沖縄方言「ぬー」の意味
こんにちは。
どこそこの情報で『沖縄では「ぬー」という言葉だけで喧嘩が成立する』という情報を聞いて、おもわず検索してきたあなたへ。
なぜ、「ぬー」だけで喧嘩が成立するのか?
なぜ、「ぬー」だけで会話が成立するのか?
今回は、その「ぬー」という言葉について書きたいと思います。
沖縄方言で「ぬー」とは
沖縄方言の「ぬー」という言葉を共通語に直訳(?)すると、「何(なに)」という意味になります。
つまり、ここでの「ぬー」は疑問形で、「なに?」と言っています。
なぜ「ぬー」で喧嘩が成り立つのか
喧嘩の際の「ぬー」のニュアンスは、少し攻撃的です。
少なくとも丁寧な言葉ではありません。
標準語だと、「あぁっ!?」
という言葉と近いかと。
関西弁でいうと、喧嘩をするとき「なんや?」とか「なんやねん」と威圧的にいうのと同じニュアンス。
「なんや?」
「お、なんや、やんのか?」
と、お互いに詰め寄っているイメージです。
これを沖縄方言に訳すと
「ぬー」
「ぬー」
と続くわけです笑
その結果
ぬー
ぬー
ぬー
ぬー ・・・ to repeat ・・・
と、不思議な空間が出来上がるのです(^^;
これに翻訳をつけるとすれば・・
ぬー(なに見てんだてめぇ?)
ぬー(お、なんだ、やんのか?)
ぬー(あ?文句あんのかコラ)
ぬー(そっちこそ文句あんのか?)
・・・ to repeat ・・・
といった感じでしょうか。笑
ちなみに、僕のように語彙力がアレだったり口下手な人間からすると、「ぬー」の一言だけで怒りの意を表せるので、ある意味便利な言葉なんです。
なので、口下手な人同士が相対すると”ぬーぬー合戦”に陥りやすい印象です。笑
(偏見ごめんなさい)
「ぬー」喧嘩の現状
とはいえ、今の時代にそんな光景があるかと言われれば「そんなことは滅多にない」というのが答えです。
一昔前に沖縄のヤンキーが使っていたことはありましたが・・。
現代では日常会話をほとんど方言で話すという若者は減ってきているため、ぬーの使用頻度も減ってきている印象です。
「沖縄のおじぃ、おばぁが喋る方言は意味が分からない」という若者も珍しくないです。
怒っている人や不機嫌な人が単発で「ぬー」を使うことはありますが、ぬーぬー合戦のようなループは今ではほとんど見られません。
「ぬー」だけじゃない、沖縄方言一音会話
沖縄方言には、ぬーのほかにも一音で使える言葉があります。
沖縄方言の一音会話例
- えー→「ねぇ」「おい」など呼びかける時
- たー→「誰?」
- やー→「あなた」「おまえ」など相手を指す言葉
- まー→「どこ?」
- だー→説明が難しいですが、何かをねだる時や、ものを尋ねたりする時に使われる言葉です。
文例は「だー、ちょうだい」「だー、見せて」などなど。
『だー』という言葉自体には深い意味はなく、感嘆詞のようなものです。
沖縄ヤンキーがよく使う方言
沖縄のヤンキーが好んで(?)使う方言も紹介します。
- やっけー→やっかい。やばい。
- にりー(にーりー)→だるい。めんどくさい。
- はごー→汚い。
- ぐてー→体格や筋肉を表す言葉。がたいがいい人のことを「ぐてー」と言ったり「ぐてーがある」と言ったりします。
- しなす(くるす)→ぶっころす。こらしめる。
- うしぇーてる→気に食わない人に対して使う言葉。「ムカつく」とか「調子に乗ってる」に似たニュアンス。
※魔法の言葉※
- 「たーがしーじゃか」
「誰が先輩か?」「どっちが目上か?」と問う言葉。
たー→誰
しーじゃ→先輩、年上、兄や姉など、目上を表す言葉
「たーがしーじゃか」は、先輩が後輩に対して圧をかける、マウント取りのセリフです。
どちらかが難儀をしないといけない、あるいは譲らないといけない時に、目上の人がこのセリフを発することで目下の人間は従わざるをえなくなります笑
「たーがしーじゃか」=「おまえがやれ」
というイメージ。
目上の人間にとっては便利なセリフですが、目下の人間はこれを言われるとたまったもんじゃない、厄介なセリフです^^;
その他の沖縄方言
汚い言葉のまま終わると後味わるいので、最後にその他の沖縄方言をいくつか紹介して終わりにします 笑
- にふぇーでーびる→ありがとう
- まーさん→おいしい
- しに→とても
- てーげー→適当
- ひっちー→しょっちゅう
- あがー→痛い(痛いときにとっさに出る感嘆詞のようなもの)
『沖縄の飲み会文化「模合(もあい)」とは?仕組みや注意点を解説』
まとめ【沖縄方言「ぬー」だけで喧嘩が成立する説】
ほんとはまだまだ紹介しきれていない、おもしろい沖縄方言がいっぱいあるのですが、それはまたの機会に。
自分の地域の言葉を振り返ってみるのもたまにはいいですね。
あなたの地域での一言会話は何でしょうか?
ではでは~。