職業訓練の事務コースについて解説

職業訓練の事務コースってどんなこと学ぶの?



事務系のコースでは主に簿記・会計やパソコンについて学ぶよ。
職業訓練とは
職業訓練は、就職を目的としてスキルを身につけることができる訓練制度。
失業中(求職中)の方が対象となっており、無料で通うことができます。
(テキスト代・検定受験料などは自己負担)
また、要件を満たせば月10万円の給付金をもらいながら通うことも可能です。
受講を希望される方はお近くのハローワークで相談してみてください。
事務コースの特徴や傾向
まずは事務コースの特徴や傾向をザっと解説。
女性に人気
職業訓練の事務コースは女性に人気で、クラスの7~8割が女性ということも珍しくありません。
受講生の方に人気の理由を聞いてみたことがあるのですが、やはり事務職は土日休みの職場が多く働きやすい・育児と両立しやすいという声が多かったです。



もちろん男性の方も通えますので、お気兼ねなくハローワークでご相談を。
ただ、男性の場合は「男性なのに事務職は難しいんじゃない?」などとハローワーク職員に詰められることもあるようなので、質問にはきちんと答えられるように準備しておくといいです。
パソコン操作も学ぶ
通常、事務コースのカリキュラム内にパソコンの授業も組み込まれています。
パソコンの基本操作やワード、エクセル、パワーポイントといったオフィスソフトなどなど。
他には簿記や電卓、訓練校によっては税法について学ぶこともあります。
事務職に限らずとも身につけておきたいスキルばかりですね。
資格・検定について
事務コースでは、主に簿記の資格とパソコン関連の資格取得を目指します。
簿記の資格は大きく分けて日商簿記検定(日本商工会議所)と全経簿記能力検定がありますが、日商簿記検定を扱っている訓練校が多いようです。
参考:日商簿記・全商簿記・全経簿記の違いを教えて!就職にはどの試験が役立つ?
パソコン関連の資格は、ワードやエクセルなどのオフィスソフト系が主で、MOS検定やサーティファイの検定があります。
『サーティファイとMOS、就職に有利な資格はどっち?違いや難易度などサクッと解説』
※どの資格を扱うのかは訓練校によって異なります。
就職先の例
職業訓練の一般事務・経理事務コースを受講するとどんな会社に就職できるのか、気になるところですよね。
事務コースを卒業した方の実際の就職先の例をいくつか紹介します。
就職先の例
- 塗装会社内での事務
- 司法書士事務所内での事務
- 市役所・公立学校での事務
- コールセンター内で電話・メールサポート
- Webサイト制作会社でのWebライター
- ITサービス会社でのデータ入力
- 保険会社での営業や営業事務
- 会計事務所
などなど。
未経験からの就職は難しい?



職業訓練を受講すれば未経験からでも事務職に就けるの?



一概にはいえないけど…正直なところ、年齢によって就職の実現度は大きく変わってくる。
例えば、20代であれば未経験でも事務員として就職できている方は結構います。
経験則ではありますが、一般常識があって見た目が派手過ぎなければわりとすんなり内定を貰えている印象です。
30代からは就職の難易度が上がりますが、それでも事務職に就けている方は実際にいました。
30代で事務職へ転職できた方々の特徴としては、訓練期間中にしっかり資格を取り、精力的に就職活動をしていた点です。
40代から未経験で事務職に就けている方は、正直かなり少ない印象。
(もちろん「絶対無理」というわけではありませんが)
コールセンターでの電話サポートや保険の営業など、事務にこだわらず「職種の幅」を少し広げることで対応する方が多かったです。
なかには知り合いのツテで事務職に就いた方も居ましたが…
人脈という意味では、これこそ40代の強みともいえるかもしれません。笑
事務コースのカリキュラム例
実際のカリキュラム例も表にしてみました。
うちの訓練校では3ヶ月程度の短期コースを「一般事務コース」として基礎的なカリキュラムにしており、
6ヶ月程度の長期コースは「経理事務コース」として、より専門的なことを学ぶカリキュラムにしています。
カリキュラム例
一般事務コース | 経理事務コース | 検定試験を受験するタイミング | |
1ヶ月目 | ・就職支援 ・電卓の使い方 ・商業簿記 ・パソコン基礎概論 |
・就職支援 ・電卓の使い方 ・商業簿記 ・パソコン基礎概論 |
|
2ヶ月目 | ・文書作成(ワード)基礎 ・表計算(エクセル)基礎 ・商業簿記 |
・文書作成(ワード)基礎 ・表計算(エクセル)基礎 ・商業簿記 |
・ワード検定受験 ・エクセル検定受験 |
3ヶ月目 | ・商業簿記 | ・商業簿記 | ・簿記検定受験(3級) |
4ヶ月目 | ・文書作成(ワード)応用 ・表計算(エクセル)応用 ・商業簿記Ⅱ ・工業簿記 |
・ワード検定受験(上級) ・エクセル検定受験(上級) |
|
5ヶ月目 | ・商業簿記Ⅱ ・工業簿記 ・プレゼンテーション(パワーポイント)実習 |
・パワーポイント検定受験 | |
6ヶ月目 | ・商業簿記Ⅱ ・工業簿記 |
・簿記検定受験(2級) |
表内に「電卓の使い方」というのがありますが、これは僕達が普段使うような四則演算などではなく、簿記・会計における計算の仕方や様々な機能の使い方を学びます。
また、僕の訓練校では一日を通して同じ授業が続くことがないように科目が半日ずつで分けられています。
午前は簿記、午後はPCの授業といった具合。
時間割の例
時間 | 科目 | |
1時限目 | 9:10~10:00 | 商業簿記 |
2時限目 | 10:10~11:00 | 商業簿記 |
3時限目 | 11:10~12:00 | 商業簿記 |
昼休み | 12:00~13:00 | – |
4時限目 | 13:00~13:50 | 文書作成 |
5時限目 | 14:00~14:50 | 文書作成 |
6時限目 | 15:00~15:50 | 文書作成 |



授業が細切れすぎると頭の切り替えが追い付かないし、かといって一日中同じ授業だと疲れるからね。これぐらいが丁度いいかも。



ただ、受験前の一週間程度は受験予定の科目を全時限とおしてやることもある。笑
訓練校の裏話【カリキュラムについて】
ちなみに、うちの訓練校では
- 一般事務コースでは、一回の試験で日商簿記3級を目指す。
- 経理事務コースでは、一回目の試験で3級合格を目指し、二回目の試験で2級合格を目指す。
といったイメージでカリキュラムが組まれています。
短期のコースだと訓練期間中に検定を受けるチャンスが一回しかありませんが、長期のコースではなるべく二回受験できるようにしています。
訓練校側の話になるのですが…
簿記の試験日はどうしてもズラせない為、簿記試験日を中心として、そこから逆算して学習を終えられるようカリキュラム設計をしていました。
WordやExcelなどの資格試験は訓練校側で日程を決めることができるので、とにかく簿記優先のスケジュールという感じです。笑
まとめ【職業訓練を活用して事務職を目指そう】
前述していますが、職業訓練の受講は基本的に無料です。
「事務職に就職したいけど簿記やパソコンの知識がない」という方は、ぜひ活用してみてください。