませんが、やはりスーツが無難です。
スーツの準備が難しいようならビジネスカジュアルなど。
実は、面接によって「スーツ派が多数」の時と「私服派が多数」の時があるよ。目的は面接に合格することなので、「スーツだと浮きそう…」みたいな心配はしなくてOK。
ただ、Tシャツに半ズボンとか、サンダル履きなどはNGです。
まっさきに不合格候補に入ってしまいます。
頭髪・髪色など【派手過ぎず、清潔感を】
頭髪は乱れのないよう整え、ヒゲなども綺麗に剃っておきます。
男性ならなるべく黒髪、女性も派手過ぎない髪色が無難です。
その他、靴や化粧など全体的にいえることですが、派手過ぎず清潔感を意識すると良いでしょう。
面接の合格率が上がる?都市伝説について職業訓練校の視点で解説
実は、次のようなことを書いている記事を見かけました。
- 「訓練説明会に参加すると合格しやすくなる」
- 「訓練校に個別訪問すると合格しやすくなる」
これについて、訓練校側の視点で解説しますね。
「訓練説明会に参加すると合格しやすくなる」はホント?
まずは「訓練説明会に参加すると合格しやすくなる」について。
結論からいうと、説明会への参加が直接的な加点要素になる訳ではないですが、違う意味で有利になる可能性はあります。
面接では評価項目・評価基準がきちんと設定されているので、まっとうな訓練校であれば「説明会への参加の有無」を点数に反映することはありません。
とはいえ、選考試験について直接質問できるので、その点では有利になりえます。
- 「面接ではどのようなことを質問されますか?」
- 「筆記試験はどのような問題が出ますか?」
- 「今回、応募者数は多いですか?」
などなど、質問をすれば答えてくれる訓練校も。
説明会は、訓練校側からすればある意味「集客の場」です。
よっぽど答えにくい質問でなければ真摯に回答してもらえるはず。
また、説明会では学校の雰囲気や駐車場のことなど、細かいことにも気軽に質問ができるので、可能であれば参加しておくことをおすすめしますよ。
「訓練校に個別訪問すると合格しやすくなる」はホント?
「訓練校に直接連絡して、個別に見学や説明会を受けると合格しやすくなる」
という説も、上記と似ています。
面接への直接的な加点要素にはならないですが、自分のことを印象付けることはできるかも、という程度。
訓練校としては、応募者は少しでも多いほうがいいので、連絡をすれば個別に対応してもらえることがあります。
ただ、それはあくまでも通常の説明会の日程に都合がつかない場合に留めておきましょう。
訓練校の職員は、開校前は忙しかったりするからね。
また、個別訪問は一概にメリットばかりとは言い切れません。
個別に対応してもらうということは、その間ずっと振る舞いを見られるわけです。
ちょっとした言葉遣いも例外ではありません。
接する機会が多い分、細かなボロが出ないように注意する必要があります。
準備はしっかり!固くなり過ぎず面接に臨もう
訓練校側は「とにかく最後まで通いきって就職してほしい」と考えています。
面接では、そうならない要素を一つずつ潰していっているイメージですね。
準備をしっかり行い、固くなり過ぎず面接に臨みましょう。