沖縄文化「模合(もあい)」って何?仕組みや注意点を解説します
模合って何?おいしいの?教えてくり。
模合は、一言でいうと沖縄の金銭相互扶助型飲み会ってところかな。「もあい」って読むよ。
沖縄には「模合」という、独特の慣習があります。
この記事では模合の仕組みや注意点を解説。
僕自身、模合に10年以上参加していました。
その経験をもとに、模合について深掘りしていきます。
模合(もあい)とは【沖縄の飲み会文化】
模合とは、複数名でグループを作り、そのメンバー同士で月に一度集まって飲み会を開く文化のこと。
模合の特徴は下記のとおり。
模合の特徴
- 毎月一定の金額を出し合う。
- 集まったお金はその月の親がもらう。
- 親は月ごとにローテーションで変わる。
親しい友人の間で行われることが多く、主にコミュニケーションの維持や金銭の相互扶助を目的として行われています。
なので、模合の参加者をSNSで無作為に募集しているということはほとんどありません。
大抵の場合、発起人となるメンバーが学生時代の同級生や同じ部活に入っていたメンバーを誘って模合をはじめることが多いです。
ちなみに「模合(もあい)」の語源は、共同で物事を行うことを意味する「もやう・もやい」から来ているらしいよ。
模合の仕組み【流れを解説】
模合の仕組みを、具体例で詳しく見ていきましょう。
まずは、最も一般的な模合の方式で流れを説明します。
模合の主な流れ【パターン1】
まずは、模合の場代(参加費用)と月ごとの親役を決めます。
その月の親となった人は模合の幹事となり、飲み会の場をセッティング。
メンバーは模合の日に場代を出し合い、親が場代を回収します。
場代1万円、Aさんが親という設定で図解を見てみましょう。
親になったメンバーは、その月の模合の幹事(予約~会計など)をしなければなりませんが、その月に集まった場代を受け取ることができます。
飲み代に合計2万円かかった場合、親は差額の3万円を自由に使えるわけです。
ただしこの場合、親も場代1万円を出しているのでその月の儲けは2万円ということになります。
このケースだとショボく見えるかもですが、場代の額を上げたり参加人数が増えたりすれば、親が貰える金額はさらに膨大に。
誤解のないように言っておくと、親の役はローテーションで結局一巡するので、稼げるとかいうものではありません。
積立型の模合【パターン2】
模合には、もう一つの運用パターンもあります。
場代の一部を、共益費(積立金)として貯める形式です。
「皆のためのお金を皆で貯める」というイメージ。
ある程度貯まったら、共益費を使って皆で旅行に行ったりします。
模合メンバー同士でワイワイ楽しみたいとかなら、こちらのほうが合ってるかも。
他にも、場代の一部を各個人の積立として貯金する場合もあります。
模合のルールは様々【明確に決めておくことが大事】
模合の設定金額や細かい運用ルールは、地域やグループによって様々です。
(設定金額は五千円~三万円程度が一般的)
上記では一番ポピュラーな例をもとに説明しましたが、必ずしもそうでないといけないという訳ではありません。
後々トラブルにならない為にも、予め明確なルールを決めておくことが大事。
例えば
- 親の順序交代はアリ?ナシ?
- 模合を抜けたい時の扱いはどうする?
- 共益費がある場合、どのように使う?
- 欠席した時の場代はどうする?減額?満額?
- 現メンバー以外が参加を希望した時の可否はどう決める?
- 模合に利用するお店(居酒屋など)は固定する?毎回変える?
- 模合の日程はそのつど親が決める?第四土曜日など固定にする?
などなど。
グループによっては、二ヶ月に一回だけの開催とか”親”役の順序をくじで決めるケースなどもあります。
ちなみに僕が参加していた模合では、欠席時の場代は減額されてました。
共益費の使い道も、全員の同意が必要という取り決めをしていましたよ。
模合は無駄?意義や目的とは
さて。
模合の仕組みについて解説しました。
ここで、こう思った方もいるのではないでしょうか。
儲かるわけではないのよね?それなら模合なんて参加せずに、普通に貯金に回したほうが早いんじゃないの?
そうなんです。
貯金だけが目的なら、模合に参加しないほうがいいかもしれません。
ただ、模合の意義や目的は「コミュニケーションの維持」という側面もあります。
模合の目的1:コミュニケーション維持
社会人になると、仲の良い友達でも疎遠になりがち。
模合という定期的な集いの場を設けることで、疎遠になるのを防ぐ効果があります。
模合には、親睦を深め関係を維持していくという目的もあるんです。
模合の目的2:金銭相互扶助
模合には、金銭相互扶助の目的もあり。
もちろん、お金が儲かるというものではないですが。
「今月は財布が厳しいな…」という時には、ありがたいお小遣いに。
財布事情が厳しい時に親役の順番を代わってもらうというケースもよく見られます。
一昔前は、事業者同士が資金調達のために模合を開くこともあったらしいけど、今ではほとんど見なくなったなぁ。
法的にもアレだしね。笑
模合の目的3:情報交換の場
模合は、貴重な情報交換の場でもあります。
参加者は基本的に社会人がほとんどなので、いろんな業種の近況や裏事情が聞けるんですよね。
さらに、中学時代の同級生グループなら「あいつ今何してる?」みたいな情報や、近所で起きた出来事などの情報を共有できたり。
ちなみに、模合を飲み会の口実にしている人もいるよ。複数の模合に掛け持ちで参加している人もいるね。
模合の注意点
模合は金銭も絡んでくるコミュニティなので、注意しなければいけないこともあります。
ルールをしっかり取り決める
前述でも触れていますが、模合でのルールを明確に決めておくことが大事。
メンバー同士が後から揉めないだけでなく、スムーズな模合運用に繋がります。
特に、金銭面などで不公平感があると離脱するメンバーも出てきてしまうので。
皆でよく話し合い、明確で納得のいくルールを決めましょう。
お金の持ち逃げに注意
お金の持ち逃げにも注意です。
「”親”役が場代を回収した後、次回以降の模合に出席せずトンズラ」
なんていう事案も一昔前は珍しくなかったとのこと。
沖縄民の模合あるあるですね。
現在ではあまり聞かない話ですが、全く無いとも言い切れないので要注意。
模合って、ある程度お互いの信頼関係が構築されていないと継続が難しかったりします。
まとめ【沖縄の飲み会文化「模合(もあい)」とは?仕組みや注意点を解説】
正直、「財布が厳しい時に助かるから」という理由での模合はおすすめしません。
毎月の飲み代はかかるので、どちらかというと出費は増えます。
さらにはメンバー内で結婚祝いや出産祝いなど贈りあったりもするので、冠婚葬祭にかかる出費も増えるはず。
模合は、信頼し合える仲間と末永く付き合いを持っていきたい人におすすめの沖縄文化なのです。
ではでは~。